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ヒロセ、アシスタントをゲットする
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……訳が分からなくなった俺は、とりあえず204号室から出てきた本人に話を聞いてみることにした。
「204号室は空室だと思っていたけど、どういうことだ?」
俺は目の前で正座している美女に問いかけた。
あのあといろいろと聞き出すべく204号室に巣くっていたなぞの人物を俺の部屋に引っ張ってきたところだ。
なお、ちみっこ妖精も俺の部屋にパタパタと入ってきて、パタパタと部屋を飛び回っている。
「それはそれは聞くも涙、語るも涙の物語なんですの」
なんだなんだ。もしかして無理やりつかまって奴隷商人に売られそうになるところを逃げ出して隠れていたとか、、。
不細工なデブ男と結婚させられそうになったとか、、。
そんな重い話なのか?
「父さまとけんかして魔族の国を出たのはいいのですが、いくところいくところ初めて見るものばかり。うるうる。あっちこっち観光したり、おいしいものを食べ歩いたりしていたら、持ち出してきたお金がすっからかんになったのですわ」
うるうるとした目で俺を見上げる美女。
思わず引き込まれそうになったけど、こいつなんて言った?
「えーっと、奴隷商人につかまって逃げてきたとかじゃなくて?」
「つかまってませんわ」
「えーっと、その父さまに、めちゃくちゃ年上のめちゃくちゃ不細工な男と結婚させられそうになったとか?」
「なってませんわ。父さまがわたくしのとっておいたとっておきのお菓子を食べてしまったんですわ。それで、父さまの隠しているへそくりを頂戴して旅に出たのですわ」
くだらねー。全然お涙頂戴じゃなかった。。
奴隷商につかまったわけでも、結婚を無理強いされたわけでもない。お菓子だってよ。魔族の国がどこにあるかはしらないけど、このお嬢様はそんな理由で国を超えてきたらしい。
ある意味すごい行動力だ。
「それでなんで、その行き倒れのお嬢様がなんで俺のアパートに無断で上がり込んでいるんだ?」
俺は魔族のお嬢様に問いかけた。
「そ、それはですわね。。」
「ヒロセー。アパートの前で倒れているところを、前の大家さんが拾ったんだよー」
「あっ、妖精ちゃん」
ちみっこ妖精が拾ったんだよーというと、お嬢様は恥ずかしそうに顔を両手で隠した。
どういうことだ? 金がすっからかんまで言っておいて何を恥ずかしがっているのか。このポンコツお嬢様は。
「なら、なんで俺がこのアパートを買った後に名乗り出なかったんだ? スラちゃんとちみっこ妖精は来たのに」
俺は基本的な疑問を質問してみた。
「スライムさんと妖精さんはいいですわ。スライムさんはペット枠だし、妖精さんはお花の蜜を集めてくるし。でも、わたくしには出せるものはありませんわ。お金ないし。ニートだし。だから、追い出されると思って204号室に隠れてたんですわー」
「ヒロセー。わたちはヒロセなら大丈夫だって言ったんだけどねー。もう少し、もう少しって、長くなっちゃたんだよー」
なるほど。言う機会を逸してしまったのか。それで、ずるずるずるずると。。。
俺も超怖い上司に連絡できずにずるずるしたことがあったな。だって、怖いからな。
「まあ、過ぎたことはしょうがないな。今度からなんかあったら素早く言ってくれよ」
「え? 許してくれるんですの?」
「まあな、悪気があったわけじゃあ、ないだろうしな」
「ほらねー。わたちの言う通り大丈夫だったでしょー」
「本当ですわね」
お嬢様は緊張から解放されてにこやかに笑っている。まどから入ってきた光が笑顔をまぶしく照らす。
俺はその笑顔にどきりとした。
黒いストレートの髪につり目がちな漆黒の瞳、頭からは髪を押し分けて2本のかわいい角が生えている。
不摂生な引きこもり生活をしていたせいか、ちょっと目の下にクマが目立つけど、それもしだいになくなるだろう。
「よーし。今日はパーティだ。ポンコツお嬢様の歓迎会をするぞー」
「わーい。パーティだー。うれしいなー」
「スラー」
俺が歓迎会するぞーっていうと、ちみっこ妖精はわーいとはしゃぎだし、いつの間にやってきたのかスラちゃんもスラーとぷにぷにふにふにしだした。
でも、お嬢様のなぜか顔をうつむけている。どうしたんだろう。。
「……じゃ、ありませんわ」
「ん?」
「…じゃ、ありません」
「ん?」
「ポンコツお嬢様じゃありませんわ。わたくしの名前はアナスタシア。シアって呼んでくださいませ」
「ああ、よろしくな。俺はヒロセだ」
「知ってますわ!」
こうして俺たちのボロアパートに新しい仲間が加わった。その日はシアの歓迎会を夜遅くまで開き、大いに飲んだり食ったりした。
シアを含めて4人、これからはもっと楽しい毎日になりそうだな。
ん? あれ? なんか忘れてないか?
