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第3笑

男子会?

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前回のあらすじ

第2試合も無事に余裕で
突破した奏心とルシア。
ちなみにザックスも。

ザックス 「ちなみに!?」

プラス、
ザックスはドS女王の中のMを
目覚めさせてしまった!!

ザックス 「知らんがな!!……おい、ジト目で見んな!!」

その後エスポワールメンバーは
早めに宿に行き、部屋に落ち着く。

奏夜 「では、これより第1回男子会を始める!!」

な訳で、奏夜とカールと
オーウェンの3人で男子会を
始めようとしたところ……

ノエ 「ハロー☆」

ノエ乱入!!

ノエの事を知らないカールに
ノエについて説明しました。



でした。






奏夜 「……てことで、カール分かったか?」

カール 「……信じられないけど、うん。本当なんだね…。」

オーウェン 「ああ。事実だ。」

ノエ 「あ、じゃあカール君にしか分かんない事、言おっか?」

奏夜 「ぜひ、頼む!!」

奏夜は身を乗り出して
ニヤニヤ笑っている。

カール 「え?」

オーウェンはああとノエの
言った事を直ぐに理解して
カールにドンマイと肩に
手を置いた。

ノエ 「んー……カール君は、5歳の時にカール君のお母さんの手によってふりふりのピンクのドレスを着せられて王宮中で写真をt……」

カール 「うわわわ!?な、す、ストップ!!」

カールが慌ててノエを止めた。
もう顔は真っ赤だ。

奏夜 「ぶふっ!……ま、マジか!!……フッハ!やべぇ!…く、ククッ!!……今度妖精王に見せて貰おう!!」

奏夜はカールのドレス姿を
想像したのか必死に笑いを
こらえていた。
オーウェンも肩を僅かに
震わせていた。

カール 「もういいでしょ!?いつまでも笑わないでくれるかな!?」

奏夜 「フッ!!……こ、これで、ブフッ!!……信じたか?……ククッ!」

カール 「信じたよ!!うん!!そろそろ笑うのやめて!奏夜!!」

数分後、やっと落ち着いた
奏夜とオーウェン。

奏夜 「はー、笑った笑った。ナイスだわぁー、カール母。」

ノエ 「そろそろ、男子会始めない?」

奏夜 「そうだな。まずは……。」

奏夜はうーんと顎に手を当てて
考えている。

ノエ 「ハイハーイ!!恋バナは?」

奏夜 「あー……。うん、そうだな。じゃ、まずカールから。はい、恋バナどうぞ!!」

カール 「えっ!?僕!?こ、恋バナ!?……う、うーん……。」

奏夜 「何かないの?幼い頃の淡ーい初恋とか!!」

カール 「ないかな。まず、恋ってどんなのか分かんないよ。」

奏夜 「むぅー……なら、他の誰かでも良し。」

カール 「他の人!?えー……。」

奏夜 「王宮とか貴族って言ったら、ドロドロの昼ドラが出来そうな話沢山あるっしょ?あ、または修羅場。」

オーウェン 「そうなのか?」

カール 「悲しいけど……ひ、否定できない、かな…。」

奏夜 「おおっ!例えば!?」

カール 「……僕の国で1番の美少女と言われている子を、ライバル家同士で取り合いになった時は凄かったかな…。その子、争いに巻き込まれて酷い火傷を負ってしまったんだ。」

奏夜 「ま、マジで?……凄い重い話をぶっ込んできたな……。」

オーウェン 「それから?」

カール 「最終的には、その火傷でライバル家同士、彼女には見向きもしなくなったよ。」

奏夜 「ひでーな、そいつら。」

カール 「ちゃんとライバル家達には、王が重い罰を与えたよ。」

オーウェン 「女の子はどうなったんだ?」

カール 「幼なじみの人と結婚したよ。元々両想いだったらしいよ。」

奏夜 「おお!!ハッピーエンドだな。……これ、奏心達に聞かせた方が良かったかもな…。」

確かに女子が感動するような
話であった。

奏夜 「……次はオーウェン!!」

オーウェンは困った顔をする。

オーウェン 「えー……。幼い頃師匠に助けられてから、ほとんど外に出なかった。だから、恋バナなんてないぞ?」

カール 「そうなんだ……。」

奏夜 「師匠の恋バナは?」

オーウェン 「……8回告白して、8回とも振られるという伝説があるらしい。」

奏夜 「マジ……?ある意味スゲェな。」

カール 「あ、それなら父は母に27回プロポーズしたらしいよ。27回目にやっと、OKが貰えたらしい。」

奏夜 「2人ともマジかっけぇ。俺だったら、諦めるわ。」

ノエ 「ねぇ。」

突然、ノエが手を上げる。

奏夜 「ん?何だよノエ。」

ノエ 「もうちょい面白いのないの?」

奏夜 「……恋バナに面白さを求めんなよ。」

ノエは大きくため息を吐いた。
煌めく金色の髪のひと房を
弄りながら。

ノエ 「奏夜は?恋バナ。……あ、先に言っておくけど僕は神様だから人の感情とかよく分かんない。」

奏夜 「おれ~!?……くっそ悲しいけど、モテんかったからなぁ~。奏心はモテてたけど。」

カール 「奏心?確かに可愛いしモテそうだよね。」

オーウェン 「…兄としては複雑か?」

奏夜 「え?別に??……あ、言っておくけど、モテたって言っても男じゃなく女だから。」

カール&オーウェン 「え?」

ノエ 「奏夜の世界で言う宝塚的な感じだね。」

奏夜 「おう。そういえば、"奏心様ファンクラブ"があったぞ。」

カール 「たからずか?」

オーウェン 「ふぁんくらぶ?」

聞いたことない言葉に
首をひねる2人。

奏夜 「まあ、だから別にって感じ?」

ノエ 「へぇー。」

カール 「……奏夜。」

奏夜 「ん?何??」

カール 「恋バナじゃなくて、奏夜の世界の生活について聞いてもいい?」

奏夜 「俺の元いた世界?面白くもなんともないと思うけど?」

オーウェン 「俺も聞きたい。」

ノエ 「あ、僕もー。」

奏夜 「ノエは知ってんだろ。」

ノエ 「いや、僕もよくは知らないよ?担当が違うからね。」

奏夜 「担当?」

ノエ 「まあそこんところは、ひーみつだよ☆」

ノエがパチンとウインクする。

奏夜 「んー、じゃあ話すかー。……何から話そうか。」
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