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15話 似て非なる者
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ミロは崩れた瓦礫の中から植物を出し、長髪の青年に向けて攻撃を仕掛ける。相手の裏を取った攻撃で相手の注意を引く。手足を縛り上げるとアオは氷を出現させて投射する。
しかし、青年に当たることはなかった。
高速で飛んでいった氷は全て消えたのだ。
それどころかミロの植物も全て燃えている。
腕には暗く染まった朱色のような悲惨な炎が激しく燃えている。まるで血のようだ。それもアカとは違い、生々しく暗い色だ。
「お前らと同じで色持ちだ。イメージを実際の効果にする能力がある。俺の周りはどんな物でも焼けて灰になる。どんな攻撃も無駄だ。さあ、今度はこっちの番だ。」
青年はこちらに近づいてくる。
一歩ずつ近づいてくる。ミロが瞬きをした時、間合いまで詰められていた。ミロは急いで種を青年の前でまいた。
明らかに速い。種は急成長して大きな植物に変化する。
青年は拳を前に突き出した。
するととんでもないスピードで燃えてなくなる。
「…ッ!!」
(避けきれない…ッ!)
ミロは態勢を崩したがすぐにアオがサポートに入る。
「水の力をここに還元する。」
青年の拳はミロに近づくたび急速に速度を落としていく。
ミロは後ろに転がるように回避した。
「クソッ。助けれちまった。……悪いな。」
「あぁ…問題ない。やれるか?」
アオが手を差し出したのでミロは手を振り払った。
「当然だろうが…。」
ミロは立ち上がり冷静に分析した。
「あいつ……近距離に特化してやがる。あいつのイメージは身体の近くでしか発動しない。遠くからの攻撃ならなんとかなるはずだ。もしくは……。」
「了解。こちらの得意分野だ。時間を稼いでくれ…。いい案がある。」
ミロは青年に向かって球を投げる。
青年は灼熱の腕でそれを振り払った。
すると弾けて大きく煙を出した。ビルの中に黄色い煙が広がる。
「目眩ましで近づけさせないってことか。確かにいい案だけどさ、空気の流れでなんとなく分かるんだよなッ!」
青年は微妙な空気の流れを感知して進んでくる。実戦に慣れている戦闘集団のエリートだからだろう。
「ほら、居場所なんてすぐにわかるんだよッ!」
目の前にいる人間を殴りかかる。速度は変わらない。高速の拳が顔に向かって突き進む。
しかし、素手で掴まれてしまう。
「ッ!?……何だと…す…素手で止めた!?」
そこにいたのはアオだった。
「………ッ!」
アオは無言で殴り続ける。青年の顔は鼻血がでて少し、崩れた。そして、溝内に蹴りを入れてダウンさせた。
「………なぜ俺の炎が……。」
青年は息苦しさを感じた。激しい戦闘とはいえ、なぜここまで苦しいのか。
「教えてやるよ。……もう能力は解除したから息は苦しくないはずだ。俺は空気をイジった。どうやら空気は空と一緒で青いイメージが強いようだ。俺の半径5メートルの範囲で酸素濃度を下げた。そうすれば炎はエネルギーである酸素を使えなくなり消える。簡単だろ?お前は拘束して敵の居場所を吐いてもらう。」
青年はミロが気絶させるとミロの作り出した黄金の手錠にかけられた。
「………。あとは色喰いの化け物だけか。」
すると後ろからコツコツと歩いてくる人影。
「ちょっと遅かったみたい。先に戦っても仕方ないってあれだけ言ったのに……。私と貴方で最強でしょう?……って気絶してるのね。じゃあ頑張って起こさないと……。」
「……誰だ。お前もコイツ仲間なのか?」
アオは質問した。
すると、顔が見えた時ちょっとした違和感を感じた。
「あ……か……さん?……いや違う……何だこの違和感は……。」
「私は乙女……それとその人は朱殷(しゅあん)。二人で最強。同じ色持ちでもこんなにも似ている色持ちは珍しいでしょ?もしかしたら、そこの瀕死のお姉さんも似ている技を持っているのかな?特に身体に色が出ている訳ではないみたいだけど……。もしかして、弱いのかしら?……だとしたらごめんなさい。こんなにも痛めつけちゃって……。」
悪気はないようだが余計にムカつく言い方だ。
「もう一度言ってみろ…。その口、俺が引き裂いてやるよ。」
アオは本気でキレている。ぷっつんしているのだ。
アカも顔色が良くなってきている。シンも身構えている。
「そんなに言うのならやりましょうか?私は十分回復しました。相方が捕まっているのにどうやって戦うつもり?」
アカは立ち上がり、赤色のナイフを取り出す。
「私は朱殷とは違う。それだけは伝えておくわね。」
お互いに睨み合う。
シンは違う世界を見ていた。
それはこの場にいる人間には比較出来ない色の違いに彼だけは気がついていた。
しかし、青年に当たることはなかった。
高速で飛んでいった氷は全て消えたのだ。
それどころかミロの植物も全て燃えている。
腕には暗く染まった朱色のような悲惨な炎が激しく燃えている。まるで血のようだ。それもアカとは違い、生々しく暗い色だ。
「お前らと同じで色持ちだ。イメージを実際の効果にする能力がある。俺の周りはどんな物でも焼けて灰になる。どんな攻撃も無駄だ。さあ、今度はこっちの番だ。」
青年はこちらに近づいてくる。
一歩ずつ近づいてくる。ミロが瞬きをした時、間合いまで詰められていた。ミロは急いで種を青年の前でまいた。
明らかに速い。種は急成長して大きな植物に変化する。
青年は拳を前に突き出した。
するととんでもないスピードで燃えてなくなる。
「…ッ!!」
(避けきれない…ッ!)
