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繭
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「『嗅覚視覚化』……見える。フルード達がどの道を選んで進んだか。足の踏み込みも数も全部分かる」
頭の熱の冷え切らないまま、日暮れの森を突き進む。
魔法によって可視化された匂いが光のように俺を導いてくれる。
俺が殺すべき相手はこの先だと、匂いが強まる度に、刺激的に輝き俺を昂らせる。
殺してやる、絶対にだ。
「害虫は放置すると増え続けるんだよ。だから害虫は根絶やしにしないと」
プラムを助けに悪党の巣窟に突入した時の、シャルロの言葉が耳元で聞こえた。
そうだ、根絶やしだ。
歩けば歩く程に熱は高まっていく。
仇敵の匂いが燃料になり、俺の判断能力は失われていく。
しかし、頭は熱いのに腹の中は冷たいままだった。
「すまない……本当にすまなかった……」
どれだけ報復の念を燃やそうと、底にあるフィアへの罪悪感は散り積もるばかりだ。
後悔については散々心中で吐き捨てた筈なのに、懺悔が止めどなく溢れてくる。
異世界に転生して、スキルも力も積み上げて積み上げてきたのに、取り返しのつかない後悔ばかり、これじゃまるで無意味じゃないか。
フィアの事も、この前の聖との事だってそうだ。
プラムの誘拐の時だって大団円に持ち込めたのは、結局フィランジェット家の家族の絆だった。
迷宮でジョンに服毒させてしまったのも、俺の不注意じゃないか。
俺はこの世界に来て、何かを成し遂げられたのか?
森の木々の間を風が通り、ざわめいた。
宵闇が俺の心の隙間を抉っていく。
「報復だ。成さないと、報復を。こんな感情は全部精算してしまおう。俺の持ってる全てと一緒に壊れて消えてしまえ」
知らず知らずの内に俺の身体は元のドラゴンの姿になっていた。
「やり直そう。全部精算して【リセット】したい」
力が足りないのなら、決意が足りないのなら、経験が足りないのなら、最初からやり直せばいい。
ゲームでスキルツリーをリセットするように、レベルを1に戻して上げ直す転生のように。
そうすれば余剰魔力だって貰える。
前世が今世になったみたいに。
「『天業合成』俺の全てのスキルを、合成する」
最初から1つずつ。
生まれた時から今までの全てを。
『竜魔術』『爪牙術』これは生まれた時に持っていたスキル。
『剣術』『魔工熟練』『棒術』『はめ込み』『減音』これは樹海で合成したスキル。
『腐食魔法』これは聖達と戦って、進化して手に入れたスキル。
『静電気』『湿潤魔術』『土耐性』これは王都で得た経験を合成したスキル。
『属性魔法・火水風土』『魔力操作』『魔力返還』『魔力吸収』『無詠唱』これはマリーにつけられたキツい修行で手に入れたスキル。
『狩猟術』『俊足』これはフィアと一緒に山の中を駆け回って手に入れたスキル。
『天業合成』では合成できないユニークスキル以外の全てをバラして組み合わせて。
最後の1つになるまで、廻していく。
俺が生まれてここで生きて、積まれた経験が消えていくーー。
いや、1つになっていく。
そして。
「これは……これも合成してしまおう」
得体の知れない『欲望の繭』に手を出した。
合成が始まり、何度も繰り返したあの感覚が再生される。
2つの力が抜け落ち、そして少しの間隙の後、新しい力が――。
「来ない」
何だこれは?
今までこんな事はなかった。
『天業合成』によってスキルが消失し、そして1秒にも満たない時間。
長くとも短くともなく、ピッタリ一定の時間の後、新しい力を得る。
そのはずだ。
そのはずが、力がいつまで経っても戻ってこない。
むしろこれは。
「力が、【余剰魔力】が吸われている? ――ステータスッ!」
焦燥のままに叫び、ひたすら前に進んでいた足を止める。
叫びに応えて、この世の法則の1つ、ステータス画面が広がる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ヒト■リ
種■:■タ・イヴィ■ド■■ン
称号:孤独■者 群れ■主 ■■喰い
ユニ■クス■ル:■業■成 異■■瞳 飛■推■
■■■:欲望の繭
―――――――――――――――――――――――――――――――――
『欲望の繭』は消えていなかった。
それどころか、どういった訳か爛々とドス黒く輝き根を生やす様に俺のステータス画面を侵食していく。
演出。
その2文字が頭に浮かんだが、すぐに消え去った。
あり得ない。
これは法則なんだ。
【天瞳猿】という種族によって管理されてるとはいえ、その根幹は世界に刻み付けられた揺るがないルール。
ゲームの運営の様に、茶目っ気を出したりはしない。
こうなるのには理由があるはずだ。
何が起きている?
