24 / 24
エピローグ
しおりを挟む
身分を偽っていたわたしは、王家を謀った罪で平民となった。
だけど、シュナイゼルから本当の気持ちを聞く事が切っ掛けでわたしとシュナイゼルは国を出ることとなったのよ。
シュナイゼルは、家のことなど本当はどうでもよかったのだと言ったのよ。
でも、わたしがシュナイゼルを思ってやったことを考えると言い出せなかったのだというのだ。
確かに、わたしは何の相談もなしにいろいろと一人で決めたわ。
シュナイゼルは、「これからはちゃんと相談して。二人で考えればいい考えが浮かぶから」とわたしに言ってくれたの。
その後、国を出るわたしとシュナイゼルは、隣国に行くことを決めたのだけど、何故かマティウス様とベルナー様も付いてきてしまったのよ。
マティウス様は留学するため、ベルナー様は武者修行と言っていたのだけど……。
わたしとシュナイゼルが隣国に行くことにしたのは、隣国にはそんな病も呪いも治すことができる聖女様がいると知ったからだ。
隣国に来てから一年後。
とうとう順番が回ってきたの。
そして、長い間シュナイゼルを苦しめていた呪いはとうとう解かれたのよ。
だけど、聖女様が呪いを解いてくれたときにこう言ったのよ。
「強奪の呪いが掛っていました。呪った相手の力や幸運といったものを奪う呪いです」
その言葉が切っ掛けで、わたしたちは義母たちの正体を知ることとなったのよ。
聖女様曰く、この呪いは魔族しか使えないものだというのだ。
この呪いを掛けた魔族を探すことになったのだけど、探していた魔族が義母だったの。
そして、父が義母を後妻にした理由が、魅了の魔法にかかっていたからということも知ることとなったのよ。
わたしとシュナイゼルと行動を共にしていたマティウス様とベルナー様と共にわたしたちは国に戻ったの。
すると、国の中枢は義母たち魔族の魅了魔法によって支配されてしまっていたの。
前もって国に入る前に魅了対策をしていたわたしたちは、義母たち魔族をボコして、国を取り戻したの。
国を救った英雄となったマティウス様とベルナー様。
今回の事態の責任を取って王位を退いた国王に代わって、新国王となったの。
ベルナー様は、マティウス様の補佐を任されるようになったの。
シュナイゼルは、改めて騎士団に身を置くこととなった。
マティウス様たちと共に魔族から国を守った功績が認められたから。
そしてわたしは、一人小さな薬屋を開いていた。
そんなわたしの元に度々、新国王となったマティウス様が訪ねてきたのよ。
マティウス様は、何度もわたしに頭を下げてこう言ったのよ。
「君を傷つけたくなくて遠ざけるために婚約を破棄した。それは俺が君を守る自身がなかったからだ。でも、君が何よりも大切なのだと、離れていて思い知らされた。本当にすまなかった。自分勝手な願いだと言うことは重々承知だ。だが、俺はフェルルカのことを今でも変わらずに愛している」
そう言って、わたし告白し続けてくれたのだ。
わたしだって、マティウス様をお慕いしている。
だから、いつかマティウス様の告白に頷いてしまいそうなわたしがいたわ。
『男装令嬢の恋の行方』 おわり
だけど、シュナイゼルから本当の気持ちを聞く事が切っ掛けでわたしとシュナイゼルは国を出ることとなったのよ。
シュナイゼルは、家のことなど本当はどうでもよかったのだと言ったのよ。
でも、わたしがシュナイゼルを思ってやったことを考えると言い出せなかったのだというのだ。
確かに、わたしは何の相談もなしにいろいろと一人で決めたわ。
シュナイゼルは、「これからはちゃんと相談して。二人で考えればいい考えが浮かぶから」とわたしに言ってくれたの。
その後、国を出るわたしとシュナイゼルは、隣国に行くことを決めたのだけど、何故かマティウス様とベルナー様も付いてきてしまったのよ。
マティウス様は留学するため、ベルナー様は武者修行と言っていたのだけど……。
わたしとシュナイゼルが隣国に行くことにしたのは、隣国にはそんな病も呪いも治すことができる聖女様がいると知ったからだ。
隣国に来てから一年後。
とうとう順番が回ってきたの。
そして、長い間シュナイゼルを苦しめていた呪いはとうとう解かれたのよ。
だけど、聖女様が呪いを解いてくれたときにこう言ったのよ。
「強奪の呪いが掛っていました。呪った相手の力や幸運といったものを奪う呪いです」
その言葉が切っ掛けで、わたしたちは義母たちの正体を知ることとなったのよ。
聖女様曰く、この呪いは魔族しか使えないものだというのだ。
この呪いを掛けた魔族を探すことになったのだけど、探していた魔族が義母だったの。
そして、父が義母を後妻にした理由が、魅了の魔法にかかっていたからということも知ることとなったのよ。
わたしとシュナイゼルと行動を共にしていたマティウス様とベルナー様と共にわたしたちは国に戻ったの。
すると、国の中枢は義母たち魔族の魅了魔法によって支配されてしまっていたの。
前もって国に入る前に魅了対策をしていたわたしたちは、義母たち魔族をボコして、国を取り戻したの。
国を救った英雄となったマティウス様とベルナー様。
今回の事態の責任を取って王位を退いた国王に代わって、新国王となったの。
ベルナー様は、マティウス様の補佐を任されるようになったの。
シュナイゼルは、改めて騎士団に身を置くこととなった。
マティウス様たちと共に魔族から国を守った功績が認められたから。
そしてわたしは、一人小さな薬屋を開いていた。
そんなわたしの元に度々、新国王となったマティウス様が訪ねてきたのよ。
マティウス様は、何度もわたしに頭を下げてこう言ったのよ。
「君を傷つけたくなくて遠ざけるために婚約を破棄した。それは俺が君を守る自身がなかったからだ。でも、君が何よりも大切なのだと、離れていて思い知らされた。本当にすまなかった。自分勝手な願いだと言うことは重々承知だ。だが、俺はフェルルカのことを今でも変わらずに愛している」
そう言って、わたし告白し続けてくれたのだ。
わたしだって、マティウス様をお慕いしている。
だから、いつかマティウス様の告白に頷いてしまいそうなわたしがいたわ。
『男装令嬢の恋の行方』 おわり
42
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
婚約破棄された令嬢は“図書館勤務”を満喫中
かしおり
恋愛
「君は退屈だ」と婚約を破棄された令嬢クラリス。社交界にも、実家にも居場所を失った彼女がたどり着いたのは、静かな田舎町アシュベリーの図書館でした。
本の声が聞こえるような不思議な感覚と、真面目で控えめな彼女の魅力は、少しずつ周囲の人々の心を癒していきます。
そんな中、図書館に通う謎めいた青年・リュカとの出会いが、クラリスの世界を大きく変えていく――
身分も立場も異なるふたりの静かで知的な恋は、やがて王都をも巻き込む運命へ。
癒しと知性が紡ぐ、身分差ロマンス。図書館の窓辺から始まる、幸せな未来の物語。
転生公爵令嬢は2度目の人生を穏やかに送りたい〰️なぜか宿敵王子に溺愛されています〰️
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リリーはクラフト王子殿下が好きだったが
クラフト王子殿下には聖女マリナが寄り添っていた
そして殿下にリリーは殺される?
転生して2度目の人生ではクラフト王子殿下に関わらないようにするが
何故か関わってしまいその上溺愛されてしまう
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる