君の隣は

ゆい

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本編

14

翌日も田植えをした。
2人は、昨日より上手く植えていく。
イケメンってスペック高い生き物なの?
昨日は1枚だけだったけど、今日は午前中に3枚終わらせた。
本当に小さい田んぼだから、慣れれば1日で終わる。



昼休憩で、母さんの重箱の弁当をみんなでつつく。

「働いた後の弁当って美味いな。」

と、両手におにぎりを持ちながら食べる渡辺。

「からあげ、うめぇ。」

「母さん、めっちゃ張り切ってる。」

こんな豪勢な弁当は小学校の運動会以来だ。

「父ちゃんは?」

「父さんなら、この下の田んぼをやっているよ。」

「田植え機の有り難みがわかるわぁ。」

「これ、何?」

と、瀬下が弁当の中身を聞いてくる。

「わらびだよ。出汁に漬けたやつだね。昨日たくさんもらったから、早速作ったみたい。」

「ちょっと粘りがあるかと思ったけど、コリコリして癖になる。」

「卵焼き美味いわぁ。なんだろ?うちのと何が違うんだ?」

「それは母さんに聞かんとわからない。」

「しかし電車で20分で隣の市に来たら、思っていた以上に田舎だったよな。」

周りは田んぼと林しかない。

「本当にそれ!でも、たまにはいいな。」

「僕は毎日なんだけどね。」

「あはは、わりぃ!」

田舎暮らしやスローライフに憧れる人は多いけど、いざ田舎に住むと、畑仕事や雪かきが大変で、都会に戻っていく人も多いらしい。
町場に住み慣れた人は、たまにだから良いのかもしれないな。

「母さんが夜、バーベキューするって言っていたから、あと2枚頑張って植えようか。」

「「やった!」」

「瀬下、脚は大丈夫?」

昨日温泉に行った時に、左脚を念入りにマッサージしていたから聞いてみた。

「ああ、大丈夫だ。」

「もしあれなら帰りは、父さんと軽トラで帰る?くだりって結構キツいだろ?」

「…様子見でいいか?」

「いいよ。爺さんの湿布もあるし、必要だったら言ってよ。」

「ん、ありがと。」

「俺も軽トラ乗りたい!荷台に乗ってみたい!」

「いや、乗れないから。父さんが捕まるから。」

「そうなの?」

「そうなの。」

僕も知らなかったけど、道路交通法ってのに違反するって父さんから聞いた。
しょぼんとしても、ダメなものはダメなんです。



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