いや、これは見たままに侵食。
ステータス画面はあくまで、情報の視覚化。
起きている事象はそのままの意味で捉えるべきだ。
『欲望の繭』を中心とした、浸食。
つまり喰われているのだ。
俺の魂に存在するスキル『欲望の繭』が、魂の枠組みから溢れ出している。
俺のユニークスキルも、世界に存在する証拠も、種族も名前ですらも食い始めている。
宿主の体を作り変えて奪おうとしている。
さながらそれは自己増殖できないウイルスの様に。
それ単体では外界に力を及ばせないので、代わりに俺の体を使おうというのだ。
くっ……。
どうすればいい。
これ以上浸食しない様に
もう【余剰魔力】をコントロールするための『魔力操作』も『欲望の繭』の中だ。
「欲望を抑えろ。……ドラゴンであるお前には酷だ。しかし、出来ねば欲に呑まれるぞ」
里を出る直前にオーラに言われた言葉が、リフレインした。
「欲に呑まれるってこういう事なのか? 俺はもっと精神的な物だと考えて……こんな物理的な攻撃を仕掛けてくるなんて思わないだろ、普通!」
溢れる怒りを木々にぶつけて解消する。
こんな事したって何の解決にもならない。
そうこうしている内に、『欲望の繭』による浸食はステータス全面を覆っていた。
「あ……」
そしてついに浸食は俺の体にも現れ始めた。
鱗の隙間からインクが染み出す様に溢れ、俺の体を覆っていく。
鋭い爪を、巨大な尾を、広げられた翼までをも覆い隠していく。
俺は全力で抵抗した。
魔法をそこら中に撃ち、ブレスを吐き、暴れた。
それでも黒いモヤは止まらず、やがて繭の様に俺の体を包み込んだ。
頭の熱の冷え切らないまま、日暮れの森を突き進む。
魔法によって可視化された匂いが光のように俺を導いてくれる。
俺が殺すべき相手はこの先だと、匂いが強まる度に、刺激的に輝き俺を昂らせる。
殺してやる、絶対にだ。
「害虫は放置すると増え続けるんだよ。だから害虫は根絶やしにしないと」
プラムを助けに悪党の巣窟に突入した時の、シャルロの言葉が耳元で聞こえた。
そうだ、根絶やしだ。
歩けば歩く程に熱は高まっていく。
仇敵の匂いが燃料になり、俺の判断能力は失われていく。
しかし、頭は熱いのに腹の中は冷たいままだった。
「すまない……本当にすまなかった……」
どれだけ報復の念を燃やそうと、底にあるフィアへの罪悪感は散り積もるばかりだ。
後悔については散々心中で吐き捨てた筈なのに、懺悔が止めどなく溢れてくる。
異世界に転生して、スキルも力も積み上げて積み上げてきたのに、取り返しのつかない後悔ばかり、これじゃまるで無意味じゃないか。
フィアの事も、この前の聖との事だってそうだ。
プラムの誘拐の時だって大団円に持ち込めたのは、結局フィランジェット家の家族の絆だった。
迷宮でジョンに服毒させてしまったのも、俺の不注意じゃないか。
俺はこの世界に来て、何かを成し遂げられたのか?
