6 / 31
第一部
06.トースト
しおりを挟む
朝目が覚めて、ぼんやりと天井を見上げる。
航の夢を見たが正夢なのだろうか。とりあえず今日はATMに寄ろう。
生活費だと言っていたから百万くらい入っているだろうか。いや流石にそんなに無いか。
まあいい。スマートフォンを手にとってアラームが鳴る五分前だと気づく。
アラームを切って体を起こす。うーんと伸びをしてカーテンを開けた。
あー今日もいい天気だ。勝臣はそう思いながらベッドを降りた。
寝室を出るとリビングのソファベッドの上でセレスティノがぐーすがと寝ていた。
あーあ、リラックスしちまって。そう思いながら勝臣はくすぐったい気持ちになった。
それだけセレスティノがこころを許してくれている証のようでなんだかくすぐったい。
まあそれを言うなら自分も爆睡してたんだけどな、と思う。いやいやあれは航の夢を見ていたからだなんて言い訳をして。
「……」
そっとベッドサイドに腰掛けて、その寝顔を見下ろす。さらさらの黒髪が一筋唇に引っかかっている。
くくっと笑って指先でそれを払ってやるともにゃもにゃとなにか言いながら目蓋が震えた。
「おはよう、ディーノ」
「あー……おはよう、兄さん」
一瞬その視線が戸惑ったがすぐに昨日のことを思い出したのだろう、ふにゃっと笑った。
ここで誰?と言われたら傷つく自信が勝臣にはあった。ただ、なぜそんなことで傷つくのかは分からなかった。
深くは考えず勝臣は立ち上がると朝飯はパンでいいか、と聞いた。
「うん、いいよ」
「んじゃ、まずは歯ァ磨いてくっか」
「うーい」
狭い洗面所でふたり並んで歯を磨いて顔を洗う。別にふたり同時じゃなくていいのになんだかそうするのが楽しかった。勝臣には兄弟がいないからだろうか。こういう些細なふれあいが楽しい。
着替えは後回しにしてキッチンに立つ。
四つ切の食パンを二枚トースターに放り込んで電気ケトルで湯を沸かす。
ふたつしかないカフェオレボウルを取り出してそこにコーンスープの素を入れる。
「それはなに?」
「コーンスープの素だよ。これに湯を注ぐとコーンスープができるんだ」
「お湯入れるだけで?」
「そう」
「すごくない?」
勝臣はふはっと笑うとすごいよな、とまた笑った。
セレスティノといると、当たり前のことだと思っていたことが本当は凄いことなんだと思い出させてくれる。
パンが焼けるより早く湯が湧いてそれをカフェオレボウルに注いだ。
「くるくるってかき混ぜる」
スプーンを渡すとセレスティノが言われた通りくるくるっとかき混ぜる。
とたんにとろみが出てきて完成したコーンスープにセレスティノは感動していた。
「すごい!」
「はは!じゃあテーブルに持って行ってくれ」
「あいさ!」
セレスティノがカフェオレボウルをふたつ持っていくと同時にトースターが鳴った。
皿に焼き上がったトーストを乗せて冷蔵庫からマーガリンとジャムを取り出す。
「ディーノ、これも持ってって」
「あい」
トーストの皿を渡してバターナイフとスプーンを取り出すとローテーブルに向かった。
「うちにバターなんて高級なもんはないからマーガリンで我慢してくれ。ジャムはイチゴとマーマレード」
「ん」
そしていただきますと手を合わせてそれぞれトーストを手に取る。
勝臣はマーガリンを塗ってからイチゴジャムを塗ってかぶりついた。セレスティノはマーマレードを塗ってかぶりつく。
さくくっとした表面にマーガリンが染み込んで歯を入れるとじゅわっとあふれる。マーガリンの塩気とイチゴジャムの甘さが絶妙にマッチして勝臣を幸せな気分にさせた。ただ焼いて塗っただけなのに。くそう、なんだか悔しい。
「うまーい」
ほにゃーと顔を綻ばせるセレスティノにふっと笑いがこみ上げる。
「ディーノはなんのジャムが好きなんだ?」
「えー、母上がよく作ってくれたリンゴシナモン」
「へえ。リンゴシナモンなら売ってるから買ってみるか。お前の母さんのより美味しくないかもだけど」
「うん、こっちの世界のも食べてみたいな」
そんなことを話しながら簡単な朝食を済ませてふたりで洗い物をして。
「ねえ、服ってどれ着れば良いの?」
そんなことを聞いてくるセレスティノに昨日買ったシャツとジーンズを合わせてやって。
「さ、暑くならないうちに出かけるぞ」
ふたりはとりあえずマンションの前のコンビニに行った。夢の真偽を確かめるためにATMを操作する。
「は?!」
残高を見て固まった。昨日より一千万円増えている。
やりすぎだろ、と思ったがしかしセレスティノがいつ頃働けるようになるか分からないことを思えばこれは有り難く頂いておくべきだろう。勝臣は割り切ることにした。
