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第二章 真の勇者は異世界人
浮気じゃないんだから!
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勇者の剣を手にいれて、私は帰路についた。
帰りは当然ランニングだ。
神聖の肉体の能力の一つにマナを遮断する機能がある。
こうすると、地球にいた頃と同じ感覚で、体を操作することが出来る。
マナで身体を動かすと言うのは、いつもふわふわしてる感じなのだ。
無重力状態を体感したことはないが、あんな感じだ。
この世界には身体を鍛える概念がない。
レベルをあげた方が早いし、マナが関与するせいで本質的には筋肉を鍛えることが出来ない。
だけど私はマナ遮断により、身体を鍛えることができる。なぜ体を鍛えるのか、それは魔王もマナ遮断を使うからだ。しかも範囲で。
これが現地人では勝てない理由だ。
現地人が魔王を討伐しようとしてもマナを遮断され、呼吸することもできなくなり死ぬ。
だから勇者が必要なのだ。
だけど、勇者ミスティアが魔王と対峙したら一瞬で死ぬだろう。偽物なのだから、マナ遮断には耐えられないでしょうね。
初めてマナを遮断した時は焦った。
あまりにも身体が重くて尻餅をついてしまった。
まるで、宇宙ステーションから帰って来た宇宙飛行士のようになってしまった。
今のところ魔王を倒す予定はないけど、鍛えておいて損はない。
この世界はステータス×レベルなのだから。身体を鍛えだしてから明らかに動きが違う。
とは言え筋肉質になるつもりはない。
だって、ねぇ?
『エロいな』
「はぁ? ケンケンさぁ、私の心の声聞こえてるの?」
『うむ、聞こえている』
「遮断しようか?」
私は、魔法剣の“風刃剣・烈風“でケンケンを脅す。
『分かった、分かった、戦闘時以外は心を読まないようにする』
私は烈風を横に放った。
剣から5枚の風の刃が現れ、大木を膾切りにした。
LVはまだ98だけど、魔法は全種類使える。
ただ、最上位の魔法は制御がうまくいかない。まあ、レベルが足りないんだろうけど。
街道をランニングしていると、前方から戦闘の音が聞こえた。
マナの遮断をやめ体にマナを染み渡らせる。遠見をすると、冒険者が魔物と戦闘している。
魔物を鑑定するとB・オーガだった。冒険者のレベルは、適正とは言えないかな。
助けるべきかな……。
私は戦闘している彼らの側に寄った。
「助けいります?」
「女の助けなどいらぬ!」
おっさんの一人が私をにらむ。
まあ、冒険者の獲物を横取りするのは御法度だ。私は木を切り、切り株に腰を掛けて戦闘をみる。
おじさん二人に少年が一人。
おじさん二人は盾持ちのタンクで、少年は槍使いのようだ。
パーティーバランスが悪くはないが、攻撃力が無さすぎる。
どう考えても、全滅パターンですわ。
タンクの一人が吹き飛ばされた。
終わったかな。
「ねぇ、本当に手伝わなくていいいの?」
「助けてくれぇ!」
おじさんの一人が、震え声で叫ぶ。
その瞬間とB・オーガが棍棒を少年に叩き下ろす。
勇者の魔法剣、試してみようかな。
「星王剣」
その斬撃は夜空に光る綺羅星のごとく光り棍棒を破壊し、その衝撃はノックバックを起こしB・オーガをのけ反らさせる。
その隙を見逃がさずに魔法剣風刃剣・疾風で足を薙ぐ。
その一撃は骨にまで達し、魔物の膝をつかせた。
私は低くなった魔物の首めがけ剣を振るった。
首はまるでバターを切るように、滑らかに切れた。
B・オーガは私をつかもうと襲いかかる。
だがそれは叶う事はなく、首がずれ落ちる。
レベルが100になった。
◆神の祝福:魔法強化全ての魔法を増幅する、常時発動。
◆神聖の肉体 バージョンアップ
◎マップ
モンスターや人が表示される、なおかつ、詳細も見れるようになる。
◎無限アイテムボックス
倒した魔物を収納すると素材ごとに別けられる、素材にならないものは自動消去させられる。
◎鑑定
神の眼:全てを見通すことが出来るようになる。
◎自動回復
欠損以外の負傷は、全て回復される。
新しく、能力が手に入った。
「助力感謝します」
タンクの一人が、お礼をいいに来る。
早速、神の眼を使ってみた、どうやらタンク二人はグランヘイム騎士団の下級騎士団員のようだ、少年の方は、え、王子様?
神の眼で見たステータスには、グランヘイム王国第3王子と表示されていた。
「まさかこんなところでB・オーガが出るとは」
そう言えばここらはゴブリンか下級オーガしかでないのにこの短い期間に二回も出るとは、何かあるかもしれない。
まあ、私には関係ない話だけど。
「その方、なかなかの技の持ち主だな、我が妾にしてやろう」
「ええと、お断りします」
なんなのこの子、いきなり妾とか。
お姉さんショタコン属性無いのよ?
お姉さんといっても17歳で死んで現在13歳、足せばアラサー女子、つまりはロリBBA、ガリウス様でもショタに入るのかぁ~。
いや待って欲しい、この世界は13歳でで成人、ガリウス様はショタじゃない。
ショタと言って良いの、は10歳まで!
むしろガリウス様は婚期を逃してる、もらい遅れ。
あの人が欲しい。
『あの人じゃ分からん。』
ガリウスが欲しい。
『ガリウスじゃ分からん』
そうだ旦那にしよう、そうしよう。
でゅふふ。
あ、いけない涎が。
いや、これは涎じゃないのよ、神の滴、そう聖なる神の滴なのよ。
さあ、受け取りなさい神の祝福を。
はっ!
どうにもガリウス様の事になると、夢想が止まらない。
これもガリウス様が、私を連れて行ってくれなかったからですよ。
と言うかケンケン、合いの手入れたでしょ。
『まだ、戦闘中だから意識は繋げてるからな』
ノリ的にGJ。
『あ、はい』
さて、帰りますか。
「ちょ、まてよ!」
私がきびすを返すと、王子が私の手を掴み、呼び止める。
「妾の件ならお断りしますよ」
「我はグランヘイム王国第3王子だ、拒否は許さん」
面倒くさいことになったなと思う。やっぱりこの世界の上級国民はろくでもない。まあ、前世の上級国民さんたちも、ろくでもなかったから仕方ないか。
うあ、この子の性欲オーラ、ビンビンで怖いですわ。
これが若さゆえの、過ちと言うやつか。
まあ、顔もいいし家柄も良い。昔の私だったら、安全に暮らせるから簡単に落ちたでしょうね。
カモン王子様、カモンニート生活。
ですが、ガリウス様一筋の今では何の興味もありません。
私は王子の手を払い除け、歩き出した。
「だから、まてっ……」
私は、王子の足下の地面に線を引いた。
「その線があなたのデッドラインです、一歩でも出たら殺します」
「俺は、王子だぞ」
「私の強さはわかりますよね? 私の姿が見えなくなるまでその線から出ないでください、本当に殺します」
私は殺気を載せて彼を見た。
「ひっ」
王子は私のにらみで、身体を硬直させる。だが去り際私に言ってはならない言葉を言い放った。
「おもしれぇ女だな」
あちゃーフラグじゃないですか、年下王子とのフラグなんか要らないですから、ガリウス様とのフラグ建ててくださいよ。
「絶対諦めないからな! お前は俺のものだ!」
やれやれですね。
私は振り返らず駆け足でその場を去った。その後も何か言っていたが聞く気はない。
グッパイ王子様、グッパイニート生活。
私は冒険者として、生きていきます。
城塞都市に帰り、ギルドに報告へいく。
ヘルムを被った男が受け付けをしていた。
何この人……。LV0ステータスオール0、名前すらない。こんな人間がいるの?
『ケンケンこれどう言うこと?』
『マナを切ってる状態なので能力ではあの人物を探る事はできない』
『つまり、どういう事なの?』
『勇者と同じことが出きる存在ですかね』
『彼も勇者なの?』
勇者が二人いる? そんなことがあり得るの?
