👨❓️二人用声劇台本「バーでの出来事」

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バーでの出来事

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【扉が開く効果音:カランコロン】
マスター「いらっしゃいませ、近藤様。お待ちしておりました」

近藤「はいっ??なんですか???」

マスター「近藤様が当店へご来店くださって、今日でちょうど1年になりました」

近藤「そうでしたか。職場の近くのバーだし、通うようになってもう1年たつのか」

マスター「はい!いつもありがとうございます。こちらは当店からのささやかなプレゼントになります」

近藤「ありがとうございます。開けてもいいですか?」

マスター「もちろんです。気に入って頂けるといいのですが」

近藤「わっ、高そうなグラス!いいんですか?こんな高価な物を頂いちゃって」

マスター「もちろんですとも。1年も通ってくださるお客様は、このご時世なかなかいませんからね。このグラスをお渡ししたのは近藤様でお二人目なんですよ」

近藤「そうなんですか?へぇ~結構常連さんばかりだと思ってたけど、意外とそうでもないんですねぇ。あっこのグラス、お店に置いてもらってもいいですか?」

マスター「はい。それではお預かり致しますね。近藤様はご自宅ではお酒はお飲みにならないのですか?」

近藤「ええ、家では飲まないようにしてるんですよ。前、家でかなり飲み過ぎてしまって、ひどい二日酔いで仕事に行ったんですよ。そしたら仕事で大失敗して上司にこっぴどくしかられましてね。それからお酒を飲むのは、理性が保てる《外(そと)飲み》だけって決めてるんです」

マスター「そうでしたか。それで当店に来てくださるようになったのですね」

近藤「はい。だからここでは1杯だけにしてるんです」

マスター「なるほど。そうでしたか」

近藤「せっかくだし、記念のグラスで、いつもの頂いてもいいですか?」

マスター「もちろんです。(間)ワイルドターキーのストレートです」

近藤「ありがとうございます。わぁ~このグラス、お酒が入るとさらに綺麗」

マスター「近藤様に気に入っていただけて良かったです」


近藤ナレーション「数日後」

【扉が開く効果音:カランコロン】
マスター「いらっしゃいませ。近藤様、今日はお早いのですね」

近藤「えぇ、この前話してた上司が亡くなりましてね。その葬儀の手伝いの帰りなんです」

マスター「もしかして、秋(あき)駅近くのお寺ですか?」

近藤「なぜそれを?」

マスター「私も先ほどそのお寺に行ってきたものですから。会社関係の受付にいたのは、やはり近藤様だったのですね?」

近藤「マスターもあの場にいたとは気付かなかったです。でもどうしてうちの上司の坂井の葬儀に?」

マスター「はい、坂井様は2年ほど前からでしょうか。毎日のように来てくださいましたが、ここ1年ほどはいらっしゃらないので心配しておりました。まさかお亡くなりになるとは。最初に来店1年目の記念のグラスを差し上げたのは坂井様にだったんですよ」

近藤「そうだったんですか。ずっと残業続きで過労死だろうって皆で話してたんです。まぁうちの会社は過労死とは、認めてませんけどね」

マスター「それはお気の毒ですね。あっ坂井様のボトルが確かここに、、、あった。今日は坂井様のノブクリークで弔い酒(とむらいざけ)を頂く事にしましょうか。付き合ってくれますか?」

近藤「いいんですか?」

マスター「もちろんです」

近藤「それじゃあお願いします」

マスター「かしこまりました。(間)ノブクリークの水割りになります。それでは献杯(けんぱい)」

近藤「…」

マスター「近藤様、どうなさいましたか?」

近藤「やっとこの酒を、いや、物的証拠(ぶってきしょうこ)を手にする事ができた!」

マスター「な、何を言っているのですか?」

近藤「鑑識(かんしき)さん、お願いします!(鑑識に簡易検査をしてもらうと陽性反応が出る)やっぱりにらんだ通りだったな。この酒には微量だが毒物が検出された。未解決の連続不審死の被害者を調べていて、やっとたどり着いた共通点がこの店の常連客と分かってからというもの、長い事通い続けたもんだな」

マスター「な、なんの事ですか?」

近藤「(強い口調で)とぼけるんじゃねぇ!お前がここに来る客に毒物を飲ませてた事は分かってるんだ!」

マスター「ま、まさか私が?」

近藤「鑑識さん、ボトルの酒も調べて下さい。(鑑識に簡易検査をしてもらうが陰性反応が出る)なぜだ?酒からは何も検出されないなんて!」

マスター「私をおとしいれようとして、近藤様が自(みずか)ら毒を入れたんじゃないんですか?」

近藤「(悔しそうに)まっまさかそんな事っ!くそー!!(間)まぁいい。鑑識さん、ここにある開封済みの酒、全部調べて下さい。冷蔵庫にある物も全て。グラスも忘れずにお願いします!」


マスターナレーション「警察署の取調室にて」

近藤「話す気になったか?」

マスター「…」

近藤「お前の店の氷から毒物が検出された。店の排水溝、グラスからもな。俺に記念のグラスをくれた時、俺が二人目だと言っていたが、あれはウソだったんだな。連続不審死の被害者宅にあった記念のグラスに毒物が残っていた!お前の店の毒物と同じものがな!これでも、しらを切るつもりか?」

マスター「くっ、私はただ人生に悲観してるお客様を楽にしてあげたかっただけなんだ」

【机を叩く効果音】
近藤「(強い口調で)お前は神様にでもなったつもりか!人の死を勝手に決めるんじゃねぇ!お前が最近殺したと思ってる坂井さんはな、今は入院してるよ!」

マスター「えっ!坂井様はあの日、残業続きでつらいって。だから…」

近藤「最近坂井さんは店に来て無いって言ってなかったか?一時(いちじ)危険な状態だったが、すぐに治療したおかげで無事だった。今も入院してるがな。坂井さんに協力を依頼して、お前をおびき寄せる為に葬式をとりおこなったんだ。参列者はお前以外全員、警察関係者だったの気付かなかったか?やっと捕まえられて、これで被害者家族も少しは安心するだろう。余罪もたっぷりありそうだな、覚悟しておけ」

マスター:「くっ…」

-END-
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