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神聖王国と砂漠の国
第12話 地獄の始まり
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ロープが私の首に引っかかる。そのままの勢いで私は男達に引きずられていった。
離れていく私達を狼は、ただ見つめている。
唸り声を上げながらも、追いかけてくる事は無かった。
そんな狼の傍らには、離れていた精霊がいつの間にか戻って来て狼に何かを伝えている。
オアシスが見えなくなり、砂漠の砂の熱さが伝わってきて、首に食い込むロープが、私の意識を奪っていく。
(く……苦し……)
オアシスを離れても、男達は馬を掛けていく。男達は止まらなかった。私は意識が朦朧として何も考えられず、それでも男達が止まってくれる事を願っていた。
かなり、走っただろうか、馬が速度を落とし止まった。
「ゲホゲホ、ガハッ!…ハァハァ」
首にくい込んだロープに手を当て外す。
「よぉ、魔獣に襲われても生きてるたぁ幸運だったなぁ」
男に顎を掴まれ、上を向かされ、覗き込まれた。
「まさか、生きてるとは思わなかったが、生きててくれて助かったぜ。てめぇに死なれると金が手に入らねぇからよ」
手が離され、男達は再び馬に乗る。
「逃げられちゃ困るからよ」
馬に乗った男が命令すると、他の男達が、私をロープで縛り上げた。そして、男の乗る馬に荷物のように乗せられ、かなりの速度で駆け抜ける。
行き先はソルファレナ王国、王都ファイサルだろう。ここから、まだ距離がある。
「おいお前ら、この先の村で食料買ってこい!」
「へい、お頭」
男達は、離れていった。私達は掛けていく男達とは逆の方に走っていく。
「ふん、俺達が街に入るわけないだろうが」
この先で野宿だ、と男は言う。
村まで買いに行っていた男達が戻ってくると、野宿の準備を始めた。焚き火をし、食事を取り寝袋を用意し交代で休むようだ。
勿論、私に食事は無かったし、寝袋がある訳でもない。縛られたまま転がされていた。
流石に夜になると、少し寒い。
さっきのオアシスで水を飲んでて良かった。
眠れないまま朝を迎えた私を馬に乗せ、駆け出す。
王都ファイサルが見えてきた。
レンガを積み上げたような家々が建ち並び、奥には白を基調とした大きな宮殿が建っている。ここに住まう現国王は、民を第一に考え、民の安全を最優先に行動する賢王と言われていた。
街に入る前に、口の中に布を詰められ目隠しされ麻袋に入れられた。
「これ以上痛い目に会いたくなかったら、大人しくしてろ」
乱暴に馬に積まれ、街に入っていく。
荷物のように振る舞い、動かないよう気を付けた。でなければ、酷い目に合わされるのは分かっていたから。
馬の歩みが止まり、私を降ろす。
男はボソボソと誰かと話していて、私は担がれてどこかに運ばれていく。
ジャラジャラと音をさせ男が話し掛けてくる。
「じゃあな、可愛がってもらえよ」
と、男は笑いながら去っていった。
麻袋から出された私の前にいた男は、私を奴隷にした男よりさらに太っていて、下卑た笑いを浮かべ
「ほっほっほ、これは、良い買い物が出来ました。今日から楽しませて頂きましょうか」
と言ったのだ。
そして
「大丈夫ですよ、貴方の体には興味がありません。今日から、私の玩具として嬲ってあげます」
と言った。
私の本当の地獄は、ここから始まるのだ。
離れていく私達を狼は、ただ見つめている。
唸り声を上げながらも、追いかけてくる事は無かった。
そんな狼の傍らには、離れていた精霊がいつの間にか戻って来て狼に何かを伝えている。
オアシスが見えなくなり、砂漠の砂の熱さが伝わってきて、首に食い込むロープが、私の意識を奪っていく。
(く……苦し……)
オアシスを離れても、男達は馬を掛けていく。男達は止まらなかった。私は意識が朦朧として何も考えられず、それでも男達が止まってくれる事を願っていた。
かなり、走っただろうか、馬が速度を落とし止まった。
「ゲホゲホ、ガハッ!…ハァハァ」
首にくい込んだロープに手を当て外す。
「よぉ、魔獣に襲われても生きてるたぁ幸運だったなぁ」
男に顎を掴まれ、上を向かされ、覗き込まれた。
「まさか、生きてるとは思わなかったが、生きててくれて助かったぜ。てめぇに死なれると金が手に入らねぇからよ」
手が離され、男達は再び馬に乗る。
「逃げられちゃ困るからよ」
馬に乗った男が命令すると、他の男達が、私をロープで縛り上げた。そして、男の乗る馬に荷物のように乗せられ、かなりの速度で駆け抜ける。
行き先はソルファレナ王国、王都ファイサルだろう。ここから、まだ距離がある。
「おいお前ら、この先の村で食料買ってこい!」
「へい、お頭」
男達は、離れていった。私達は掛けていく男達とは逆の方に走っていく。
「ふん、俺達が街に入るわけないだろうが」
この先で野宿だ、と男は言う。
村まで買いに行っていた男達が戻ってくると、野宿の準備を始めた。焚き火をし、食事を取り寝袋を用意し交代で休むようだ。
勿論、私に食事は無かったし、寝袋がある訳でもない。縛られたまま転がされていた。
流石に夜になると、少し寒い。
さっきのオアシスで水を飲んでて良かった。
眠れないまま朝を迎えた私を馬に乗せ、駆け出す。
王都ファイサルが見えてきた。
レンガを積み上げたような家々が建ち並び、奥には白を基調とした大きな宮殿が建っている。ここに住まう現国王は、民を第一に考え、民の安全を最優先に行動する賢王と言われていた。
街に入る前に、口の中に布を詰められ目隠しされ麻袋に入れられた。
「これ以上痛い目に会いたくなかったら、大人しくしてろ」
乱暴に馬に積まれ、街に入っていく。
荷物のように振る舞い、動かないよう気を付けた。でなければ、酷い目に合わされるのは分かっていたから。
馬の歩みが止まり、私を降ろす。
男はボソボソと誰かと話していて、私は担がれてどこかに運ばれていく。
ジャラジャラと音をさせ男が話し掛けてくる。
「じゃあな、可愛がってもらえよ」
と、男は笑いながら去っていった。
麻袋から出された私の前にいた男は、私を奴隷にした男よりさらに太っていて、下卑た笑いを浮かべ
「ほっほっほ、これは、良い買い物が出来ました。今日から楽しませて頂きましょうか」
と言ったのだ。
そして
「大丈夫ですよ、貴方の体には興味がありません。今日から、私の玩具として嬲ってあげます」
と言った。
私の本当の地獄は、ここから始まるのだ。
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