◇
~後日~
「ヒロセー、忘れてたんだけど、お手伝いがほしいんじゃなかったー?」
俺が日課の日光浴をしているとちみっこ妖精が俺の頭上にパタパタとやってきて、そう言った。
「そういえば、シアに会いに行ったのもそれが理由だったような」
「そうだよー」
俺がちみっこ妖精と話していると、
「お手伝いってなんですの?」
スラちゃん、ちみっこ妖精と庭で遊んでいたシアがやってきた。ちょうどいい。
「いや、この前シアの部屋に行ったのは、大家の手伝いをしてくれる人にちみっこ妖精が心当たりがあると言ったからなんだ。204号室に人がいる衝撃で忘れてたけどな。どうだ? シア、しばらくうちで働かないか?」
「やったですわ。 わたくし働いたことはありませんが、父さまが土下座して謝ってくるまでは頑張って働きますわ。よろしくですわー」
「よし、よろしくな。その父さまとやらがいつやってくるかは分からないけど、しばらくは来ないだろう」
「そうですわね。いろいろあっち行きこっち行きでしたから、ここまでたどり着くまでにかなり時間がかかると思いますわ」
こうしてシアは俺の大家業を手伝ってくれることになった。家を飛び出してきた理由やお金を使い果たした理由にいささか大丈夫だろうか?と不安になるけど、まあ大丈夫だろう。
…………。
……。
…。
大丈夫だよな?
「204号室は空室だと思っていたけど、どういうことだ?」
俺は目の前で正座している美女に問いかけた。
あのあといろいろと聞き出すべく204号室に巣くっていたなぞの人物を俺の部屋に引っ張ってきたところだ。
なお、ちみっこ妖精も俺の部屋にパタパタと入ってきて、パタパタと部屋を飛び回っている。
「それはそれは聞くも涙、語るも涙の物語なんですの」
なんだなんだ。もしかして無理やりつかまって奴隷商人に売られそうになるところを逃げ出して隠れていたとか、、。
不細工なデブ男と結婚させられそうになったとか、、。
そんな重い話なのか?
「父さまとけんかして魔族の国を出たのはいいのですが、いくところいくところ初めて見るものばかり。うるうる。あっちこっち観光したり、おいしいものを食べ歩いたりしていたら、持ち出してきたお金がすっからかんになったのですわ」
うるうるとした目で俺を見上げる美女。
思わず引き込まれそうになったけど、こいつなんて言った?
