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リズとドロシー
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メスの黒猫のリズは、神様が気紛れからキャストに追加したかのように、この世界に生まれた。
従って、母親も父親もない。気がつくと、側面に「温州みかん」の印字されたダンボール箱の中に身を横たえ、どことも知れない路地裏にいた。
「この世界では――」
異端の黒猫・リズは、異端らしく、人間の言葉で呟いてみる。
「この世界では誰もが、誰かと誰かの生殖行為の結果として誕生する。その過程を経なかったぼくは、この世界における異物に他ならない」
悲しみに胸が締めつけられ、エメラルドグリーンの瞳から涙が流れる。透明な宝石にも似た小さな粒は、リズの意思を無視して次から次へと零れ落ち、永遠に溢れ続けそうに思える。
「ああ、どうせこの世界に生まれるなら、普通の猫として生まれたかった。平凡な人間の家庭に属して、十五年ほど生きて、それなりに幸福な人生だったと思いながら死にたかった」
不意に影が差した。顔を上げたリズは、箱の前に、傘を差した女性が佇んでいるのを認めた。頭のてっぺんから足の先まで漆黒の衣装。傘の色は勿論、石突きから持ち手まで黒色だ。前屈みになり、ダンボール箱の中を覗き込んでいる。
(この女性は、どうして傘を差しているのだろう?)
不可解に思った瞬間、降りしきる雨の音をリズは聞いた。自らの体を見下ろすと、黒い体毛は濡れて体に貼りつき、ただでさえ貧相な体つきを一層貧相にさせている。
いつの間にか、涙は止まっていた。
「私の家においで」
再び顔を上げると、女性は穏やかに微笑んでいた。砂金色のロングヘア、サファイアの瞳、白磁の肌、彫りの深い造作。
「このあたりでは最近、ユニコーンが頻繁に出没するの。狙いは私のような若い女性だけど、彼らは気性が荒くて、あなたのように弱い存在を平気で傷つけるから。さあ、おいで」
実質的には選択権がないことを、理解できないリズではなかった。青い瞳を緑の瞳で見返し、にゃあ、と猫語で返事をしてみせる。異端ではない猫たちがよく使う、多義的で利便性の高い一語。
女性の唇が綻び、前歯が垣間見えた。純白というより乳白色に近い白色で、整然と並んでいる。
柄を腋で挟むようにして固定し、フリーになった両手をダンボールの中へ差し伸ばす。もう動く気力もないというふうに、リズは横になったままでいた。濡れた貧弱な体を、女性は易々と抱き上げた。
*
自宅へ向かう道中、一匹と一人は無言だった。
リズが喋らないのは、喋る必要がないから。
女性が喋らないのは、いつ目の前に躍り出てくるか分からないユニコーンを警戒しているから、ではない。彼女は、家に帰ってからするべきことについて、取り留めもなく考えを巡らせていた。軽く押しつけられた豊かな胸を介して、リズは苦もなく、彼女の思考を読み取ることができた。
女性はどうやら、純然たる親切心からではなく、ユニコーン除けのお守り代わりとして、リズを自宅に連れ帰ろうとしているらしい。
下心を読み取っても、リズもなにも感じなかった。濡れた体には、黒衣越しに伝わってくる体温が心地良かったので、いつまでも胸に抱かれていたいと思ったのみだ。
苔むした石造りの橋を渡れば、女性の自宅は目と鼻の先にある。
「私の名前はドロシー。よろしくね」
ドアの鍵穴にキーを差し込みながら、女性は思い出したように呟いた。
*
家内に招き入れられたリズは、まずはドロシーの手により、全身に付着した水滴をタオルで拭われた。
次に、ミルクがもてなされた。栄養満点の白い液体は、浅く平たいガラス製の皿に注がれ、キッチンの片隅に置かれた。