森の木々の間を風が通り、ざわめいた。
宵闇が俺の心の隙間を抉っていく。
「報復だ。成さないと、報復を。こんな感情は全部精算してしまおう。俺の持ってる全てと一緒に壊れて消えてしまえ」
知らず知らずの内に俺の身体は元のドラゴンの姿になっていた。
「やり直そう。全部精算して【リセット】したい」
力が足りないのなら、決意が足りないのなら、経験が足りないのなら、最初からやり直せばいい。
ゲームでスキルツリーをリセットするように、レベルを1に戻して上げ直す転生のように。
そうすれば余剰魔力だって貰える。
前世が今世になったみたいに。
「『天業合成』俺の全てのスキルを、合成する」
最初から1つずつ。
生まれた時から今までの全てを。
『竜魔術』『爪牙術』これは生まれた時に持っていたスキル。
『剣術』『魔工熟練』『棒術』『はめ込み』『減音』これは樹海で合成したスキル。
『腐食魔法』これは聖達と戦って、進化して手に入れたスキル。
『静電気』『湿潤魔術』『土耐性』これは王都で得た経験を合成したスキル。
『属性魔法・火水風土』『魔力操作』『魔力返還』『魔力吸収』『無詠唱』これはマリーにつけられたキツい修行で手に入れたスキル。
『狩猟術』『俊足』これはフィアと一緒に山の中を駆け回って手に入れたスキル。
『天業合成』では合成できないユニークスキル以外の全てをバラして組み合わせて。
最後の1つになるまで、廻していく。
俺が生まれてここで生きて、積まれた経験が消えていくーー。
いや、1つになっていく。
そして。
「これは……これも合成してしまおう」
得体の知れない『欲望の繭』に手を出した。
合成が始まり、何度も繰り返したあの感覚が再生される。
2つの力が抜け落ち、そして少しの間隙の後、新しい力が――。
「来ない」
何だこれは?
今までこんな事はなかった。
『天業合成』によってスキルが消失し、そして1秒にも満たない時間。
長くとも短くともなく、ピッタリ一定の時間の後、新しい力を得る。
そのはずだ。
そのはずが、力がいつまで経っても戻ってこない。
むしろこれは。
「力が、【余剰魔力】が吸われている? ――ステータスッ!」
焦燥のままに叫び、ひたすら前に進んでいた足を止める。
叫びに応えて、この世の法則の1つ、ステータス画面が広がる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ヒト■リ
種■:■タ・イヴィ■ド■■ン
称号:孤独■者 群れ■主 ■■喰い
ユニ■クス■ル:■業■成 異■■瞳 飛■推■
■■■:欲望の繭
―――――――――――――――――――――――――――――――――
『欲望の繭』は消えていなかった。
それどころか、どういった訳か爛々とドス黒く輝き根を生やす様に俺のステータス画面を侵食していく。
演出。
その2文字が頭に浮かんだが、すぐに消え去った。
あり得ない。
これは法則なんだ。
【天瞳猿】という種族によって管理されてるとはいえ、その根幹は世界に刻み付けられた揺るがないルール。
ゲームの運営の様に、茶目っ気を出したりはしない。
こうなるのには理由があるはずだ。
何が起きている?
いや、これは見たままに侵食。
ステータス画面はあくまで、情報の視覚化。
起きている事象はそのままの意味で捉えるべきだ。
『欲望の繭』を中心とした、浸食。
つまり喰われているのだ。
俺の魂に存在するスキル『欲望の繭』が、魂の枠組みから溢れ出している。
俺のユニークスキルも、世界に存在する証拠も、種族も名前ですらも食い始めている。
宿主の体を作り変えて奪おうとしている。
さながらそれは自己増殖できないウイルスの様に。
それ単体では外界に力を及ばせないので、代わりに俺の体を使おうというのだ。
くっ……。
どうすればいい。
これ以上浸食しない様に
もう【余剰魔力】をコントロールするための『魔力操作』も『欲望の繭』の中だ。
「欲望を抑えろ。……ドラゴンであるお前には酷だ。しかし、出来ねば欲に呑まれるぞ」
里を出る直前にオーラに言われた言葉が、リフレインした。
「欲に呑まれるってこういう事なのか? 俺はもっと精神的な物だと考えて……こんな物理的な攻撃を仕掛けてくるなんて思わないだろ、普通!」
溢れる怒りを木々にぶつけて解消する。
こんな事したって何の解決にもならない。
そうこうしている内に、『欲望の繭』による浸食はステータス全面を覆っていた。
「あ……」
そしてついに浸食は俺の体にも現れ始めた。
鱗の隙間からインクが染み出す様に溢れ、俺の体を覆っていく。
鋭い爪を、巨大な尾を、広げられた翼までをも覆い隠していく。
俺は全力で抵抗した。
魔法をそこら中に撃ち、ブレスを吐き、暴れた。
それでも黒いモヤは止まらず、やがて繭の様に俺の体を包み込んだ。
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