「えーっと、奴隷商人につかまって逃げてきたとかじゃなくて?」
「つかまってませんわ」
「えーっと、その父さまに、めちゃくちゃ年上のめちゃくちゃ不細工な男と結婚させられそうになったとか?」
「なってませんわ。父さまがわたくしのとっておいたとっておきのお菓子を食べてしまったんですわ。それで、父さまの隠しているへそくりを頂戴して旅に出たのですわ」
くだらねー。全然お涙頂戴じゃなかった。。
奴隷商につかまったわけでも、結婚を無理強いされたわけでもない。お菓子だってよ。魔族の国がどこにあるかはしらないけど、このお嬢様はそんな理由で国を超えてきたらしい。
ある意味すごい行動力だ。
「それでなんで、その行き倒れのお嬢様がなんで俺のアパートに無断で上がり込んでいるんだ?」
俺は魔族のお嬢様に問いかけた。
「そ、それはですわね。。」
「ヒロセー。アパートの前で倒れているところを、前の大家さんが拾ったんだよー」
「あっ、妖精ちゃん」
ちみっこ妖精が拾ったんだよーというと、お嬢様は恥ずかしそうに顔を両手で隠した。
どういうことだ? 金がすっからかんまで言っておいて何を恥ずかしがっているのか。このポンコツお嬢様は。
「なら、なんで俺がこのアパートを買った後に名乗り出なかったんだ? スラちゃんとちみっこ妖精は来たのに」
俺は基本的な疑問を質問してみた。
「スライムさんと妖精さんはいいですわ。スライムさんはペット枠だし、妖精さんはお花の蜜を集めてくるし。でも、わたくしには出せるものはありませんわ。お金ないし。ニートだし。だから、追い出されると思って204号室に隠れてたんですわー」
「ヒロセー。わたちはヒロセなら大丈夫だって言ったんだけどねー。もう少し、もう少しって、長くなっちゃたんだよー」
なるほど。言う機会を逸してしまったのか。それで、ずるずるずるずると。。。
俺も超怖い上司に連絡できずにずるずるしたことがあったな。だって、怖いからな。
「まあ、過ぎたことはしょうがないな。今度からなんかあったら素早く言ってくれよ」
「え? 許してくれるんですの?」
「まあな、悪気があったわけじゃあ、ないだろうしな」
「ほらねー。わたちの言う通り大丈夫だったでしょー」
「本当ですわね」
お嬢様は緊張から解放されてにこやかに笑っている。まどから入ってきた光が笑顔をまぶしく照らす。
俺はその笑顔にどきりとした。
黒いストレートの髪につり目がちな漆黒の瞳、頭からは髪を押し分けて2本のかわいい角が生えている。
不摂生な引きこもり生活をしていたせいか、ちょっと目の下にクマが目立つけど、それもしだいになくなるだろう。
「よーし。今日はパーティだ。ポンコツお嬢様の歓迎会をするぞー」
「わーい。パーティだー。うれしいなー」
「スラー」
俺が歓迎会するぞーっていうと、ちみっこ妖精はわーいとはしゃぎだし、いつの間にやってきたのかスラちゃんもスラーとぷにぷにふにふにしだした。
でも、お嬢様のなぜか顔をうつむけている。どうしたんだろう。。
「……じゃ、ありませんわ」
「ん?」
「…じゃ、ありません」
「ん?」
「ポンコツお嬢様じゃありませんわ。わたくしの名前はアナスタシア。シアって呼んでくださいませ」
「ああ、よろしくな。俺はヒロセだ」
「知ってますわ!」
こうして俺たちのボロアパートに新しい仲間が加わった。その日はシアの歓迎会を夜遅くまで開き、大いに飲んだり食ったりした。
シアを含めて4人、これからはもっと楽しい毎日になりそうだな。
ん? あれ? なんか忘れてないか?
◇
~後日~
「ヒロセー、忘れてたんだけど、お手伝いがほしいんじゃなかったー?」
俺が日課の日光浴をしているとちみっこ妖精が俺の頭上にパタパタとやってきて、そう言った。
「そういえば、シアに会いに行ったのもそれが理由だったような」
「そうだよー」
俺がちみっこ妖精と話していると、
「お手伝いってなんですの?」
スラちゃん、ちみっこ妖精と庭で遊んでいたシアがやってきた。ちょうどいい。
「いや、この前シアの部屋に行ったのは、大家の手伝いをしてくれる人にちみっこ妖精が心当たりがあると言ったからなんだ。204号室に人がいる衝撃で忘れてたけどな。どうだ? シア、しばらくうちで働かないか?」
「やったですわ。 わたくし働いたことはありませんが、父さまが土下座して謝ってくるまでは頑張って働きますわ。よろしくですわー」
「よし、よろしくな。その父さまとやらがいつやってくるかは分からないけど、しばらくは来ないだろう」
「そうですわね。いろいろあっち行きこっち行きでしたから、ここまでたどり着くまでにかなり時間がかかると思いますわ」
こうしてシアは俺の大家業を手伝ってくれることになった。家を飛び出してきた理由やお金を使い果たした理由にいささか大丈夫だろうか?と不安になるけど、まあ大丈夫だろう。
…………。
……。
…。
大丈夫だよな?
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