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閑話 フローラ嬢と
ここは西の果て 恋する魔法姫は兄を身代わりに海を越える
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「ロミウス様、なぜあなたはロミウス様なのですか?」情感たっぷりに舞台女優が声を張る。
「ジュリエッタ、なぜ君はジュリエッタなんだ。」仮面を着けた怪しげな男がバルコニーから不法侵入しつつ叫ぶ。…叫ぶなよ、お互い。人が来るだろう。隣で目が溶けんばかりに泣くフローラ嬢に、リムがさりげなくハンカチを差し出す。ここは王都にあるグローブ座。いろいろ思い悩むこちらに、フローラ嬢が気晴らしを提案してきたのだ。
…なんか仮面の男と目があってしまう。男はにこりと微笑んだ。そこここで黄色い悲鳴があがる。人気者だな。
それより、こちらは細部が気になっていまいち話に入り込めない。なんとなく話が、前に友人其の一に渡した古詩の翻訳に似ている。
やがて、二人は墓の前にて結婚し、時間差で死を迎える。そこにいたるまでつっこみどころは満載だ。
「楽屋に行きましょう。」フローラ嬢は花束をもっている。
「…。」
楽屋前は大変混んでいた。その横を、大道具をもった男が通り過ぎ…。
「こっちだ。」とこちらの手を掴んで引いていく。
「え、あの、」フローラ嬢は気づかない。
男に連れられて、舞台の端にきた。そして、男は頭の布をとる。
「え?ヘンリー?」ヘンリーはニヤリと笑う。「グローブ座にようこそ。」…やはり。
「お前なにしてんだよ。」一応貴族だろうに。
「俺は、脚本書いて、主演男優やってる。ここは俺らが主催してる劇団なんだよ。王宮劇団ってね。」
「はあ…。」そうかもとは思ったけども。
「totus mundus agit histrionem 」ポツリと。そういうことか。
「世界は全て舞台ってか。」ヘンリーはじっと見てくる。
「そうだよ。」なんとなく顔が近い。
「グリンダ様!どちらにいらしてたのですか。」フローラ嬢は無事花束を渡せたようだ。パンフレットにサインをもらったと言っていた。
「素敵でしたわ。また行きたいですわ。」とはしゃいでいる。…こちらはそれどころではなかった。
「ジュリエッタ、なぜ君はジュリエッタなんだ。」仮面を着けた怪しげな男がバルコニーから不法侵入しつつ叫ぶ。…叫ぶなよ、お互い。人が来るだろう。隣で目が溶けんばかりに泣くフローラ嬢に、リムがさりげなくハンカチを差し出す。ここは王都にあるグローブ座。いろいろ思い悩むこちらに、フローラ嬢が気晴らしを提案してきたのだ。
…なんか仮面の男と目があってしまう。男はにこりと微笑んだ。そこここで黄色い悲鳴があがる。人気者だな。
それより、こちらは細部が気になっていまいち話に入り込めない。なんとなく話が、前に友人其の一に渡した古詩の翻訳に似ている。
やがて、二人は墓の前にて結婚し、時間差で死を迎える。そこにいたるまでつっこみどころは満載だ。
「楽屋に行きましょう。」フローラ嬢は花束をもっている。
「…。」
楽屋前は大変混んでいた。その横を、大道具をもった男が通り過ぎ…。
「こっちだ。」とこちらの手を掴んで引いていく。
「え、あの、」フローラ嬢は気づかない。
男に連れられて、舞台の端にきた。そして、男は頭の布をとる。
「え?ヘンリー?」ヘンリーはニヤリと笑う。「グローブ座にようこそ。」…やはり。
「お前なにしてんだよ。」一応貴族だろうに。
「俺は、脚本書いて、主演男優やってる。ここは俺らが主催してる劇団なんだよ。王宮劇団ってね。」
「はあ…。」そうかもとは思ったけども。
「totus mundus agit histrionem 」ポツリと。そういうことか。
「世界は全て舞台ってか。」ヘンリーはじっと見てくる。
「そうだよ。」なんとなく顔が近い。
「グリンダ様!どちらにいらしてたのですか。」フローラ嬢は無事花束を渡せたようだ。パンフレットにサインをもらったと言っていた。
「素敵でしたわ。また行きたいですわ。」とはしゃいでいる。…こちらはそれどころではなかった。
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