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1~10話
7c、スターシュ伯爵?
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グレニスと似ているのは……高い鼻、かな。
雰囲気も含め、全体的にはあまり似ていない。
「久しぶりにちょっと庭を見ていこうと思ったんだ。仕事の邪魔をしてしまってすまないね」
「とんでもないことでございます」
スターシュがチラと視線を上げて私の後方を見る。
「さあ、グレニスも来たことだし、そろそろお暇するとしよう。グレニスは堅物で気難しいと思うけど、頑張ってね」
すれ違いざまにポンポンと肩を叩かれた瞬間、スターシュの纏う香りがふわっと漂って私を包んだ。
「っ、……はい……」
なんとか短く返事を返せば、スターシュは私の態度を気にした風もなく去っていった。
爽やかな柑橘系の香水。
微かな甘さを含んですっきりとしたその香りはスターシュの雰囲気によく似合って、彼が自らの魅力をきちんと把握していることがわかる。
そして香水の香りに紛れるようにして微かに漂ってきた、もう一つの臭い。
「うぅ……」
グラグラと脳を揺らすような気持ち悪さに、手で口元を覆ってしゃがみ込む。
雰囲気も含め、全体的にはあまり似ていない。
「久しぶりにちょっと庭を見ていこうと思ったんだ。仕事の邪魔をしてしまってすまないね」
「とんでもないことでございます」
スターシュがチラと視線を上げて私の後方を見る。
「さあ、グレニスも来たことだし、そろそろお暇するとしよう。グレニスは堅物で気難しいと思うけど、頑張ってね」
すれ違いざまにポンポンと肩を叩かれた瞬間、スターシュの纏う香りがふわっと漂って私を包んだ。
「っ、……はい……」
なんとか短く返事を返せば、スターシュは私の態度を気にした風もなく去っていった。
爽やかな柑橘系の香水。
微かな甘さを含んですっきりとしたその香りはスターシュの雰囲気によく似合って、彼が自らの魅力をきちんと把握していることがわかる。
そして香水の香りに紛れるようにして微かに漂ってきた、もう一つの臭い。
「うぅ……」
グラグラと脳を揺らすような気持ち悪さに、手で口元を覆ってしゃがみ込む。
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