コンビニを出てうわあと思いながら駅に向かう。
最寄駅に隣接している携帯電話ショップへと向かった。
勝臣の名義でもう一台スマートフォンを契約してとりあえずセレスティノに持たせる。セレスティノは物珍しげにしながらショルダーバッグにそれをしまった。
手続きで時間を食ってしまい、気づけば昼だ。
コンコースに隣接している食べ物横丁で冷たいうどんを食べた。
わさびが初体験だったセレスティノは勝臣の忠告に従って少しずつつゆに溶いて食べていた。気に入ったようで良かった。
帰る足でスーパーに寄って、セレスティノに買い物の方法を改めて教える。
物の場所、値段、どれくらい必要か。そしてレジの通り方。ついでに新しいマイバッグを買ってそれをセレスティノ専用にした。
自分専用のものが嬉しかったのかセレスティノは上機嫌でマンションへの道を歩いていた。その足取りに迷いはない。よし、道順覚えたな、と思いながら勝臣は観察する。
マンションに着いてセレスティノに鍵を使わせる。手間取ることなく開けられた。
ついでにポストも開けさせてみる。これも暗証番号をちゃんと覚えていた。
ディーノってぽやぽやしてるけど覚えは良いんだよな。そう思いながら部屋に辿り着いた。
きっちりセレスティノが鍵をかけるのを見守ってから勝臣は靴を脱いだ。
「よーし、ちゃんと覚えてるな」
良い子だ、とセレスティノのさらさらの髪を撫でると彼は嬉しそうに目を細めて笑った。
そこではっとして手を離す。
「あ、触られるの嫌だったら言えよ?」
すると彼はきょとんとして嫌じゃないよと言った。
「むしろ嬉しい。家族って感じする」
その言葉にほっとして勝臣はそうかと笑った。
航の夢を見たが正夢なのだろうか。とりあえず今日はATMに寄ろう。
生活費だと言っていたから百万くらい入っているだろうか。いや流石にそんなに無いか。
まあいい。スマートフォンを手にとってアラームが鳴る五分前だと気づく。
アラームを切って体を起こす。うーんと伸びをしてカーテンを開けた。
あー今日もいい天気だ。勝臣はそう思いながらベッドを降りた。
寝室を出るとリビングのソファベッドの上でセレスティノがぐーすがと寝ていた。
あーあ、リラックスしちまって。そう思いながら勝臣はくすぐったい気持ちになった。
それだけセレスティノがこころを許してくれている証のようでなんだかくすぐったい。
まあそれを言うなら自分も爆睡してたんだけどな、と思う。いやいやあれは航の夢を見ていたからだなんて言い訳をして。
「……」
そっとベッドサイドに腰掛けて、その寝顔を見下ろす。さらさらの黒髪が一筋唇に引っかかっている。
くくっと笑って指先でそれを払ってやるともにゃもにゃとなにか言いながら目蓋が震えた。
「おはよう、ディーノ」
「あー……おはよう、兄さん」
一瞬その視線が戸惑ったがすぐに昨日のことを思い出したのだろう、ふにゃっと笑った。
ここで誰?と言われたら傷つく自信が勝臣にはあった。ただ、なぜそんなことで傷つくのかは分からなかった。
深くは考えず勝臣は立ち上がると朝飯はパンでいいか、と聞いた。
「うん、いいよ」
「んじゃ、まずは歯ァ磨いてくっか」
「うーい」
狭い洗面所でふたり並んで歯を磨いて顔を洗う。別にふたり同時じゃなくていいのになんだかそうするのが楽しかった。勝臣には兄弟がいないからだろうか。こういう些細なふれあいが楽しい。
着替えは後回しにしてキッチンに立つ。
四つ切の食パンを二枚トースターに放り込んで電気ケトルで湯を沸かす。
ふたつしかないカフェオレボウルを取り出してそこにコーンスープの素を入れる。
「それはなに?」
「コーンスープの素だよ。これに湯を注ぐとコーンスープができるんだ」
「お湯入れるだけで?」
「そう」
「すごくない?」
勝臣はふはっと笑うとすごいよな、とまた笑った。
セレスティノといると、当たり前のことだと思っていたことが本当は凄いことなんだと思い出させてくれる。
パンが焼けるより早く湯が湧いてそれをカフェオレボウルに注いだ。
「くるくるってかき混ぜる」
スプーンを渡すとセレスティノが言われた通りくるくるっとかき混ぜる。
とたんにとろみが出てきて完成したコーンスープにセレスティノは感動していた。
「すごい!」
「はは!じゃあテーブルに持って行ってくれ」
「あいさ!」
セレスティノがカフェオレボウルをふたつ持っていくと同時にトースターが鳴った。
皿に焼き上がったトーストを乗せて冷蔵庫からマーガリンとジャムを取り出す。
「ディーノ、これも持ってって」
「あい」
