君の隣は

ゆい

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本編

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「楽しかった!」

「あのフルートの人、上手かった。」

「ユーフォの人も中々だったね。」

と、女子2人が会話する。

「えっ、聞き分けられるの?」

と、僕が聞く。

「「聞き分けられないの?」」

と、あかりと水島さんが反対に聞いてくる。

「「「無理。」」」

と、男3人で答えた。

「「無理かぁ。」」

と、残念な目で見られた。なんで?!

「なべちゃんの演奏聞きに来ただけだし。」

「だよな。」

と、僕と瀬下。

「俺、片付け行ってくる。帰り、4人で飯食って帰ろうぜ。」

「りょ!」

「えっ、そうなると、帰り、9時電しかない。」

学校が終わってご飯を食べてから駅に行けば、早くても7時過ぎだ。7時台は早い時間しかないから、乗り遅れたら9時過ぎになる。

「あ、電車の時間があったか。」

「なら、うちに泊まる?」

「急だし、悪いよ。母さんにも怒られるし。」

「おばさんには私からも頼むから、たまには泊まれば?夏休みだって、渡辺さんの家に遊びに行ったきりで、夏休みずっと家にいたって、おばさん心配していたし。」

「へ?なんで?」

「瑞樹どこも行かないから、『お友達と喧嘩したのかしら』って心配していたよ。」

「かあさ~ん。何、あかりに相談してんの。」

普通にでかける用事がなかっただけだったのに。

「じゃあ、決まり!瑞樹は親に連絡して。なべちゃんにも伝えておくから!」

と、上村は去っていった。

「よし、おばさんに電話しよう!」

と、あかりに引かれて体育館から廊下に連れ出された。
瀬下と水島さんは、僕らの後をついてくる。



「ええと、瀬下さん?」

「瀬下ですが。」

「夏休み、日下部君が加藤達に絡まれた時にいましたか?」

「加藤?は誰かわからないけど、いましたよ。」

「なら、あとで日下部君に伝えておいてください。『アイツら、逆恨みで何をするかわからない』って。」

「…もしかして、陸上部だった奴ら?」

「日下部君から話を聞いていましたか。闇討ちとまでいきませんが、それっぽい話を聞いたので。」

「…連絡先を聞いてもいいですか?情報をください。」

「いいですよ。私もあかりがまた泣く姿を見たくないので。」

瀬下と水島さんはスマホを取り出し、LI◯Eのアドレスを交換する。

「…あと、こういう時、誰に頼ればいいんですかね?」

「地元の恥になるので、上学年にも話をしておきますよ。日下部君、素直だから、先輩には可愛がられていたし。それもあって、先輩がいるうちは手が出せなかったから。」

「なるほど。」

「…ところで、私達、なんで見られているんでしょうか?」

「なんでですかねぇ。」

シラっと答える瀬下。
瀬下から女子の連絡先を聞くことはないから、水島さんの連絡先を聞いていたことに、周りは驚いていた。

僕は後からその話を噂で聞いた。
瀬下に聞いたら、『瑞樹のことを教えてくれるから』って言っていた。
『…僕に直接聞けばいいじゃん』と拗ねたら、『瑞樹は可愛いな』とはぐらかされた。

水島さん、瀬下狙いだったのかな?
でも、瀬下が女子に簡単に連絡先を教える訳ないから、何か共通の趣味とかあったのかな?



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