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695. 王都再び3
王都の城門をくぐり、誠一たちは一旦、
各々の屋敷へ戻っていった。
ヴェルはアミラとスケードを連れて、
エンゲルス家へ戻っていった。
剣豪は定宿に向かうようだった。
「ねえ、マリ。あなた、どうするの?
もし良ければ、モリス家の客間を使って貰っても
大丈夫だけど?」
誠一が言おうかどうしようか考えている内に
シエンナが提案した。
「その申し出は有難いが、今回はサリナと同じ宿を
紹介して貰うことになっているから、大丈夫だ」
誠一とシエンナは顔を見合わせた。
その胸の内は同じだった。
サリナとマリアンヌを二人にして大丈夫なのだろうか。
道中も左程、仲良くしているようには見えなかった。
2人の会話は、最低限の挨拶程度であった。
わだかまりが氷解しているようには感じられなかった。
「アルフレート、心配するな」
「そうそう、アルフレート、気にしなくてもいいよ。
子供じゃないし」
サリナの屈託ない表情を見た誠一とシエンナは納得して、
各々の屋敷に向かった。
サリナとマリアンヌは二人が人混みに消えるまで
その場で見送った。
「さてと、どういうつもりかな、サリナ」
「いつまでもあんたに卑屈に接していてもしかないでしょ。
それに一々、誠一が気にしてない感じを装って、
気を回して、うざったいったらないでしょ」
不貞腐れたような表情のサリナを見るとマリアンヌが笑った。
「そうかそうか!それもそうだな。
クランのリーダーがああでは困るな。
そうだな、ならば親睦を深めるために
今晩は酒を呑み交わすか。では宿に向かうぞ」
マリアンヌは右腕をサリナの肩に回して引き寄せた。
「ぐっ苦しい」
「よし向かうぞ。早く宿まで案内しろ」
若干、腕の力を弱めたマリアンヌだった。
「ちょっと、少し離れなさいって。
めちゃくちゃ目立っているし」
「わははは、気にするな。慣れろ。
どうせあの金髪の坊やの元にいるならば、
否が応でも注目されることになるだろ」
愉快そうなマリアンヌに眉間に皺をよせるサリナ。
二人の美人が絡みながら歩く姿は
街往く人々の奇異の視線を集めていた。
その視線を堂々と受け止めるマリアンヌ、
その視線に狼狽するサリナ。
あくまでも対照的な二人だった。
誠一は皆と別れて、エスターライヒ家の屋敷に向かった。
街に賑わいは戻り始めているようだった。
治安はいまだに安定せず、国土は反乱軍に侵食されていた。
ただヴェルトール王国の国情は小康を保っており、
乱世の束の間の平穏を享受していた。
それは、仮初めの平和であっても市井の人々の笑顔を
取り戻すには十分であった。
各々の屋敷へ戻っていった。
ヴェルはアミラとスケードを連れて、
エンゲルス家へ戻っていった。
剣豪は定宿に向かうようだった。
「ねえ、マリ。あなた、どうするの?
もし良ければ、モリス家の客間を使って貰っても
大丈夫だけど?」
誠一が言おうかどうしようか考えている内に
シエンナが提案した。
「その申し出は有難いが、今回はサリナと同じ宿を
紹介して貰うことになっているから、大丈夫だ」
誠一とシエンナは顔を見合わせた。
その胸の内は同じだった。
サリナとマリアンヌを二人にして大丈夫なのだろうか。
道中も左程、仲良くしているようには見えなかった。
2人の会話は、最低限の挨拶程度であった。
わだかまりが氷解しているようには感じられなかった。
「アルフレート、心配するな」
「そうそう、アルフレート、気にしなくてもいいよ。
子供じゃないし」
サリナの屈託ない表情を見た誠一とシエンナは納得して、
各々の屋敷に向かった。
サリナとマリアンヌは二人が人混みに消えるまで
その場で見送った。
「さてと、どういうつもりかな、サリナ」
「いつまでもあんたに卑屈に接していてもしかないでしょ。
それに一々、誠一が気にしてない感じを装って、
気を回して、うざったいったらないでしょ」
不貞腐れたような表情のサリナを見るとマリアンヌが笑った。
「そうかそうか!それもそうだな。
クランのリーダーがああでは困るな。
そうだな、ならば親睦を深めるために
今晩は酒を呑み交わすか。では宿に向かうぞ」
マリアンヌは右腕をサリナの肩に回して引き寄せた。
「ぐっ苦しい」
「よし向かうぞ。早く宿まで案内しろ」
若干、腕の力を弱めたマリアンヌだった。
「ちょっと、少し離れなさいって。
めちゃくちゃ目立っているし」
「わははは、気にするな。慣れろ。
どうせあの金髪の坊やの元にいるならば、
否が応でも注目されることになるだろ」
愉快そうなマリアンヌに眉間に皺をよせるサリナ。
二人の美人が絡みながら歩く姿は
街往く人々の奇異の視線を集めていた。
その視線を堂々と受け止めるマリアンヌ、
その視線に狼狽するサリナ。
あくまでも対照的な二人だった。
誠一は皆と別れて、エスターライヒ家の屋敷に向かった。
街に賑わいは戻り始めているようだった。
治安はいまだに安定せず、国土は反乱軍に侵食されていた。
ただヴェルトール王国の国情は小康を保っており、
乱世の束の間の平穏を享受していた。
それは、仮初めの平和であっても市井の人々の笑顔を
取り戻すには十分であった。
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