トーストの皿を渡してバターナイフとスプーンを取り出すとローテーブルに向かった。
「うちにバターなんて高級なもんはないからマーガリンで我慢してくれ。ジャムはイチゴとマーマレード」
「ん」
そしていただきますと手を合わせてそれぞれトーストを手に取る。
勝臣はマーガリンを塗ってからイチゴジャムを塗ってかぶりついた。セレスティノはマーマレードを塗ってかぶりつく。
さくくっとした表面にマーガリンが染み込んで歯を入れるとじゅわっとあふれる。マーガリンの塩気とイチゴジャムの甘さが絶妙にマッチして勝臣を幸せな気分にさせた。ただ焼いて塗っただけなのに。くそう、なんだか悔しい。
「うまーい」
ほにゃーと顔を綻ばせるセレスティノにふっと笑いがこみ上げる。
「ディーノはなんのジャムが好きなんだ?」
「えー、母上がよく作ってくれたリンゴシナモン」
「へえ。リンゴシナモンなら売ってるから買ってみるか。お前の母さんのより美味しくないかもだけど」
「うん、こっちの世界のも食べてみたいな」
そんなことを話しながら簡単な朝食を済ませてふたりで洗い物をして。
「ねえ、服ってどれ着れば良いの?」
そんなことを聞いてくるセレスティノに昨日買ったシャツとジーンズを合わせてやって。
「さ、暑くならないうちに出かけるぞ」
ふたりはとりあえずマンションの前のコンビニに行った。夢の真偽を確かめるためにATMを操作する。
「は?!」
残高を見て固まった。昨日より一千万円増えている。
やりすぎだろ、と思ったがしかしセレスティノがいつ頃働けるようになるか分からないことを思えばこれは有り難く頂いておくべきだろう。勝臣は割り切ることにした。
コンビニを出てうわあと思いながら駅に向かう。
最寄駅に隣接している携帯電話ショップへと向かった。
勝臣の名義でもう一台スマートフォンを契約してとりあえずセレスティノに持たせる。セレスティノは物珍しげにしながらショルダーバッグにそれをしまった。
手続きで時間を食ってしまい、気づけば昼だ。
コンコースに隣接している食べ物横丁で冷たいうどんを食べた。
わさびが初体験だったセレスティノは勝臣の忠告に従って少しずつつゆに溶いて食べていた。気に入ったようで良かった。
帰る足でスーパーに寄って、セレスティノに買い物の方法を改めて教える。
物の場所、値段、どれくらい必要か。そしてレジの通り方。ついでに新しいマイバッグを買ってそれをセレスティノ専用にした。
自分専用のものが嬉しかったのかセレスティノは上機嫌でマンションへの道を歩いていた。その足取りに迷いはない。よし、道順覚えたな、と思いながら勝臣は観察する。
マンションに着いてセレスティノに鍵を使わせる。手間取ることなく開けられた。
ついでにポストも開けさせてみる。これも暗証番号をちゃんと覚えていた。
ディーノってぽやぽやしてるけど覚えは良いんだよな。そう思いながら部屋に辿り着いた。
きっちりセレスティノが鍵をかけるのを見守ってから勝臣は靴を脱いだ。
「よーし、ちゃんと覚えてるな」
良い子だ、とセレスティノのさらさらの髪を撫でると彼は嬉しそうに目を細めて笑った。
そこではっとして手を離す。
「あ、触られるの嫌だったら言えよ?」
すると彼はきょとんとして嫌じゃないよと言った。
「むしろ嬉しい。家族って感じする」
その言葉にほっとして勝臣はそうかと笑った。
0
あなたにおすすめの小説
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました
水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。
世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。
「見つけた、俺の運命」
敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。
冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。
食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。
その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。
敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。
世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる