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51~60話
58e、ななな殴るならっ!
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駆けつけた際に床に落としてしまった枕は諦めて、二人で寝室へと向かう。
血の付いた寝衣から着替えたグレニスは、ベッドに横になると私の方へ腕を差し出した。
「先刻はかなり無茶をしただろう、手が震えていた。今夜は俺に慰めさせてくれないか?」
招かれるまま、グレニスの腕に頭を乗せてすっぽりと胸に収まる。
すぅぅぅと深く息を吸い込めば、何よりも大好きな香りがたっぷりと体内を満たし、ようやく心から安堵の息をついた。
「……本当は、ちょっと怖かったんです」
「ああ、父上がすまなかった。今回は俺に対して怒っていただけで、決して女性に声を荒げる人ではないからその点は安心してくれ」
「はい……」
「しかし父上に歯向かえる者はそう多くない。先ほどのリヴの気概には惚れ直したぞ? 俺を守ろうとしてくれてありがとう」
その言葉にふいとグレニスを見上げれば、額にやわらかな口付けが落ちた。
「おやすみ、リヴ。愛している」
「私も、愛してます……。おやすみなさい、グレン」
こんなにぴったりと抱きしめられているのに、もっと触れ合いたいと思ってしまうなんて……。
血の付いた寝衣から着替えたグレニスは、ベッドに横になると私の方へ腕を差し出した。
「先刻はかなり無茶をしただろう、手が震えていた。今夜は俺に慰めさせてくれないか?」
招かれるまま、グレニスの腕に頭を乗せてすっぽりと胸に収まる。
すぅぅぅと深く息を吸い込めば、何よりも大好きな香りがたっぷりと体内を満たし、ようやく心から安堵の息をついた。
「……本当は、ちょっと怖かったんです」
「ああ、父上がすまなかった。今回は俺に対して怒っていただけで、決して女性に声を荒げる人ではないからその点は安心してくれ」
「はい……」
「しかし父上に歯向かえる者はそう多くない。先ほどのリヴの気概には惚れ直したぞ? 俺を守ろうとしてくれてありがとう」
その言葉にふいとグレニスを見上げれば、額にやわらかな口付けが落ちた。
「おやすみ、リヴ。愛している」
「私も、愛してます……。おやすみなさい、グレン」
こんなにぴったりと抱きしめられているのに、もっと触れ合いたいと思ってしまうなんて……。
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