【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺のそれからの話2

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アミューズ、オードブル、スープ、ポワソン、口直しのシャーベット、ヴィヤンドと出していく。

「ヴィヤンドにブルギニョン、肉の赤ワイン煮でございます。リリーはハンバーグだよ。」

「ママありがとう。」

すっかりママ呼びが定着したな。
俺はデセールの準備へと厨房に戻る。
男性は、俺に話しかけたそうにしているが、今はそれどころではないからな。

「デセールはクレープシュゼットです。出来上がりまでの工程をお楽しみくださいませ。」

エルがやっと作ってくれたカセットコンロを使い、目の前で作っていく。
フライパンにバターを入れて溶かし、砂糖を入れ、オレンジジュースを入れる。クレープを畳み、フライパンに入れる。オレンジの皮を剥き、皮つきオレンジを高く持ち、火をつけたリキュールを皮に注ぐ。これでオレンジとリキュールの香りが合わさって、芳しい香りが部屋に広がる。
フランベを楽しんでもらうのも、食べる一環だよね。
エル達も初めて見るから、目が輝いてるし。
オレンジを切り、皿に盛り付け、アイスを添えて完成。
出来上がった順から食べていってもらう。

「美味い!甘味と言えば、砂糖を大量に使った焼き菓子だけだと思っていたが、これは甘いだけでないから、私も食べられる。」

「ええ、この酸味、苦味がクセになるわ。」

「リリー、食べられそう?パンケーキが良かったかな。」

「美味しいよ。リリーも大人の仲間入りなの。」

「ふふっ、そうだね。」

リリーの発言で和やか雰囲気となった。

「美味かった。」

男性が言う。

「ありがとうございます。皇帝陛下。」

「…気付いておったか。」

「エルによく似ておりましたので。」

俺の言葉にエルはぶーたれる。

「似ていると言われたのは初めてだ。」

「似ていますよ。ちょっとした仕草やクセなんかは。あと本心を隠そうとして自分ですらに嘘をつくところなどはそっくりでございます。」

「…其方にはお見通しか。」

「さあ?お、私はエルのことしか知りませんので。」

「…クックッ、面白い!エルに勿体ない。どうだ、私の愛妾にならぬか?」

「父上!!」

「お戯れを。第一私は高うございますよ。エルとジークの2人を持ってやっと支払えるくらいですよ?」

「ふん、金ならあるぞ。」

「民の血税でしょ?民心が離れて、クーデターが起こるだけですよ。」

「ふむ、頭の回転も悪くないな。」

「それに自分の子供の年齢より下の愛妾ってなんだか犯罪っぽくないですか?」

「私を犯罪者扱いか、はっはっは。エル、結婚は許そう。ただ、城の料理人として働いてもらうのが条件だ。」

「父上、いい加減にしてください!」

「エル、その条件飲んだら別れるから。」

「父上!!」

「ふむ実に面白い。皇帝直々の推薦を断るのか。」

「…エル、ジーク、不敬罪で捕まったら、リリーをよろしくね。」

俺はすーっと息を吸い込み、一気に捲し立てる。

「ふざけんなジジイ!俺は枯れ専じゃねぇ!第一エルが幼い頃抱き上げたら泣かれて、それから接し方がわからずに距離を置いたのはあんただろうが!エルが泣いたのは顔が怖いからじゃない。髭が痛かったからだ!」

俺はふんすと腰に手をおき怒った。
不敬罪になろうが、言いたいことは言う。
エル達はもちろん、公爵や夫人、皇帝、使用人達までも口をあんぐりと開けて唖然とした。

「ママカッコいい!」

とリリーだけは拍手をくれた。

「全く、40過ぎの拗らせおじさんは面倒くさいな。じゃ、エル、ジークあとはよろしく!」

俺は軽くそう言う。

「えっ?えっ?ユーリ?」

「いや、不敬罪でしょ?」

「ふ、不敬罪にさせないから!父上が悪いから!」

「陛下、いい加減になさってください。うちの長男の嫁です。」

公爵も流石に口を挟んできた。

「其方までそう言うか。仕方ない。」

「てか、皇帝もエルもきちんと話をしなよ。自分の気持ちを言葉にしないから、色々すれ違うの。親子喧嘩に巻き込まないでよ。」

「「……。」」

「全くバカらしい。側妃の件もわかった時点でさっさと対処したらこんなに拗らせなかったのに。」

「……其方はどこまで知っているのだ。」

「さあ?エルに聞いてください。俺とエルはきちんと話をしているので。さぁ、リリー、寝る時間だ。部屋に戻ろうか。」

とリリーを連れて俺はさっさと退散した。
その夜はエルとジーク、皇帝と公爵で色々と話し合ったとか。



その後俺は皇国に移り住み、エルとジークと結婚をした。重婚ができる世界だったよ。
皇都の郊外に一軒家を建てて、1日1組限定の料理店を開く。
口コミだけで予約は埋まった。半分ジークのお母さんの社交のおかげなんだけどね。
ジークとエルは城で騎士と魔法士として働いている。稼ぎがない旦那はいらんからな。

そして毎朝俺はエルとジークを怒ることになる。

「だから、加減を覚えろ!魔力枯渇するまでするな!俺が倒れるだろうが!!」

リリーが俺の叫び声を、目覚まし時計代わりにしていたと聞いた時は物凄く恥ずかしかったよ。

そして今日も俺は家族の為に黄金色のスープを作る。












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ここまで読んでいただきありがとうございます。
心から感謝します。
番外編とか一応考えております。
感想など一言だけでもいただけたら、嬉しいです。
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