ミロは態勢を崩したがすぐにアオがサポートに入る。
「水の力をここに還元する。」
青年の拳はミロに近づくたび急速に速度を落としていく。
ミロは後ろに転がるように回避した。
「クソッ。助けれちまった。……悪いな。」
「あぁ…問題ない。やれるか?」
アオが手を差し出したのでミロは手を振り払った。
「当然だろうが…。」
ミロは立ち上がり冷静に分析した。
「あいつ……近距離に特化してやがる。あいつのイメージは身体の近くでしか発動しない。遠くからの攻撃ならなんとかなるはずだ。もしくは……。」
「了解。こちらの得意分野だ。時間を稼いでくれ…。いい案がある。」
ミロは青年に向かって球を投げる。
青年は灼熱の腕でそれを振り払った。
すると弾けて大きく煙を出した。ビルの中に黄色い煙が広がる。
「目眩ましで近づけさせないってことか。確かにいい案だけどさ、空気の流れでなんとなく分かるんだよなッ!」
青年は微妙な空気の流れを感知して進んでくる。実戦に慣れている戦闘集団のエリートだからだろう。
「ほら、居場所なんてすぐにわかるんだよッ!」
目の前にいる人間を殴りかかる。速度は変わらない。高速の拳が顔に向かって突き進む。
しかし、素手で掴まれてしまう。
「ッ!?……何だと…す…素手で止めた!?」
そこにいたのはアオだった。
「………ッ!」
アオは無言で殴り続ける。青年の顔は鼻血がでて少し、崩れた。そして、溝内に蹴りを入れてダウンさせた。
「………なぜ俺の炎が……。」
青年は息苦しさを感じた。激しい戦闘とはいえ、なぜここまで苦しいのか。
「教えてやるよ。……もう能力は解除したから息は苦しくないはずだ。俺は空気をイジった。どうやら空気は空と一緒で青いイメージが強いようだ。俺の半径5メートルの範囲で酸素濃度を下げた。そうすれば炎はエネルギーである酸素を使えなくなり消える。簡単だろ?お前は拘束して敵の居場所を吐いてもらう。」
青年はミロが気絶させるとミロの作り出した黄金の手錠にかけられた。
「………。あとは色喰いの化け物だけか。」
すると後ろからコツコツと歩いてくる人影。
「ちょっと遅かったみたい。先に戦っても仕方ないってあれだけ言ったのに……。私と貴方で最強でしょう?……って気絶してるのね。じゃあ頑張って起こさないと……。」
「……誰だ。お前もコイツ仲間なのか?」
アオは質問した。
すると、顔が見えた時ちょっとした違和感を感じた。
「あ……か……さん?……いや違う……何だこの違和感は……。」
「私は乙女……それとその人は朱殷(しゅあん)。二人で最強。同じ色持ちでもこんなにも似ている色持ちは珍しいでしょ?もしかしたら、そこの瀕死のお姉さんも似ている技を持っているのかな?特に身体に色が出ている訳ではないみたいだけど……。もしかして、弱いのかしら?……だとしたらごめんなさい。こんなにも痛めつけちゃって……。」
悪気はないようだが余計にムカつく言い方だ。
「もう一度言ってみろ…。その口、俺が引き裂いてやるよ。」
アオは本気でキレている。ぷっつんしているのだ。
アカも顔色が良くなってきている。シンも身構えている。
「そんなに言うのならやりましょうか?私は十分回復しました。相方が捕まっているのにどうやって戦うつもり?」
アカは立ち上がり、赤色のナイフを取り出す。
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