『いや、我に反応してないことから、勇者ではないと思う』
まあ、なんにせよ正体不明の人間には近寄らない方がいいかな。
でも、それ言ったら地球じゃ誰にも近寄れなくなるけどね。
その時だった、酔っぱらいの冒険者が彼に絡む。
「おいこら新人! ヘルムでか顔隠してんじゃねーぞ」
そう言うと彼のヘルムを剥ぎ取った。その顔は焼けただれていて髪の毛すら無かった。
「ひゃひゃひゃ、何だよ新人の癖にもう死に損ないかよ」
そいつはヘルムを投げ捨て腹を抱えて笑う。
頭に来た、人の身体的特徴を笑うなんて。
気がついたら、その冒険者の胸元の服を掴み持ち上げ、ヘルムの方に投げ捨てる。
「そのヘルムを拾って彼に謝りなさい!」
「てめぇ何すんだ、ひっマイラ!」
男はヘルムを拾い彼に渡すと、そのままギルドを出ようとした。
私はそれを許さずに襟首を掴み彼の前に膝まつかせる。
「謝りなさい」
男は私の方を見ながら謝る。
「す、すまなかった」
「謝る相手が違うし、土下座でしょ?」
そう言われ男は彼に向かい土下座をした。
「すまなかった、許してください」
「分かりました、もう良いのでお立ちください」
彼の声はくぐもった声をしている。喉もやられているのだろう。
しかし、やっちゃった。
これは、関わらずにはいられないよね。
ギルドメンバーの視線が、彼に集中している。今後、彼が嫌がらせの標的にされるかもしれないし。
「助けていただいてありがとうございます」
そう言って彼は私にお礼を言ってきたが、その目は私を見て驚いている。
だが、冒険者にしては礼儀正しい。
「ねぇ、あなた名前は?」
彼は少し考えてから、名前を言う。
「メルウスと申します」
「分かったわ、メルウスちょっと来なさい」
私は彼をギルドの外に引っ張って行った。
「あなた、名前もないしステータスがオール0なのはなんで」
「見えるのですか?」
私はコクリとうなずく。
「罰、そう天罰ですかね」
そう言うとかれは空をあおぐように見上げる。
「天罰?」
「ええ、詳しい話は、出来ないのですが」
取り敢えず私は彼の傷を治そうと彼の額にてを当てる。
『癒やしの光』
だけど、その光は霧散した。
「え、なんで?」
『主よ、マナがない状態では魔法は影響を及ぼさないぞ』
「ごめんなさい、あなたには回復魔法が使えないみたい」
「良いんですよ。治そうとしてくれてありがとうございます」
お辞儀をして、去ろうとする彼を、なぜか私は、服の裾を掴み止めていた。
「ええと?」
「あなた泊まる場所とかあるの?」
「いいえまだ決めてませんが」
「なら、私とパーティーを組みなさい、宿の保証もしてあげるから」
何を言っているんだ私は……。
新人にパーティー組もうと言う私、超怪しい。
しかも命令形。
「いいえ、そこまで甘えるわけには」
ほら断られた。
恥ずかしい、穴があったら入りたい。
いや、いっそ、そのまま埋めて殺してくれ。
「あなた、他のギルドメンバーにカモにされるわよ」
私はあること無いこと言った。恥ずかしさを隠すように、言葉を捲し立てた。
「カモ?」
「そうよ、新人は盾役で酷使されるのよ。そして、ぼろ雑巾のように捨てられるのよ、使い捨ての駒ね」
彼は少し考える、なんで私はこんなに、一生懸命なのだろう。
彼がかわいそうだから?
いいえ違う、そんな感情はない。
どんな人間でもハンデはある。
四肢の不具、人と違う身体的特徴、頭が悪い、天然ボケ、集中力が足りない、なども同じだ、皆ハンデだ。
それが彼の場合は、ステータス0と顔のやけどと言うことだけだ。
だから、私は彼に同情はしないし、特別扱いもしない。
だけど、彼を一人にさせたくないのだ。
彼を一人にすると消えてしまいそうな危うさがある。
ガリウス様の事もあるけど、独り立ち出きるくらいまでは、面倒を見たい。
なぜだろう?
色々考えていたら、彼がよろしくお願いしますと手を出してきた。
私は彼と握手したパーティー契約を結んだ。
その手はとても暖かく、私の心もなぜか暖かくなった。
ガリウス様、これは浮気じゃないですからね?
