10 / 17
第10話
しおりを挟む
廊下の壁に俺の影が鋭く焼き付けられるほどの光量。
光の奔流は、一瞬、巨大な十字架の形を幻視させた。
聖刻印(ホーリーシール)。
澪の、爆発した感情によって強制的に発動された、歪でありながらも圧倒的な力。
「ギィイイイイイッ!? ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」
光に焼かれたのか、更衣室の中から甲高い、ガラスを引っ掻くような悲鳴が響き渡る。
先程までの不気味な湿った音とは違う、明らかに苦痛に満ちた絶叫。
何かが床に叩きつけられるような鈍い音と、鏡が粉々に砕け散るような甲高い音が連続して響く。
光の奔流は一瞬で収束したが、廊下にまで満ちていた異様な冷気は完全に霧散し、代わりに清浄な、しかし強大な力の残滓(ざんし)が空気を満たしていた。
ピリピリと肌を刺すような感覚がある。
「ミオ、今の……! すごいPassion! やりましたネ! さすがワタシの力……じゃなくて、アナタのハート!」
更衣室の中から、マリアの驚きと興奮が入り混じった声が聞こえる。
続いて、か細い安堵の息遣いと、すすり泣きが少しずつ落ち着いていく気配。
どうやら、あの「鏡喰い」は動きを封じられたらしい。
俺は強張っていた肩の力を抜き、詰めていた息をゆっくりと吐き出した。
心臓がまだバクバクと鳴っている。
神城澪が、感情を爆発させた……?
しかも、俺を守るために……?
そして、それが引き金となって、マリアの力が、本来の持ち主以上の威力で発動した……?
あの、常に冷静沈着、感情を表に出すことを良しとしなかったはずの巫女が。信じられない光景だったが、現実に起きたことだ。
俺の目の前で。
扉の向こうでは、澪が呆然としているのか、それとも自分の変化に戸惑っているのか、今は静かだった。
ただ、先程の魂からの叫び声と、網膜に焼き付いた圧倒的な光の奔流だけが、妙に生々しく俺の中に残っていた。
◇
夕暮れ時のオレンジ色の光が、埃っぽい窓ガラスを通して、使われなくなった教室――俺たち、怪異研究部(仮)の臨時部室――に差し込んでいる。
机の上にはコンビニで買ったらしいパンの空袋と、飲みかけのペットボトルが無造作に置かれている。
さっきまでの喧騒と緊張感が嘘のように、今は妙な静けさと、少し気まずい空気が漂っていた。
女子更衣室の件は、気を失いかけた被害者の女子生徒を保健室に運び(幸い、軽い精神的ショックだけで済んだようだ)、マリアが砕け散った鏡の破片ごと「鏡喰い」の残滓を、澪から教わった(らしい)簡易的な封印術で浄化・封印したことで、一応は片付いた。
マリア曰く「ミオが弱らせてくれたおかげで、楽勝デシタ! この紙、意外と使えるかも!」とのことだが、彼女もかなり消耗しているように見えた。
入れ替わった力で戦うのは、双方にとって負担が大きいのだろう。
「それにしてもミオ! さっきのはマーベラス! ビューティフル! まさに愛の力、パッションの勝利デース! 夕陽を守りたいって気持ちが、奇跡を起こしたのネ!」
マリアが興奮冷めやらぬ様子で、隣に座る澪の肩を遠慮なくバンバンと叩いている。
金髪が夕陽にキラキラと反射し、その表情は達成感に満ちている。
対する澪は、いつも通りの涼しい顔……を装ってはいるが、心なしか伏せられた長い睫毛が微かに震えている。
自分の指先をじっと見つめたり、マリアから半ば押し付けられるようにして持たされている十字架のペンダントに無意識に触れたりして、どうにも落ち着かない様子だ。
耳が、ほんのり赤いような気もする。
「…………よく分からない。ただ、あの時は……無我夢中で……頭に血が上っていただけです。それに、愛なんかじゃなくて、仲間が……いや、あなたが危険だと思ったからで……」
ぽつりと呟く声は、いつもの硬質さが薄れ、強い戸惑いと、照れ隠しのような響きが混じっている。
感情が昂(たかぶ)ると力が使える、というのは頭では理解しても、あの制御不能な感覚はまだ彼女の中で整理がついていないのだろう。
特に、その感情の源泉が、俺に向けられたものだったかもしれないという事実に。
俺は、二人のそんなやり取りを、どこかぼんやりとした頭で眺めていた。
さっきの戦闘、澪の叫び、あの強烈な光……それを頭の中で反芻(はんすう)しようとするのだが……。
(……あれ?)