大半の猫が喜ぶその飲料が、異端の自分の味覚に合うだろうかと、リズは訝った。とはいえ、空腹なのは確かだし、親切に報いたいという思いもある。とにもかくにも器に顔を突っ込み、桜色の舌を蠢かせた。味わいはいささか繊細さに欠けたが、腹を満たすための食事と見なせば、そう悪いものではなかった。
巣から出入りする蟻を観察する男児のように、ドロシーはしゃがんでリズの食事の様子を眺めていたが、ミルクが半分になったのを潮に腰を上げた。そして、キッチンを忙しなく行き来し始めた。
食事を続けながら、リズは上目遣いにドロシーを窺った。ほどなくして、食欲を刺激する匂いを感じ、食事の準備をしているのだと悟った。
ガーリックトースト。カフェオレ。冷蔵庫に冷やしてあった、ミニトマトとサニーレタスのサラダに、レモン味のドレッシングをかけたもの。それがドロシーの食事だった。
彼女はトーストを食べたあとには欠かさず、ナプキンで口元と指先を拭った。カフェオレを飲んだあとは、まずカップの縁を指先で拭い、それからその指先をナプキンで拭いた。パン屑は一片もこぼさず、サラダもドリンクも音を立てずに胃の腑に送り込む。
いかにも上品な食事の様子を、リズはずっと見ていた。ミルク皿を空にしてからは、ひとときも目を離さなかった。
(人間の嗜好に合致するように多少改良されているからといって、たかが草が、そんなに美味しいものだろうか)
上品さを賛美するのではなく、そんなことを考えながら。
「寝床を用意しましょうね」
食事が済み、食器を洗い終えると、ドロシーは戸棚の奥からバスケットを取り出した。籐製の小さなそれは、ダイニングの隅に置き、薄手の毛布を敷くと、すっかり寝床らしくなった。
「入って、横になってみて。ご飯を食べたあとで、眠くなってきたんじゃないの?」
バスケットを指差したが、リズは従わなかった。眠気は微塵も感じておらず、命令通りに動く理由がなかったからだ。
寝床に不満があると勘違いしたらしく、ドロシーは毛布を別のものに替えたり、バスケットの位置を動かしたりした。
「どうしたの? なにが気に入らないの?」
目の前にしゃがみ、心配そうに顔を覗き込んでくる。
顔だけはドロシーに向け、視線は合わせないように心がけながら、リズは考える。
(やれやれ、言葉が通じないというだけで、なぜこうも不便なのだろう。ぼくは普通の猫ではなく、異端の黒猫だから、やろうと思えば人間とコミュニケーションをとることもできる。さて、どうしたものか)
「一人で寝るのが嫌なの?」
声のトーンが不意に変わった。反射的にドロシーの顔を注視すると、青い瞳の奥に、妖艶な鈍色の光が仄かに宿っている。
「じゃあ、私と一緒に寝る?」
再びリズを胸に抱こうと、両手を差し伸べようとした瞬間、来訪者を告げるベルが鳴らされた。
振り向いたリズは、玄関ドアの向こう側に、邪悪な気配を色濃く感じた。
従って、母親も父親もない。気がつくと、側面に「温州みかん」の印字されたダンボール箱の中に身を横たえ、どことも知れない路地裏にいた。
「この世界では――」
異端の黒猫・リズは、異端らしく、人間の言葉で呟いてみる。
「この世界では誰もが、誰かと誰かの生殖行為の結果として誕生する。その過程を経なかったぼくは、この世界における異物に他ならない」
悲しみに胸が締めつけられ、エメラルドグリーンの瞳から涙が流れる。透明な宝石にも似た小さな粒は、リズの意思を無視して次から次へと零れ落ち、永遠に溢れ続けそうに思える。
「ああ、どうせこの世界に生まれるなら、普通の猫として生まれたかった。平凡な人間の家庭に属して、十五年ほど生きて、それなりに幸福な人生だったと思いながら死にたかった」
不意に影が差した。顔を上げたリズは、箱の前に、傘を差した女性が佇んでいるのを認めた。頭のてっぺんから足の先まで漆黒の衣装。傘の色は勿論、石突きから持ち手まで黒色だ。前屈みになり、ダンボール箱の中を覗き込んでいる。
(この女性は、どうして傘を差しているのだろう?)
不可解に思った瞬間、降りしきる雨の音をリズは聞いた。自らの体を見下ろすと、黒い体毛は濡れて体に貼りつき、ただでさえ貧相な体つきを一層貧相にさせている。
いつの間にか、涙は止まっていた。
「私の家においで」
再び顔を上げると、女性は穏やかに微笑んでいた。砂金色のロングヘア、サファイアの瞳、白磁の肌、彫りの深い造作。
「このあたりでは最近、ユニコーンが頻繁に出没するの。狙いは私のような若い女性だけど、彼らは気性が荒くて、あなたのように弱い存在を平気で傷つけるから。さあ、おいで」
実質的には選択権がないことを、理解できないリズではなかった。青い瞳を緑の瞳で見返し、にゃあ、と猫語で返事をしてみせる。異端ではない猫たちがよく使う、多義的で利便性の高い一語。
女性の唇が綻び、前歯が垣間見えた。純白というより乳白色に近い白色で、整然と並んでいる。
柄を腋で挟むようにして固定し、フリーになった両手をダンボールの中へ差し伸ばす。もう動く気力もないというふうに、リズは横になったままでいた。濡れた貧弱な体を、女性は易々と抱き上げた。
*
自宅へ向かう道中、一匹と一人は無言だった。
リズが喋らないのは、喋る必要がないから。
女性が喋らないのは、いつ目の前に躍り出てくるか分からないユニコーンを警戒しているから、ではない。彼女は、家に帰ってからするべきことについて、取り留めもなく考えを巡らせていた。軽く押しつけられた豊かな胸を介して、リズは苦もなく、彼女の思考を読み取ることができた。
女性はどうやら、純然たる親切心からではなく、ユニコーン除けのお守り代わりとして、リズを自宅に連れ帰ろうとしているらしい。
下心を読み取っても、リズもなにも感じなかった。濡れた体には、黒衣越しに伝わってくる体温が心地良かったので、いつまでも胸に抱かれていたいと思ったのみだ。
苔むした石造りの橋を渡れば、女性の自宅は目と鼻の先にある。
「私の名前はドロシー。よろしくね」
ドアの鍵穴にキーを差し込みながら、女性は思い出したように呟いた。
*
家内に招き入れられたリズは、まずはドロシーの手により、全身に付着した水滴をタオルで拭われた。
次に、ミルクがもてなされた。栄養満点の白い液体は、浅く平たいガラス製の皿に注がれ、キッチンの片隅に置かれた。
大半の猫が喜ぶその飲料が、異端の自分の味覚に合うだろうかと、リズは訝った。とはいえ、空腹なのは確かだし、親切に報いたいという思いもある。とにもかくにも器に顔を突っ込み、桜色の舌を蠢かせた。味わいはいささか繊細さに欠けたが、腹を満たすための食事と見なせば、そう悪いものではなかった。
巣から出入りする蟻を観察する男児のように、ドロシーはしゃがんでリズの食事の様子を眺めていたが、ミルクが半分になったのを潮に腰を上げた。そして、キッチンを忙しなく行き来し始めた。
食事を続けながら、リズは上目遣いにドロシーを窺った。ほどなくして、食欲を刺激する匂いを感じ、食事の準備をしているのだと悟った。
ガーリックトースト。カフェオレ。冷蔵庫に冷やしてあった、ミニトマトとサニーレタスのサラダに、レモン味のドレッシングをかけたもの。それがドロシーの食事だった。
彼女はトーストを食べたあとには欠かさず、ナプキンで口元と指先を拭った。カフェオレを飲んだあとは、まずカップの縁を指先で拭い、それからその指先をナプキンで拭いた。パン屑は一片もこぼさず、サラダもドリンクも音を立てずに胃の腑に送り込む。
いかにも上品な食事の様子を、リズはずっと見ていた。ミルク皿を空にしてからは、ひとときも目を離さなかった。
(人間の嗜好に合致するように多少改良されているからといって、たかが草が、そんなに美味しいものだろうか)
上品さを賛美するのではなく、そんなことを考えながら。
「寝床を用意しましょうね」
食事が済み、食器を洗い終えると、ドロシーは戸棚の奥からバスケットを取り出した。籐製の小さなそれは、ダイニングの隅に置き、薄手の毛布を敷くと、すっかり寝床らしくなった。
「入って、横になってみて。ご飯を食べたあとで、眠くなってきたんじゃないの?」
バスケットを指差したが、リズは従わなかった。眠気は微塵も感じておらず、命令通りに動く理由がなかったからだ。
寝床に不満があると勘違いしたらしく、ドロシーは毛布を別のものに替えたり、バスケットの位置を動かしたりした。
「どうしたの? なにが気に入らないの?」
目の前にしゃがみ、心配そうに顔を覗き込んでくる。
顔だけはドロシーに向け、視線は合わせないように心がけながら、リズは考える。
(やれやれ、言葉が通じないというだけで、なぜこうも不便なのだろう。ぼくは普通の猫ではなく、異端の黒猫だから、やろうと思えば人間とコミュニケーションをとることもできる。さて、どうしたものか)
「一人で寝るのが嫌なの?」
声のトーンが不意に変わった。反射的にドロシーの顔を注視すると、青い瞳の奥に、妖艶な鈍色の光が仄かに宿っている。
「じゃあ、私と一緒に寝る?」
再びリズを胸に抱こうと、両手を差し伸べようとした瞬間、来訪者を告げるベルが鳴らされた。
振り向いたリズは、玄関ドアの向こう側に、邪悪な気配を色濃く感じた。
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