183 / 277
41~50話
44c、またね
しおりを挟む
「リヴが帰っちゃうの、すっごく寂しいんだからね!?」
「私も! マニーと離れるの、すごくすごーく寂しいわ!!」
潤んだ瞳でひしと抱き合う。
今生の別れではない。
手紙を書こう。
きっとまた会いに来よう。
嫁ぎ先がどれほど遠い地かはわからないけれど、どんなに離れたって友情は切れないのだから。
「……じゃあ、戻るわね」
抱擁を解いたマニーは、さりげなく目元を拭って洗濯かごを拾い上げる。
「うん……またね」
私も目元を擦りながら空の洗濯かごを手渡すと、仕事に戻るマニーを見えなくなるまで見送った。
部屋に戻り、私服へと着替えを済ませる。
迎えの馬車はいつ着くだろう?
今日? それとも明日?
なんなら明後日だっていい。まだまだここを離れがたいのだ。
気持ちが落ち着かず、まとめた荷物を何度も確認しては、そわそわと狭い室内を歩き回る。
日が真上に昇った頃。
遅れろ遅れろという祈りも虚しく、管理人が迎えの馬車の到着を知らせにやってきた。
「さてと……」
大きな旅行鞄一つと、反対の手には枕を抱える。
元々、行儀見習いの期間は三年と決められていた。
どうせ期限が来ればここを出なくてはいけなかったのだから……。それがちょっと、早まっただけ。
部屋を出る前にもう一度室内を振り返ろうとして、やはり振り返ることはせずにドアをくぐる。
見ても未練が増すだけだ。
「私も! マニーと離れるの、すごくすごーく寂しいわ!!」
潤んだ瞳でひしと抱き合う。
今生の別れではない。
手紙を書こう。
きっとまた会いに来よう。
嫁ぎ先がどれほど遠い地かはわからないけれど、どんなに離れたって友情は切れないのだから。
「……じゃあ、戻るわね」
抱擁を解いたマニーは、さりげなく目元を拭って洗濯かごを拾い上げる。
「うん……またね」
私も目元を擦りながら空の洗濯かごを手渡すと、仕事に戻るマニーを見えなくなるまで見送った。
部屋に戻り、私服へと着替えを済ませる。
迎えの馬車はいつ着くだろう?
今日? それとも明日?
なんなら明後日だっていい。まだまだここを離れがたいのだ。
気持ちが落ち着かず、まとめた荷物を何度も確認しては、そわそわと狭い室内を歩き回る。
日が真上に昇った頃。
遅れろ遅れろという祈りも虚しく、管理人が迎えの馬車の到着を知らせにやってきた。
「さてと……」
大きな旅行鞄一つと、反対の手には枕を抱える。
元々、行儀見習いの期間は三年と決められていた。
どうせ期限が来ればここを出なくてはいけなかったのだから……。それがちょっと、早まっただけ。
部屋を出る前にもう一度室内を振り返ろうとして、やはり振り返ることはせずにドアをくぐる。
見ても未練が増すだけだ。
応援ありがとうございます!
23
お気に入りに追加
1,243
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる