探偵注文所

八雲 銀次郎

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ファイルⅨ:人質事件

#11

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 今、警察上部の捜査官と、天木さんたちが追っている、事件と、捜査一課が対応している、この事件が、裏で繋がっている…。京子さんの発言は、突拍子もないものだった。だが、反論しろと言われても、的を射た発言ができるとは思えない。それ程、京子さんの、推理には、説得力があった。
 「とにかく、警察の皆さんは、このC・Jについて、調べて下さい。午前中には、リューさんと、ツチヤさん回収したいので、なるはやでお願いします。」
 「お前の、それ、信じて良いんだな?」
 梅木刑事が、睨むように、京子さんを見下ろした。
 すると、京子さんは、ため息を吐き、それに、返答した。
 「私は、数年前まで、財務省に勤めてた、元官僚です。当然の様に、黒い話や、世間には、公開できない様な事も、沢山見たり聞いたりしてきました。
 私の推理が、100%、正しいとは、言いきれませんが、説得力は、あると思いますよ。」
 「分かった…。」梅木刑事は頷き、その場に居た、刑事たち数十名に、指示を出し始めた。
 その間に、京子さんが、私にこっそり耳打ちした。
 「本当は、アマキさんの請負なんだけどね…。」
 「天木さんが、推理していたんですか?」
 「そう、警察庁で、事件の詳細聞いた時点で、睨んでたみたいです。」
 こちらの事件の詳細も、犯人の素性もまだ、分からない段階で、彼女の推理は、始まっていた。そんな彼女が、今この現場にいたら、どれだけ、心強い事か…。
 勿論、京子さんや土屋さんを信じていない訳では無い。だが、天木さんの様な、「キャラ」が、この現場には、必要な気がする…。あの、天真爛漫さが、欲しい…。
 「悪かったですね…。」
 私の表情から、何かを察したのか、ため息交じり、京子さんが、そう言った。
 「あ、伝わっちゃいました?」
 「とりあえず、ウチからも、ヨシさんに、刑事さんたちに、付いて行って貰い…ます…。」辺りを見回したが、大竹さんの姿は見えなかった…。
 「あれ?」
 「さっきまで、居ましたよね?」
 日下部さんにそう訊ねた。すると…。
 「さっき、マキさんと一緒に、帰りましたよ?」
 「は?」
 京子さんの、静かなる叫び声は、その場に居た人、全員に、悪寒を走らせた…。


 「良いの?勝手に抜けてきて?」
 助手席をリクライニングさせ、スマホを弄っている、大竹に訊ねた。
 「いいんじゃない?相沢も、リモートだけど来てくれたわけだし。」
 「そうじゃなくて…。勝手に、持ち場離れて良いのかって聞いてるの。」
 「俺が頼まれたのは、他のメンバーが来るまでの繋ぎと、警察の支援だけ。それ以外の事は、何も聞いちゃいないからな…。」
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