帰りは当然ランニングだ。
神聖の肉体の能力の一つにマナを遮断する機能がある。
こうすると、地球にいた頃と同じ感覚で、体を操作することが出来る。
マナで身体を動かすと言うのは、いつもふわふわしてる感じなのだ。
無重力状態を体感したことはないが、あんな感じだ。
この世界には身体を鍛える概念がない。
レベルをあげた方が早いし、マナが関与するせいで本質的には筋肉を鍛えることが出来ない。
だけど私はマナ遮断により、身体を鍛えることができる。なぜ体を鍛えるのか、それは魔王もマナ遮断を使うからだ。しかも範囲で。
これが現地人では勝てない理由だ。
現地人が魔王を討伐しようとしてもマナを遮断され、呼吸することもできなくなり死ぬ。
だから勇者が必要なのだ。
だけど、勇者ミスティアが魔王と対峙したら一瞬で死ぬだろう。偽物なのだから、マナ遮断には耐えられないでしょうね。
初めてマナを遮断した時は焦った。
あまりにも身体が重くて尻餅をついてしまった。
まるで、宇宙ステーションから帰って来た宇宙飛行士のようになってしまった。
今のところ魔王を倒す予定はないけど、鍛えておいて損はない。
この世界はステータス×レベルなのだから。身体を鍛えだしてから明らかに動きが違う。
とは言え筋肉質になるつもりはない。
だって、ねぇ?
『エロいな』
「はぁ? ケンケンさぁ、私の心の声聞こえてるの?」
『うむ、聞こえている』
「遮断しようか?」
私は、魔法剣の“風刃剣・烈風“でケンケンを脅す。
『分かった、分かった、戦闘時以外は心を読まないようにする』
私は烈風を横に放った。
剣から5枚の風の刃が現れ、大木を膾切りにした。
LVはまだ98だけど、魔法は全種類使える。
ただ、最上位の魔法は制御がうまくいかない。まあ、レベルが足りないんだろうけど。
街道をランニングしていると、前方から戦闘の音が聞こえた。
マナの遮断をやめ体にマナを染み渡らせる。遠見をすると、冒険者が魔物と戦闘している。
魔物を鑑定するとB・オーガだった。冒険者のレベルは、適正とは言えないかな。
助けるべきかな……。
私は戦闘している彼らの側に寄った。
「助けいります?」
「女の助けなどいらぬ!」
おっさんの一人が私をにらむ。
まあ、冒険者の獲物を横取りするのは御法度だ。私は木を切り、切り株に腰を掛けて戦闘をみる。
おじさん二人に少年が一人。
おじさん二人は盾持ちのタンクで、少年は槍使いのようだ。
パーティーバランスが悪くはないが、攻撃力が無さすぎる。
どう考えても、全滅パターンですわ。
タンクの一人が吹き飛ばされた。
終わったかな。
「ねぇ、本当に手伝わなくていいいの?」
「助けてくれぇ!」
おじさんの一人が、震え声で叫ぶ。
その瞬間とB・オーガが棍棒を少年に叩き下ろす。
勇者の魔法剣、試してみようかな。
「星王剣」
その斬撃は夜空に光る綺羅星のごとく光り棍棒を破壊し、その衝撃はノックバックを起こしB・オーガをのけ反らさせる。
その隙を見逃がさずに魔法剣風刃剣・疾風で足を薙ぐ。
その一撃は骨にまで達し、魔物の膝をつかせた。
私は低くなった魔物の首めがけ剣を振るった。
首はまるでバターを切るように、滑らかに切れた。
B・オーガは私をつかもうと襲いかかる。
だがそれは叶う事はなく、首がずれ落ちる。
レベルが100になった。
◆神の祝福:魔法強化全ての魔法を増幅する、常時発動。
◆神聖の肉体 バージョンアップ
◎マップ
モンスターや人が表示される、なおかつ、詳細も見れるようになる。
◎無限アイテムボックス
倒した魔物を収納すると素材ごとに別けられる、素材にならないものは自動消去させられる。
◎鑑定
神の眼:全てを見通すことが出来るようになる。
◎自動回復
欠損以外の負傷は、全て回復される。
新しく、能力が手に入った。
「助力感謝します」
タンクの一人が、お礼をいいに来る。
早速、神の眼を使ってみた、どうやらタンク二人はグランヘイム騎士団の下級騎士団員のようだ、少年の方は、え、王子様?
