上 下
174 / 277
41~50話

42c、グレン……っ! ※

しおりを挟む
「っはぁ、っは……、ん……ひぁっ!」

 口付けを解いたグレニスの唇は、首筋を辿って胸へと下りた。
 がぶりと大きな口で胸の頂を含まれ、じゅっと全体を吸い上げながら充血した先端を舌先で転がされる。

「やぁっ、ダメっ! んん、ダメぇ……っ」

「ぐっ……」

 甘い痺れは一直線に下腹へと伝わって、またぎゅうぎゅうと中を締めつけてしまう。
 グレニスは堪えるように苦しげな息をつき、しかしなおも胸を愛し続けた。

「んっ、あっ、あぁっ……!」

 中を擦りあげられるたび感じていた違和感とも喪失感ともつかない感覚が、胸への刺激と相まって段々とその輪郭を浮き上がらせる。

 いつしか抽挿は、じゅぷっじゅぷっと音を立てるほどに早まって。

 上体を起こしたグレニスが私の両膝を掴んでぐっと腰を進めた瞬間、角度を変えた屹立が奥の一点を抉った。

「ふあぁっ!?」

 びくんっと背筋を反らす。

 何が起こったのだろう。
 一瞬、体内にくすぶり続けた熱に答えを突きつけられたかのような。

「っは……、……、か?」

 私の反応を確かめるかのように、狙い定めて同じ場所を穿たれる。

「んゃっ、あ……っ!」

 すがるものを失った手でぎゅっとシーツを握りしめ、追撃から逃れようと腰をくねらせる。

 この感覚が快感なのかはわからない。
 ただ味わったことのない感覚に、腹の奥が熱く渦巻いて熱を募らせていく。

 潤む瞳で見上げたグレニスは、熱い眼差しで私の痴態を見つめていた。

「っは……、リヴ……」

 何かをなぞるかのように、愛おしげに私の下腹を撫でる。

 打って変わって動きを緩めた屹立が、じわじわと先端ぎりぎりまで引き抜かれ、またゆっくりと時間をかけて中へと入り込んでくる。

「んーっ……、ん、んぅぅ……」

 奥に突き当たればまたぬるぅーっと引き返し、形を覚えさせるかのようにじっくりと中を擦られる。

 やわらかな粘膜は屹立の凹凸まで子細に感じ取ってしまって、そのすべてが刺激となってぞくぞくと腰が震える。

 ああ、だけど、だけど、そうではなくて……。

 緩慢な動きに耐えかねて、ぎゅっと太ももでグレニスの腰を挟む。
 増していく熱を持て余し、このままでは自分がどうにかなってしまいそうだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

即オチしても恋はしない

BL / 完結 24h.ポイント:213pt お気に入り:599

ラグナロク・ノア

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:213pt お気に入り:3

紅雨 サイドストーリー

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:4

愛さないで

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,569pt お気に入り:1,016

もどかし遊戯

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:2

運命の番は姉の婚約者

BL / 完結 24h.ポイント:284pt お気に入り:2,294

疲労熱

BL / 完結 24h.ポイント:291pt お気に入り:4

パスコリの庭

BL / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:27

死にたがりのユキと死神のハルナ

青春 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:2

息抜き庭キャンプ

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:766pt お気に入り:8

処理中です...