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11~20話
16e、小石照る
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顔を真っ赤にして悲鳴じみた声を上げる。
抗議の目でキッとマニーを睨んでも、なんだかマニーはわくわくと楽しそうな様子だ。
「で、どうだった? 嫌な感じでもした?」
「それどころじゃないわよ!!」
自分の想像が恥ずかしすぎて、恥ずかしいという感情以外何もわからない。
「不快で吐き気がしたりは?」
「そんなのはないけどっ! 自分が恥ずかしい……っ!!」
堪えないマニーを睨むのは諦めて、叫びだしたいような羞恥を抑えようと両手に顔を突っ伏した。
手のひらに触れる頬は熱い。
「口付けが不快じゃないなら、やっぱりそれは恋だと思うわ」
羞恥に悶える私にマニーが容赦なく止めを刺す。
「聞いた話だと、人って本能的に合う異性を匂いで嗅ぎ分けてるらしいわよ。近親者に惹かれないように、年頃の娘が父親の匂いを不快に感じたりだとか」
それは確かに思い当たる節がある。
幼い頃は全然気にならなかったのに、十五歳のデビュタントを迎えた辺りからお父様の匂いが少し苦手になった。
単にお父様がくさくなったのかと思っていたけれど、なるほど、お母様にとっては今も昔もいい匂いに感じているのかもしれない。
「その点、匂いが好ましい相手とは相性ぴったりで、結婚しても長続きするし、子供もできやすいんだって!」
「こっ……」
あまりの衝撃に、パタリとベッドに倒れ込んだ。
抗議の目でキッとマニーを睨んでも、なんだかマニーはわくわくと楽しそうな様子だ。
「で、どうだった? 嫌な感じでもした?」
「それどころじゃないわよ!!」
自分の想像が恥ずかしすぎて、恥ずかしいという感情以外何もわからない。
「不快で吐き気がしたりは?」
「そんなのはないけどっ! 自分が恥ずかしい……っ!!」
堪えないマニーを睨むのは諦めて、叫びだしたいような羞恥を抑えようと両手に顔を突っ伏した。
手のひらに触れる頬は熱い。
「口付けが不快じゃないなら、やっぱりそれは恋だと思うわ」
羞恥に悶える私にマニーが容赦なく止めを刺す。
「聞いた話だと、人って本能的に合う異性を匂いで嗅ぎ分けてるらしいわよ。近親者に惹かれないように、年頃の娘が父親の匂いを不快に感じたりだとか」
それは確かに思い当たる節がある。
幼い頃は全然気にならなかったのに、十五歳のデビュタントを迎えた辺りからお父様の匂いが少し苦手になった。
単にお父様がくさくなったのかと思っていたけれど、なるほど、お母様にとっては今も昔もいい匂いに感じているのかもしれない。
「その点、匂いが好ましい相手とは相性ぴったりで、結婚しても長続きするし、子供もできやすいんだって!」
「こっ……」
あまりの衝撃に、パタリとベッドに倒れ込んだ。
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