神の眼で見たステータスには、グランヘイム王国第3王子と表示されていた。
「まさかこんなところでB・オーガが出るとは」
そう言えばここらはゴブリンか下級オーガしかでないのにこの短い期間に二回も出るとは、何かあるかもしれない。
まあ、私には関係ない話だけど。
「その方、なかなかの技の持ち主だな、我が妾にしてやろう」
「ええと、お断りします」
なんなのこの子、いきなり妾とか。
お姉さんショタコン属性無いのよ?
お姉さんといっても17歳で死んで現在13歳、足せばアラサー女子、つまりはロリBBA、ガリウス様でもショタに入るのかぁ~。
いや待って欲しい、この世界は13歳でで成人、ガリウス様はショタじゃない。
ショタと言って良いの、は10歳まで!
むしろガリウス様は婚期を逃してる、もらい遅れ。
あの人が欲しい。
『あの人じゃ分からん。』
ガリウスが欲しい。
『ガリウスじゃ分からん』
そうだ旦那にしよう、そうしよう。
でゅふふ。
あ、いけない涎が。
いや、これは涎じゃないのよ、神の滴、そう聖なる神の滴なのよ。
さあ、受け取りなさい神の祝福を。
はっ!
どうにもガリウス様の事になると、夢想が止まらない。
これもガリウス様が、私を連れて行ってくれなかったからですよ。
と言うかケンケン、合いの手入れたでしょ。
『まだ、戦闘中だから意識は繋げてるからな』
ノリ的にGJ。
『あ、はい』
さて、帰りますか。
「ちょ、まてよ!」
私がきびすを返すと、王子が私の手を掴み、呼び止める。
「妾の件ならお断りしますよ」
「我はグランヘイム王国第3王子だ、拒否は許さん」
面倒くさいことになったなと思う。やっぱりこの世界の上級国民はろくでもない。まあ、前世の上級国民さんたちも、ろくでもなかったから仕方ないか。
うあ、この子の性欲オーラ、ビンビンで怖いですわ。
これが若さゆえの、過ちと言うやつか。
まあ、顔もいいし家柄も良い。昔の私だったら、安全に暮らせるから簡単に落ちたでしょうね。
カモン王子様、カモンニート生活。
ですが、ガリウス様一筋の今では何の興味もありません。
私は王子の手を払い除け、歩き出した。
「だから、まてっ……」
私は、王子の足下の地面に線を引いた。
「その線があなたのデッドラインです、一歩でも出たら殺します」
「俺は、王子だぞ」
「私の強さはわかりますよね? 私の姿が見えなくなるまでその線から出ないでください、本当に殺します」
私は殺気を載せて彼を見た。
「ひっ」
王子は私のにらみで、身体を硬直させる。だが去り際私に言ってはならない言葉を言い放った。
「おもしれぇ女だな」
あちゃーフラグじゃないですか、年下王子とのフラグなんか要らないですから、ガリウス様とのフラグ建ててくださいよ。
「絶対諦めないからな! お前は俺のものだ!」
やれやれですね。
私は振り返らず駆け足でその場を去った。その後も何か言っていたが聞く気はない。
グッパイ王子様、グッパイニート生活。
私は冒険者として、生きていきます。
城塞都市に帰り、ギルドに報告へいく。
ヘルムを被った男が受け付けをしていた。
何この人……。LV0ステータスオール0、名前すらない。こんな人間がいるの?
『ケンケンこれどう言うこと?』
『マナを切ってる状態なので能力ではあの人物を探る事はできない』
『つまり、どういう事なの?』
『勇者と同じことが出きる存在ですかね』
『彼も勇者なの?』
勇者が二人いる? そんなことがあり得るの?
