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51~60話
55c、今夜は私の足を縛っておいて
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そうとも知らず、自分だけがグレニスと過ごせることに舞い上がっていたなんて。
「いや、それは———」
「寝相が悪かったんですよね!? 私、寝ぼけてグレンのこと蹴ったりしたんでしょう!?」
グレニスは私のことを好きなのだし、私は手を出さないと誓ったのだから、一緒に寝ること自体に不都合はないはずだ。
ベッドは二人で寝ても十分すぎるほど広さがあるので、狭くて寝苦しいということもない。
となれば残る可能性はただ一つ。
私が寝ている間に何かやらかしたとしか考えられない!
まったく、私というやつは! グレニスを安眠させるはずが、とんだ迷惑を……!
「あー……いや、寝相は……悪いということもなかったが……」
ほら、グレニスだって気を遣って答えにくそうじゃないか!
「本当に申し訳ありませんっ! あっ、あの、もしあれだったら今夜は私の足を縛っておいてく———」
「それは不味い」
「でもっ」
グレニスはそれ以上の言葉を封じるかのように、私の下唇をむにっと摘まんだ。
「気にするな、蹴られたりはしていない。それにリヴ程度の力なら、実際に蹴られたところで何ら支障ない。……これは俺自身の問題だ」
「……?」
「いや、それは———」
「寝相が悪かったんですよね!? 私、寝ぼけてグレンのこと蹴ったりしたんでしょう!?」
グレニスは私のことを好きなのだし、私は手を出さないと誓ったのだから、一緒に寝ること自体に不都合はないはずだ。
ベッドは二人で寝ても十分すぎるほど広さがあるので、狭くて寝苦しいということもない。
となれば残る可能性はただ一つ。
私が寝ている間に何かやらかしたとしか考えられない!
まったく、私というやつは! グレニスを安眠させるはずが、とんだ迷惑を……!
「あー……いや、寝相は……悪いということもなかったが……」
ほら、グレニスだって気を遣って答えにくそうじゃないか!
「本当に申し訳ありませんっ! あっ、あの、もしあれだったら今夜は私の足を縛っておいてく———」
「それは不味い」
「でもっ」
グレニスはそれ以上の言葉を封じるかのように、私の下唇をむにっと摘まんだ。
「気にするな、蹴られたりはしていない。それにリヴ程度の力なら、実際に蹴られたところで何ら支障ない。……これは俺自身の問題だ」
「……?」
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