転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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696.気持ち1

流石はエスターライヒ家の門番だと誠一は感心した。
特に誰も見ていないにも関わらず門番に立つ兵は
直立不動の態を保っていた。
無論、これは現当主アーロンがつい最近まで
逗留していたことと次期当主ラムデールが
逗留しているからであった。

 門番と誠一は目があった。門番は最敬礼で誠一を出迎えた。
「アルフレート様、お帰りなさいませ」

「久しぶりですね。
お手数をかけますが、ミシャに戻ったことを
伝えてください。
それと暫く逗留することもお願いします」

誠一は門番にそう伝えると、以前、使っていた部屋に向かった。

「やあ、ミシャ。父上が領地に戻って、のびのびとしているな」
屋敷の大広間に直立不動の態で誠一を迎えたミシャに声をかけた。

「アルフレート様、お戯れを。
このミシャ、いつ何時もエスターライヒ家のために
尽くす所存でございます」
表情、態度を一切崩さずにミシャが返答した。

「部屋はそのままにしてあるな?」

「アーロン様よりお達しがございました。
アルフレート様の私室としてお使いください」

「そうか、父上がそう言ったか。わかった。
不在時は、定期的に空気の入れ替えと掃除を頼む。
盗み読みされて困るモノもないしな」
慇懃な態度のミシャに鷹揚に答える誠一だった。
以前の彼との確執と侮蔑への意趣返しのつもりで
尊大な態度を取った誠一だった。
しかし、内心はどうであれミシャの表情と態度を
崩すことはできなかった。
「アルフレート様、お戯れはその位にして頂きまして、
お夕食になさいますか?」
内心を容易に見透かされた誠一は、
逆にあたふたと慌ててしまった。

「いやあの夕食はいいです。
少し落ち着いたら、外出してきます」
そう言い残し、誠一は足早にこの場を去った。
ミシャは誠一の目に映らずとも完璧な礼儀作法に
則って誠一に向かって一礼をした。

 誠一は荷物を部屋に降ろすと、身体を拭い、服を着替えた。
そして、すぐさま魔術院に向かった。
魔術院に到着すると、誠一の足は最上階の学院長室と
真逆の地下に向かっていた。

螺旋階段を降り、一つの扉を押し開けた。
その部屋の床には魔術陣が施されていた。
誠一は陣の中央に立ち、魔術を唱えると、
蒼白い光が彼を包んだ。

誠一は『深淵の廻廊』の最深部、
クリスタルの森に転移した。

瞳を開いた誠一は咄嗟に7面メイスを構えた。
誰もいなければ、揺らぐことのない空気が
激しく渦巻いていた。
隠そうともしない烈気は誠一ならずとも
容易に感じられほどであった。
今、この場にいるのがファウスティノや
剣豪鬼谷でないことは一目瞭然であった。
この最上級の迷宮は、継承者とその者に
認められた人物しか知らない筈であった。
誠一はここを知る人物に心当たりがなかった。
そのため、武器を構えて、警戒した。

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