『いや、我に反応してないことから、勇者ではないと思う』
まあ、なんにせよ正体不明の人間には近寄らない方がいいかな。
でも、それ言ったら地球じゃ誰にも近寄れなくなるけどね。
その時だった、酔っぱらいの冒険者が彼に絡む。
「おいこら新人! ヘルムでか顔隠してんじゃねーぞ」
そう言うと彼のヘルムを剥ぎ取った。その顔は焼けただれていて髪の毛すら無かった。
「ひゃひゃひゃ、何だよ新人の癖にもう死に損ないかよ」
そいつはヘルムを投げ捨て腹を抱えて笑う。
頭に来た、人の身体的特徴を笑うなんて。
気がついたら、その冒険者の胸元の服を掴み持ち上げ、ヘルムの方に投げ捨てる。
「そのヘルムを拾って彼に謝りなさい!」
「てめぇ何すんだ、ひっマイラ!」
男はヘルムを拾い彼に渡すと、そのままギルドを出ようとした。
私はそれを許さずに襟首を掴み彼の前に膝まつかせる。
「謝りなさい」
男は私の方を見ながら謝る。
「す、すまなかった」
「謝る相手が違うし、土下座でしょ?」
そう言われ男は彼に向かい土下座をした。
「すまなかった、許してください」
「分かりました、もう良いのでお立ちください」
彼の声はくぐもった声をしている。喉もやられているのだろう。
しかし、やっちゃった。
これは、関わらずにはいられないよね。
ギルドメンバーの視線が、彼に集中している。今後、彼が嫌がらせの標的にされるかもしれないし。
「助けていただいてありがとうございます」
そう言って彼は私にお礼を言ってきたが、その目は私を見て驚いている。
だが、冒険者にしては礼儀正しい。
「ねぇ、あなた名前は?」
彼は少し考えてから、名前を言う。
「メルウスと申します」
「分かったわ、メルウスちょっと来なさい」
私は彼をギルドの外に引っ張って行った。
「あなた、名前もないしステータスがオール0なのはなんで」
「見えるのですか?」
私はコクリとうなずく。
「罰、そう天罰ですかね」
そう言うとかれは空をあおぐように見上げる。
「天罰?」
「ええ、詳しい話は、出来ないのですが」
取り敢えず私は彼の傷を治そうと彼の額にてを当てる。
『癒やしの光』
だけど、その光は霧散した。
「え、なんで?」
『主よ、マナがない状態では魔法は影響を及ぼさないぞ』
「ごめんなさい、あなたには回復魔法が使えないみたい」
「良いんですよ。治そうとしてくれてありがとうございます」
お辞儀をして、去ろうとする彼を、なぜか私は、服の裾を掴み止めていた。
「ええと?」
「あなた泊まる場所とかあるの?」
「いいえまだ決めてませんが」
「なら、私とパーティーを組みなさい、宿の保証もしてあげるから」
何を言っているんだ私は……。
新人にパーティー組もうと言う私、超怪しい。
しかも命令形。
「いいえ、そこまで甘えるわけには」
ほら断られた。
恥ずかしい、穴があったら入りたい。
いや、いっそ、そのまま埋めて殺してくれ。
「あなた、他のギルドメンバーにカモにされるわよ」
私はあること無いこと言った。恥ずかしさを隠すように、言葉を捲し立てた。
「カモ?」
「そうよ、新人は盾役で酷使されるのよ。そして、ぼろ雑巾のように捨てられるのよ、使い捨ての駒ね」
彼は少し考える、なんで私はこんなに、一生懸命なのだろう。
彼がかわいそうだから?
いいえ違う、そんな感情はない。
どんな人間でもハンデはある。
四肢の不具、人と違う身体的特徴、頭が悪い、天然ボケ、集中力が足りない、なども同じだ、皆ハンデだ。
それが彼の場合は、ステータス0と顔のやけどと言うことだけだ。
だから、私は彼に同情はしないし、特別扱いもしない。
だけど、彼を一人にさせたくないのだ。
彼を一人にすると消えてしまいそうな危うさがある。
ガリウス様の事もあるけど、独り立ち出きるくらいまでは、面倒を見たい。
なぜだろう?
色々考えていたら、彼がよろしくお願いしますと手を出してきた。
私は彼と握手したパーティー契約を結んだ。
その手はとても暖かく、私の心もなぜか暖かくなった。
ガリウス様、これは浮気じゃないですからね?
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「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
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