ここは西の果て 恋する魔法姫は兄を身代わりに海を越える

原李子

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ここは西の果て 恋する魔法姫は兄を身代わりに海を越える

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 「…『融合』は、いまいち、かな。じゃ、解いて、『巨大化』…、いい感じ。で、この先に、『転送の樹』があるから…。」兄は姿はいいので、天使みたいに格好良くなるかと思ったが、鍛え方がなってないのでしまらなかった。
兄をなるべく早く帰宅させるべく、魔法を紡ぐ。普通なら、一月はかかるが、いろいろ組み合わせれば半日くらいでつく。かなり早い。私も急ぎの用事があるから。
 鏡で様子見しつつ思う。
 兄は、この国の、第二王子だが、兄なりの理由で、ルクスで働いている。私も兄が外に行くのは賛成だ。兄の見たもの聞いたものは、ときどき覗き見できる。
 しかし、兄にかけた、『目くらまし』に気が付くとは。リムは少々特殊かもしれない。
 そうこうしているうちに、兄とリムが、門前まできたようだ。知らせが来る。
 妹。それはこの世で一番恐ろしい存在。
 この国は、普通に大国。ウォール王国。小麦や羊毛の貿易をしている。表向きは。本当の繁栄理由は、妹。
 昔は、破壊力の大きい魔法を使うものもいた。けれど、今は治癒魔法くらいしか使えなくなった。何故か。
 争いが起こるたび、大規模な破壊が繰り返され、多くの犠牲者が出たため、神の怒りをかい、魔法は、四人の仙女に託された。
 北に住む仙女と南に住む仙女はどちらも永久凍土に住んでいる。東の仙女は砂漠に。いずれも人嫌いだ。
 そして西の"グリンダ”。世界の四分の一の魔法を預かる一人。
 他の仙女が、何百年も生きているのに対して、グリンダは普通の寿命だ。王国の始祖と恋に落ち、そのまま血に潜んでいく。力の強い姫君が”グリンダ”となり、加護を求めるもの、力を求めるものの話を聞き力をかす。
 この国に入るのも、入った後も、試される。戦争や侵略に力をかすことはない。丁重にお帰り頂く。
 妹は、二年前”グリンダ”を襲名した。もともと、第一王女で適齢期なので大変忙しかったが、より一層忙しく なった。自分の、帰宅用の魔法が、実験っぽかったのも、多分妹が楽しんでいるためだ。城から出られないし。
時々不思議な気配を感じるのも、妹がなんかしているのだろう。聞けないが。
 門前にたどり着く。そのまま中に行く。取り次いでもらい、中に行く。
一際豪華な部屋。嫌な予感がひしひしとする。
 「お帰りなさいませ。お兄様。そして、ようこそいらっしゃいました。リム殿。」にこやかに挨拶する。
 リムが、なんで僕の名前を、とか言ってる。
金髪碧眼で緑の古風なドレスを着た、非常に麗しい少女が、物騒な笑みを浮かべている。
知らない者なら騙されるだろうが、俺は騙されない。
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