妙だ。何かがおかしい。
肝心な部分が、思い出せない。
澪が感情を爆発させ、聖刻印が最大出力で発動した、あの決定的な瞬間。
どんな光で、どんな音がして、鏡喰いがどうやって完全に無力化されたのか。
そのクライマックスの場面が、まるで古い映画のフィルムが焼き切れたように、ブツリと途切れ、そこだけがノイズ混じりの靄(もや)に覆われているのだ。
思い出そうとすればするほど、靄は濃くなり、頭の奥が鈍く痛む。
「なあ、ちょっと確認したいんだが」
俺は、内心の焦りを悟られまいと、努めて何でもないような口調で切り出した。
「さっきの、澪が光を出した後、結局どうやって倒したんだっけ? なんかあの辺、光が強すぎてよく見えなかったっていうか……記憶が曖昧でさ。マリアが最後、なんかやったんだよな?」
俺の言葉に、熱っぽく語っていたマリアがピタリと口を噤(つぐ)み、不思議そうに小首を傾げた。
隣の澪も、ハッと顔を上げてこちらを見る。
その黒曜石のような瞳が、僅かに、しかし確かに見開かれていた。
心配……しているのか?
それとも、何か別の感情か?
「え? 夕陽、見てなかったのデスか? ミオが聖刻印で鏡喰いを吹き飛ばして、砕けた鏡の破片をワタシが浄化した……って流れだったじゃないデスカ。光が強すぎたのは確かデスけど……アナタ、また……?」
「ああ、いや、そうだったか……? そうだよな、うん……」
マリアの説明を聞いても、靄は晴れない。
そんな場面があったような気もするし、なかったような気もする。
頭の中に、奇妙な空白がある。
まるで、誰かに都合よく編集されたかのように。
「……夕陽、あなた、まさか……また記憶が……?」
澪が、低い、心配を隠せない声で問い詰めるように言った。
その声には、俺への気遣いと、この現象への言いようのない不安が混じっている。
俺はそれを遮るように軽く手を振った。
「いや、なんでもない。ちょっと疲れてるだけだろ、多分。連日こんなことやってるしな」
へらへらと笑ってみせる。
だが、背中には冷たい汗が流れていた。
俺が力を貸したことの――二人を繋いだことの、「代償」なのだ。
二人が力を引き出すたびに、俺の記憶は少しずつ削り取られていく。
自覚は、あった。
だが、これほどはっきりと、ついさっきの出来事の、しかも仲間が覚醒した重要な瞬間の記憶が欠落したのは初めてだ。
この感覚は、これからもっと酷くなるのだろうか?
大切な記憶が、仲間との繋がりが、少しずつ削り取られていくのだろうか?
俺は言いようのない不安をごまかすように、ぬるくなったペットボトルのお茶を、一気に喉へと流し込んだ。
その味は、ひどく苦く感じられた。
光の奔流は、一瞬、巨大な十字架の形を幻視させた。
聖刻印(ホーリーシール)。
澪の、爆発した感情によって強制的に発動された、歪でありながらも圧倒的な力。
「ギィイイイイイッ!? ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」
光に焼かれたのか、更衣室の中から甲高い、ガラスを引っ掻くような悲鳴が響き渡る。
先程までの不気味な湿った音とは違う、明らかに苦痛に満ちた絶叫。
何かが床に叩きつけられるような鈍い音と、鏡が粉々に砕け散るような甲高い音が連続して響く。
光の奔流は一瞬で収束したが、廊下にまで満ちていた異様な冷気は完全に霧散し、代わりに清浄な、しかし強大な力の残滓(ざんし)が空気を満たしていた。
ピリピリと肌を刺すような感覚がある。
「ミオ、今の……! すごいPassion! やりましたネ! さすがワタシの力……じゃなくて、アナタのハート!」
更衣室の中から、マリアの驚きと興奮が入り混じった声が聞こえる。
続いて、か細い安堵の息遣いと、すすり泣きが少しずつ落ち着いていく気配。
どうやら、あの「鏡喰い」は動きを封じられたらしい。
俺は強張っていた肩の力を抜き、詰めていた息をゆっくりと吐き出した。
心臓がまだバクバクと鳴っている。
神城澪が、感情を爆発させた……?
