転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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839. 城内侵入7

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「多分、最初にディプレが入室したことを
把握しているし、彼が何かを壊したと判断して、
2人ほどで兵士が確認に来るだろうね。
それより逃亡を図ったディプレを捕獲しよう」

ディプレを直ぐに追ったサリナの方へ
誠一たちは動き始めた。
直ぐに追いついた誠一たちにディプレと
サリナの声が聞えてきた。

「ちょっとあんた、人を捨てる気。
やめときなよ、後悔するよ」

「貴様ら世間の底辺、ならず者の
冒険者どもが俺を語るな」

ディプレの左手には禍々しい装丁とオーラを
放っている本が握られていた。

「お前らここで終いだ。
後方はジェミロ様の警備隊が塞ぎ、
目の前では俺様が貴様らを弄り殺す。
儂の王国を潰した罪をここで清算してもらう。
皆殺しだ」

右手でディプレは、大量の魔石を握った。
魔石は輝きを失いその辺に転がっている石の様になった。

「ふしゅうう、はあはあ、うぼろろろおぅ」
ディプレの上半身から深い紫の触手が
無数に這い出てきた。
頭部がまっぷつに割れ首が伸び、
互いに別々の意思を持つように揺ら揺らと宙を蠢いた。
両脚は膨張し、アミラの胴回りほどの太さとなった。
装備していた鉄の鎧はばらばらに砕けて、
床に転がった。ディプレは真っ裸になった。

 もはや人が理解できる声はディプレから
聞こえることはなかった。

誠一が一歩前に踏み出した。
ディプレはびくりとして一歩退いた。

誠一がまた一歩前に踏み出した。
ディプレは同様にびくりとして一歩退いた。

同様の事が何度も続くと、ディプレは壁際に
追い詰められた。

 宙を漂うディプレの両顔には汗が滴っていた。
触手はぶるぶると震えていた。

「ふん、面白くない。
姿形が変わろうとも魂の根源に刻まれた恐怖が
消えることはなかったか。
おい、アルフレート。
さっさとそんな小物、倒してしまえ」

マリアンヌはディプレには興味無さそうであった。
代わりに禁書庫の書物へ視線が向かっていた。

「それもそうですな。
これはアルフレート様が後始末すべきでしょうな」
既に剣豪は需要があり高値で売れそうな本を
漁り始めていた。剣豪の手は、刀すら握っていなかった。

「はああっ、まあ、あの二人はまったく。
仕方ないけど、アル、私たちでやるしかないわね。
サリナ、悪いけど後方に敵が来たら、時間稼ぎよろしく。
私も援護するから」
キャロリーヌが2人へ聞こえよがしに言うと、弓を番えた。


「アル、あのまったりとしている二人は
気にせずにディプレに集中しましょう。
水牢郭」

ディプレは水の牢に囚われた。
すると誠一の両脇からヴェルとアミラが突出した。
「よくやったシエンナ!
タイミングを合わせて、牢を解除しろよ」

「行きます!ヴェルに合わせるです」

ぴっきぴきぴき、水で形成された牢にひびが入った。
そして、ガラス細工のように砕け散った。

ヴェルとアミラはディプレの触手に弾き飛ばされた。
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