ナイフとライフル

泳ぐ切り身

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1章

この男はッ!!

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カーテンの隙間から侵入してきた光を顔に直に受け目を覚ます。
起き上がるとその雪のように白い髪に毛に光が反射して、キラキラと輝く。

私は、掛け布団をどけ起き上がり、背伸びをしてそのまま洗面所まで行く。

パシャパシャと水音を立てながら顔を洗い、鏡の隣についている棚にある眼鏡に手を伸ばす...が、しかし
伸ばした手は、空を切る。

「...」

何度か手を伸ばし、やっとの思いで眼鏡に手が届く、そして眼鏡をかけるが、しかし、ピントが合わない。

「また目が悪くなったか...また矯正にいかないと。」

ため息をつき、その隣にあったゴムを口に咥え髪の毛を一本にまとめ縛る。
掛け布団をたたみ、無駄に固いパンをコーヒーと一緒に食べる。
さっさと朝食を済ませ、店を開く準備に入る。

干していた布巾を回収し、濡らし、テーブルを拭く。
四人掛けの席が4個とカウンター席だけの小さな喫茶店のため、直ぐに終わった
開店までの時間を余らせてしまったため、自分の飲むためのコーヒーを淹れるための豆を挽いていると、誰かが入ってくることを知らせる、ベルの音がなる。

「まだ、店は開けてない筈だけど?クーガーさん」

目の前にいる大男に言う。

「もうすぐ店開けるんだろ?誤差だよ誤差」

「で?あなたが来たってことは朝食を食べにきただけじゃないよのね?」

クーガーが入ってきたため、中断していた豆挽きを再開する。

暫しの沈黙、この間もゴリゴリと豆を挽き続ける。

「...奴隷を買ったんだ」

「奴隷を買った?あんたらしくないな...なんか、あったのか?」

「そしたら、カミさんがブチ切れちまってさ...その奴隷他に譲ることになったんだ」

あーこれは....

「その奴隷、引き取ってもらえないか?」

「また私に押し付ける気か!」

カウンターテーブルに手を叩きつけ怒鳴る。

「毎度毎度厄介ごとばかり持ってきやがって!自分の行いには、責任を持て!男だろ!そして私は、便利屋じゃない!」

「...でも、お前以外にいないんだ!」

「どうゆうことだ?...」

頭が痛い、そして呆れた

「下手したらお前の本業がなくなるレベルのことだ...」

は?一体どうゆうことだ?仕事?ナンデ?

「一言でいえば俺が、《ピーーー》扱いされるということだ。お前はそんなこと言われても口外にはしないだろ?」

「いや、お前怒らせたら仕事回って来なくなって困るんだよ」

色々察した、恐らく奴隷最終処分地で見過ごせなかったのだろう。
可哀想な人を放っておけない、こいつらしいと言えばこいつらしいが。
しかし、無責任にも程がある奥さんに反対されたとしてもどうにかしてでも手元に置いて育てるなりなんなりするべきだと思う。

「流石にこっちも本業が関わって来るとなると放っては置けないわ」

「お前は奴隷を預かるだけで、今後の本業の方も約束される。そして俺は、カミさんに怒られなくて済む」

いい関係だとでも言いたいのか?
否、断じて否である。
奴隷とは言え店員として、働かせる必要があるその為の制服やら接客指導諸々を覚えて貰わなければならない、しかも黒猫族である、気に入った相手の以外にはかなり獰猛で、弱い者には従わないときた。
「『躾』が大変そうだけど頑張るわ」

「今日の夕方連れてくる...ああ、それといつものを」

「わかりました」

そうして、カウンターテーブルで下にある冷蔵庫の様な物に入っている紙袋を取り出した。

「いつもの、サンドイッチとクリービア産の豆で入れたコーヒー、590グリーです」

私はそう言うと、クーガーは懐から財布を取り出し中から銀色の硬貨6枚出した。

「600グリーでお釣りは10グリーになります」

そう言い、箱から銅色の硬貨を1枚出した。

クーガーは、右手を揉むのをやめ、紙袋を受け取った。

「どうしたんです?手首でも痛めましたか?」

問いかけてみる

「最近、新規登録者の数が多くて、ずっと書類読んだり印押したりしかしてなくてな、軽い腱鞘炎になっちまったんだ」

「まぁ...頑張ってください」

適当に返す

「例の奴隷今日の夕方、俺の仕事が終わり次第連れてくる、待っててくれ。」

そういいクーガーは、店から出て行った。
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