しかも、俺を守るために……?
そして、それが引き金となって、マリアの力が、本来の持ち主以上の威力で発動した……?
あの、常に冷静沈着、感情を表に出すことを良しとしなかったはずの巫女が。信じられない光景だったが、現実に起きたことだ。
俺の目の前で。
扉の向こうでは、澪が呆然としているのか、それとも自分の変化に戸惑っているのか、今は静かだった。
ただ、先程の魂からの叫び声と、網膜に焼き付いた圧倒的な光の奔流だけが、妙に生々しく俺の中に残っていた。
◇
夕暮れ時のオレンジ色の光が、埃っぽい窓ガラスを通して、使われなくなった教室――俺たち、怪異研究部(仮)の臨時部室――に差し込んでいる。
机の上にはコンビニで買ったらしいパンの空袋と、飲みかけのペットボトルが無造作に置かれている。
さっきまでの喧騒と緊張感が嘘のように、今は妙な静けさと、少し気まずい空気が漂っていた。
女子更衣室の件は、気を失いかけた被害者の女子生徒を保健室に運び(幸い、軽い精神的ショックだけで済んだようだ)、マリアが砕け散った鏡の破片ごと「鏡喰い」の残滓を、澪から教わった(らしい)簡易的な封印術で浄化・封印したことで、一応は片付いた。
マリア曰く「ミオが弱らせてくれたおかげで、楽勝デシタ! この紙、意外と使えるかも!」とのことだが、彼女もかなり消耗しているように見えた。
入れ替わった力で戦うのは、双方にとって負担が大きいのだろう。
「それにしてもミオ! さっきのはマーベラス! ビューティフル! まさに愛の力、パッションの勝利デース! 夕陽を守りたいって気持ちが、奇跡を起こしたのネ!」
マリアが興奮冷めやらぬ様子で、隣に座る澪の肩を遠慮なくバンバンと叩いている。
金髪が夕陽にキラキラと反射し、その表情は達成感に満ちている。
対する澪は、いつも通りの涼しい顔……を装ってはいるが、心なしか伏せられた長い睫毛が微かに震えている。
自分の指先をじっと見つめたり、マリアから半ば押し付けられるようにして持たされている十字架のペンダントに無意識に触れたりして、どうにも落ち着かない様子だ。
耳が、ほんのり赤いような気もする。
「…………よく分からない。ただ、あの時は……無我夢中で……頭に血が上っていただけです。それに、愛なんかじゃなくて、仲間が……いや、あなたが危険だと思ったからで……」
ぽつりと呟く声は、いつもの硬質さが薄れ、強い戸惑いと、照れ隠しのような響きが混じっている。
感情が昂(たかぶ)ると力が使える、というのは頭では理解しても、あの制御不能な感覚はまだ彼女の中で整理がついていないのだろう。
特に、その感情の源泉が、俺に向けられたものだったかもしれないという事実に。
俺は、二人のそんなやり取りを、どこかぼんやりとした頭で眺めていた。
さっきの戦闘、澪の叫び、あの強烈な光……それを頭の中で反芻(はんすう)しようとするのだが……。
(……あれ?)
