👨👨❓️三人用声劇台本「吸血鬼の末路」~男吸血鬼ver.~

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吸血鬼の末路~男吸血鬼ver.~

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【ボーンボーンと柱時計の効果音】
吸血鬼:あーもう目覚める時が来たか。腹はからっぽだし、出かけるとするか。

〈街へと繰り出す〉
吸血鬼:(独り言)暑いけどやっぱりこの季節はいいなー。
肌の露出度が高くて、選び放題だし最高だな!

【革靴で歩く効果音】〈女性のすぐ後ろについて歩く〉
吸血鬼:(女性の肩を叩く)失礼、お嬢さん。肩に何か付いてますよ【首筋に牙を立てて血を吸う効果音】

吸血鬼:カプ、チュチュチューチューチュー、ジュル。あーやっぱり若い女の血はうまいなー(間)うーん、まだまだ足りないなぁ。あっ!あっちに首筋の綺麗な子がいるな。あの子にするか。

警察官:(吸血鬼の肩を叩く)すみません。ちょっといいですか?さきほど通報がありましてね。黒の上下のマント姿で、いかにも吸血鬼の格好をした不審者がいるという事で声をかけさせてもらいましたが、何か身分を証明できるものはお持ちですか?

吸血鬼:(キレぎみで)あ?何だよお前。

警察官:まぁまぁ落ち着いて。こんな真夏に季節を無視した格好をしていたら、そりゃあ怪しいと思うのが普通でしょ?

吸血鬼:これが正装なんだが文句あるか?

警察官:正装?

研究所所長:(吸血鬼に向かって)おー久しぶり!何だよその格好。あっ!!今日俺の誕生日だからってサプライズで迎えに来てくれたのか!そかそか!日が暮れて来たとは言え、まだ暑いのにそんな格好させて悪いな~それじゃ俺の家(うち)すぐだし、コンビニで酒買ってパーティ始めようぜ!
(警察官に向かって言う)おまわりさん、すみません。こいつ、俺の友達なんですよ。俺を驚かせようとしてくれたみたいで。ご迷惑おかけしましたー

(間)
吸血鬼:何だよお前なれなれしいな。友達になった覚えは無いが!

所長:あの状況を助けてあげたっていうのに、その口の聞き方はいかがなものかと。

吸血鬼:まぁ面倒な所を助けてくれたのは礼を言うが、お前は何者だ?

所長:あっご挨拶が遅れました。私(わたくし)こういうものです。(名刺を渡す)

吸血鬼:なになに?オータム研究所所長?

所長:立ち話も何ですし、研究所に招待しますよ。すぐそこですし、お茶の一杯位ごちそうしますよ。いかがですか?

吸血鬼:俺が?【スタンガンの効果音】な、に、を(意識を失う)

所長:意外とチョロいんですね。それではまたのちほど。


〈研究所に連れて来られた吸血鬼〉
所長:あっ、お目覚めになりましたか?少し刺激が強すぎましたかね?スタンガンを使う機会などあまり無いものですからね、出力を最強にしてしまいました。

吸血鬼:い、いってぇ!手がしびれて動けねぇ!お前!俺が気を失ってる間に拘束するなんて!クッソー

所長:そんなに暴れないで下さい。あなたは貴重な研究材料なのですから。
(間)
所長:(注射器で血液を取る)ちょっとチクっとしますよ。
うん、まぁこの位にしておきますかね。
それじゃまた暴れ出すと困るので。

【スタンガンの効果音】
所長:暴れないで下さい?さっきよりも強力なスタンガンですから暴れると大変危険ですよ?

吸血鬼:(叫ぶ感じで)やめろー!!!
【スタンガンの効果音】

(間)
所長:(助手に向かって)また目を覚まして暴れては厄介だ。全身をくまなく調べるぞ。

助手:(無感情で)はい、全て準備は完了しております。

所長:じゃあ早速始めるか。

(間)
助手:(無感情で)お待たせしました、結果出ました。

所長:よし!DNA鑑定の結果から見てみるか。(間)む、やはり人間とは異なる塩基(えんき)配列が見られたか。唾液には血が固まらない成分の[ドラキュリン]も含まれていたとは。予想はしていた事だが正直驚いてる。まさかこの時代に吸血鬼がいたなんて、いまだに信じられない。よくこんな貴重なサンプルを見つけたな。しかも生け捕りとは、良くやった。

助手:(無感情で)ありがとうございます。コーヒーをお持ちしましたので、冷めないうちにお召し上がりください。

所長:うん、ありがとう。そういえばお前もこいつと元(もと)は同類だったから見つけられたのか。

助手:(無感情で)それはどういう意味でしょうか?

所長:あっ、今のは忘れてくれ。余計な事を言ったな。疲れただろう。もう休みなさい。

助手:(無感情で)はい。それでは、また用がございましたらお呼び下さい。


所長:(寝起き)ぅーん、いつの間にか寝てしまっていたようだな。はっ!吸血鬼はっ?ぃいない…検査結果は?無い!何も無い!吸血鬼を生け捕りにした事も、ここに連れて来た事も、検査した事も、(絶望した感じで)全部夢だったというのか…

(間)
助手:(走って逃げている)はぁはぁ!

吸血鬼:はぁはぁ!なんで俺らは逃げてるんだ?

助手:(感情ありで)はぁー。ここまで来れば大丈夫でしょう。

吸血鬼:なぁ、詳しく説明してくれないか。

助手:はい。私はあの研究所で助手をする前、あなたと同じ吸血鬼だったんです。私も空腹を満たす為、人間の血を求めていた時、所長に声をかけられて、いつの間にか気を失っていました。研究所で目を覚ますと、すでに全身の血は抜かれ、その代わりに人間の血を入れられていたのです。吸血鬼の頃の記憶は一切無く、人間としてあの研究所で助手をする事になりました。
今日あなたの血液を検査している時、血液をなめたいと言う、強い衝動にかられました。少しだけと思いつつも、いつの間にか検査用の血液のほとんどをなめてしまったのです。血液のニオイ、味で私の吸血鬼の頃の記憶がよみがえったのです。あの研究所は人体実験を行っている、とても怪しい研究所です。あのままではあなたまでも犠牲になる所でした。

吸血鬼:そんなに危ないとこだったのか…

助手:まさか、助手が睡眠導入剤入りのコーヒーを出すとは思ってもみなかったのでしょう。疑う事無く飲み干してくれたおかげで、時間がだいぶ稼げたと思います。

吸血鬼:そのおかげで逃げ出せたってわけか。それで、これからどうするつもりなんだ?

助手:これからは二人で協力して生きていきませんか?

ーENDー
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