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第2笑

また会いましたね?

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前回のあらすじ 

ドールの実はりんご味。
キルレの実はオレンジ味。

蓮月 「蓮月はオレンジが好きだなぁ。」

奏夜 「俺もオレンジ派。」

奏心 「私、りんご派。」

リリス 「ドールの実の方が好き。」

ルシア 「私、キルレの実を食べた事ないから分かんない。」

オーウェン 「……キルレの実派。」

ノエ 「僕はドールの実派~。」

ノエ以外 「「!?」」

オーウェン強っ。

奏夜 「一体いつからオーウェンが弱いと錯覚していた?(髪を掻き上げる)」

蓮月 「B○EA○Hの藍○さーん!鏡花水月やって!!」

奏夜 「砕けろ、鏡花水月。(ドヤッ)」

チーム配達(H)&チーム無双(M)
……ネーミングセンス皆無。

奏夜 「シ、シンプル is the ベスト!!」

奏心 「命名奏夜なの!?」

蓮月 「蓮月はてぃーむA、Bで良くない?って言ったんだよ?」

リリス 「そっちの方がシンプルじゃない?」

オーウェン 「……てぃーむについてツッコまないの?」

お屋敷には…か、隠し部屋がぁ!!!

蓮月 「ふぅぅぅぅ!!!!」

ルシア 「テンション上がりすぎ!」


でした。



??? 「首尾はどうだね?ディラン。」

黒ずくめのフードを目深に被った
男、ディランは振り返る。
(コ○ンに出演されてましたか?黒の組織役で。)

ディラン 「あの計画が出来ないのが残念でしたが、他は上手くいっています、メイソン様。」

メイソンと言われた男はちょび髭を
触りながら微笑する。

メイソン 「あれは予想外だったな。あの娘はどこへやら。」

ディラン 「…確かもう1人、娘が消えたらしいですよ。」

メイソン 「ほう?ではその娘の近くにいるかもな。」

ディラン 「でも、消えただけでアレの効果が消えるのはおかしいですよ。」

メイソン 「ふむ……なら、あの娘がかの地にいる事が条件とか?」

ディラン 「なるほど。それかあの娘特有の能力で何かするのかもしれない。」

メイソン 「ほぉう?……ハハッ、お前といると退屈しないな。」

ディランは苦笑しながら言う。

ディラン 「……光栄です。」

メイソンがふと目を窓に向けると
窓脇にある止まり木に伝書鳩が
止まっていた。

メイソン 「…あの馬鹿王子からか?」

メイソンはため息を漏らす。
ディランはメイソンの辛辣な言葉に
苦笑する。

メイソン 「今度は何をやらかしたんだ?」

メイソンは手紙を見ると
同時に顔を曇らせる。

メイソン 「……なんだと?」

ディラン 「……どうしました?」

メイソン 「私の別荘の屋敷が…攻められている。」

ディランは何を言っているんだと
いう顔をする。

ディラン 「カール王子にそんな戦力はないでしょう。」

メイソン 「ああ。……では、一体何が?」

ディラン 「……わかりません、私が行ってみましょう。」

メイソン 「頼んだぞ。」

ディランは部屋から出た。

ディラン 「……所詮、お前も馬鹿王子と同じだ。俺に操られてるとも知らずに。」

ディランは1人呟いた。
獰猛な笑みを浮かべて。



その頃奏夜達はー

奏夜 「……それ寝癖?でも寝癖にしてはやけに整ってるしなー。けど、まさか自分でセットしてるわけないだろ?」

ジョセフ 「……自分でセットしているが?」

奏夜 「!?……リーゼントの横流しバージョンの人と初めて会った。多分、あんた以外にそんな髪型の人はいないと思うけど。」

奏心 「漫画のキャラみたい。」

リリス 「凄く整髪料使ってそう……。」

ジョセフ 「僕を侮辱しているのか!?」

奏夜と奏心は首を縦に振る。
リリスはちょっと遠慮がちに頷く。

ジョセフ 「貴様ら僕が誰だかわかっているにも関わらず!!」

奏夜 「うるせーなぁー…。で、俺らはこの屋敷に攻めて来たんだけど、その意味分かる?」

ジョセフ 「……金か?」

奏夜 「ファイナルアンサー?」

ジョセフ 「は?」

奏夜 「ブブー、ハズレでーす。」

ジョセフは軽い調子の奏夜にイライラする。

ジョセフ 「じゃあ、なんなのだ!?」

奏夜 「あんたとあんたのバックにいる奴らを捕まえに~。」

途端にジョセフの顔は真っ青になる。

ジョセフ 「な、何故だ…何故分かった…?」

奏夜 「んー?俺達カールくんと友達~。」

ジョセフ 「や、やはりカールが!?」

ジョセフは声を震わせながら叫ぶ。

ジョセフ 「アイツ!僕を殺そうと!!」

奏夜 「だーから、違うって言ってんじゃん。被害妄想やばいな、お前。」

奏夜はため息を吐いた。

奏夜 「カールはお前らを殺す気はない。あ、もし俺らが殺されそうになったら殺ってもいいよ的な事言ってたけど。てか、そもそもカールを殺そうとしてるのに、自分を殺すのかって責めるのはないでしょ。」

奏夜の正論に苦い顔をするジョセフ。

奏夜 「で、大人しく捕まるか、戦って死ぬかどっち?」

奏夜が悪魔の様な笑顔で言う。
あまりの気迫にジョセフは怯える。

ジョセフ 「た、戦……。」

奏夜 「あ、俺らが強いのはここまで余裕でここまで来れたって事で……わかるよな?」

ジョセフ 「っ……。」

奏夜 「どーする?」

ジョセフ 「…………。」

ジョセフは顔を伏せる。
奏夜が何か言おうとすると、

ー ガチャッ。

??? 「これは一体どうなっているのですか?ジョセフ王子。」

フードを目深に被った
謎の男が扉を開けて現れた。

ジョセフ 「デ、ディラン!!」

ジョセフは嬉しそうに名前を呼ぶ。
現れたのはメイソンの側近と言われる
ディランだった。

奏夜 「…………はぁ。」

それに対して奏夜はため息を吐いた。

ジョセフ 「よ、よく来てくれた!!こいつらが屋敷を襲ってきたのだ!!」

ディラン 「……こちらの方々が?」

奏夜 「ヤッホー。また会ったな。」

ディラン 「!?」

フードの中からディランの動揺が伺えた。
奏夜はそれを見て笑う。

ディラン 「……気のせいではないか?君とは初対面だ。」

奏夜 「惚けちゃって~。あんたが悪ーい事してる時にあったよ?覚えてない?あ、もしかして悪い事しすぎて分からない??」

ディラン 「……。」

奏夜 「…夜にソフィアで合ったよね?」

ディラン 「……誤魔化せない、か。」

奏夜 「残念だけど、最初からあんたの名前も全部分かってた。」

ディラン 「何故……。」

奏夜 「あれ?言ったじゃん。教えないよって。」

ディラン 「ふっ、確かにな……。」

ジョセフ 「な、何の話をしておるのだ!」

会話の内容が理解できない
ジョセフは思わず叫ぶ、
奏夜はジョセフを睨み、黙らせた。

奏夜 「んでさ、あんたの計画も俺らによってぶっ壊されたけど、あんたは……2人を見捨てて逃げないの?」

ディラン 「計画を壊した?……どうやら嘘じゃなさそうだな。」

ディランは奏夜の目をじっと見る。

奏夜 「そこの馬鹿王子より話が早くて結構。」

ディラン 「……ここにはもう用はないな。」

ディランは背を向け立ち去ろうとする。
ジョセフは驚き、叫ぶ。

ジョセフ 「な!?ど、どこへ……。」

奏夜 「逃がさないけど?」

ディランの背後にリリスが
一瞬で立ち、首に小刀の切っ先を
あてがう。

ディラン 「…逃がしてくれるのでは?」

奏夜 「んな事言ったっけ?」

ディラン 「……ふっ。」

ディランは苦笑したと同時に
ディランの影がリリスの小刀を弾く。
影はまるで生きている様な
動きをしている。

リリス 「えっ!?……っつ!!」

リリスは間一髪で次の攻撃を避ける。

奏夜 「…やーっぱり、あんた面倒。」

ディラン 「褒め言葉として受け取っておこう。」

今度は奏心が黒い日本刀でディランに
切りかかるが影によって止められる。

奏心 「えっ、硬っ!!」

奏心は一旦離れる。
奏夜はディランを眠らせようと
するが、キャンセルされた。

奏夜 「ッチィ!……レア装備品の恩恵か。」

奏夜は仕方ないので奏心と
リリスの補佐にまわる。
リリスは弓矢で遠距離攻撃をする。
奏心は変わらず日本刀で攻撃。
つまり、リリスは不意打ちを
狙っていた。しかし、すべての
攻撃は影によりディランには
当たらない。

奏夜 「2人とも一旦下がれ!」

奏心とリリスは言われた通り後ろに下がる。

ディラン 「……そろそろ帰るよ。」

影にディランが包まれつつ
沈んでいく。

奏夜 「…おいおい、そんなのもアリかよ。」

ディラン 「ふふっ、また会おう少年。……名前は?」

奏夜 「……奏夜。」

ディラン 「奏夜か、覚えておこう。では、また。」

ディランは消えてしまった。
影ももうない。

奏夜 「……やっぱり対策練らなきゃ勝てないな。」

奏夜はこうなるのがわかっていた
かの様だった。

奏心 「奏兄、勝率何%だったの?」

奏夜 「……10%かな。」

奏心 「ならしょうがないね。」

奏夜 「まあ、次は勝てるさ。」

奏夜は唖然としている
ジョセフを見る。
ジョセフは抜け殻の様だった。

奏夜 「……はぁー、精神弱いなぁ。」

奏夜はジョセフに睡眠を
付与して眠らした。

奏夜 「よし、縛りあげてカールんとこ行くか。」

リリス 「メイソンって人はいいの?」

奏夜 「まあ、大丈夫。後でなんとかなるから。」

リリス 「?」

奏夜の考えている先は
読めないなぁーと思うリリス。

奏夜 「さて、あっちはどうなってるかな?」





蓮月 「奏夜とディランの会話がよくわかんない人は、第1章の夜の静かな殺戮をもう1度読んでみよう!!」

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