妙だ。何かがおかしい。
肝心な部分が、思い出せない。
澪が感情を爆発させ、聖刻印が最大出力で発動した、あの決定的な瞬間。
どんな光で、どんな音がして、鏡喰いがどうやって完全に無力化されたのか。
そのクライマックスの場面が、まるで古い映画のフィルムが焼き切れたように、ブツリと途切れ、そこだけがノイズ混じりの靄(もや)に覆われているのだ。
思い出そうとすればするほど、靄は濃くなり、頭の奥が鈍く痛む。
「なあ、ちょっと確認したいんだが」
俺は、内心の焦りを悟られまいと、努めて何でもないような口調で切り出した。
「さっきの、澪が光を出した後、結局どうやって倒したんだっけ? なんかあの辺、光が強すぎてよく見えなかったっていうか……記憶が曖昧でさ。マリアが最後、なんかやったんだよな?」
俺の言葉に、熱っぽく語っていたマリアがピタリと口を噤(つぐ)み、不思議そうに小首を傾げた。
隣の澪も、ハッと顔を上げてこちらを見る。
その黒曜石のような瞳が、僅かに、しかし確かに見開かれていた。
心配……しているのか?
それとも、何か別の感情か?
「え? 夕陽、見てなかったのデスか? ミオが聖刻印で鏡喰いを吹き飛ばして、砕けた鏡の破片をワタシが浄化した……って流れだったじゃないデスカ。光が強すぎたのは確かデスけど……アナタ、また……?」
「ああ、いや、そうだったか……? そうだよな、うん……」
マリアの説明を聞いても、靄は晴れない。
そんな場面があったような気もするし、なかったような気もする。
頭の中に、奇妙な空白がある。
まるで、誰かに都合よく編集されたかのように。
「……夕陽、あなた、まさか……また記憶が……?」
澪が、低い、心配を隠せない声で問い詰めるように言った。
その声には、俺への気遣いと、この現象への言いようのない不安が混じっている。
俺はそれを遮るように軽く手を振った。
「いや、なんでもない。ちょっと疲れてるだけだろ、多分。連日こんなことやってるしな」
へらへらと笑ってみせる。
だが、背中には冷たい汗が流れていた。
俺が力を貸したことの――二人を繋いだことの、「代償」なのだ。
二人が力を引き出すたびに、俺の記憶は少しずつ削り取られていく。
自覚は、あった。
だが、これほどはっきりと、ついさっきの出来事の、しかも仲間が覚醒した重要な瞬間の記憶が欠落したのは初めてだ。
この感覚は、これからもっと酷くなるのだろうか?
大切な記憶が、仲間との繋がりが、少しずつ削り取られていくのだろうか?
俺は言いようのない不安をごまかすように、ぬるくなったペットボトルのお茶を、一気に喉へと流し込んだ。
その味は、ひどく苦く感じられた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしてそこにトリックアートを設置したんですか?
鞠目
ホラー
N県の某ショッピングモールには、エントランスホールやエレベーター付近など、色んなところにトリックアートが設置されている。
先日、そのトリックアートについて設置場所がおかしいものがあると聞いた私は、わかる範囲で調べてみることにした。
百の話を語り終えたなら
コテット
ホラー
「百の怪談を語り終えると、なにが起こるか——ご存じですか?」
これは、ある町に住む“記録係”が集め続けた百の怪談をめぐる物語。
誰もが語りたがらない話。語った者が姿を消した話。語られていないはずの話。
日常の隙間に、確かに存在した恐怖が静かに記録されていく。
そして百話目の夜、最後の“語り手”の正体が暴かれるとき——
あなたは、もう後戻りできない。
■1話完結の百物語形式
■じわじわ滲む怪異と、ラストで背筋が凍るオチ
■後半から“語られていない怪談”が増えはじめる違和感
最後の一話を読んだとき、
【完結】知られてはいけない
ひなこ
ホラー
中学一年の女子・遠野莉々亜(とおの・りりあ)は、黒い封筒を開けたせいで仮想空間の学校へ閉じ込められる。
他にも中一から中三の男女十五人が同じように誘拐されて、現実世界に帰る一人になるために戦わなければならない。
登録させられた「あなたの大切なものは?」を、互いにバトルで当てあって相手の票を集めるデスゲーム。
勝ち残りと友情を天秤にかけて、ゲームは進んでいく。
一つ年上の男子・加川準(かがわ・じゅん)は敵か味方か?莉々亜は果たして、元の世界へ帰ることができるのか?
心理戦が飛び交う、四日間の戦いの物語。
(第二回きずな児童書大賞で奨励賞を受賞しました)
女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語
kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。
率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。
一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。
己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。
が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。
志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。
遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。
その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。
しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる