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洞窟の長老
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老爺だった。
頭髪は、耳の上に雲のような白さの毛を僅かに残すのみ。顔には深く皺が刻まれ、小さな双眸には一点の曇りもない。長大な獣の毛皮を体に巻きつけただけという服装で、首から下の肌は一切露出していないが、枯れ木のように痩せた体つきが衣服越しに見え透くようだ。首からは、数匹の蛇が絡み合うデザインの、灰色のネックレスが垂れ下がっている。
「長老様、来ました」
マトリは満面の笑みだ。老爺――長老は微かに頷いたようにリズには見えた。
少女は老爺まで真っ直ぐに歩み寄り、目の前で跪く。
「長老様。この黒猫はわたしが、その……市場へ行く橋を渡るのが怖かった時に、先導役を務めてくれた猫です」
「怖かった」と口にした瞬間、マトリの頬は赤らんだ。
「だから、この子を飼いたいと思っています。この子は賢いから、もしかすると何かあるかもと思って、念のために長老様のところに来ました」
長老は重々しく頷く。「猫を飼いたい」という意思表示に対してではなく、「橋を渡るのが怖かった」と告白した勇気に、遅まきながら称賛を贈るように。
「わたしを助けてくれたし、絶対にそんなことはないと思うけど――とにかく視てください。……ほら」
微笑みかけると共にリズを解放する。彼女らしくない、どこか大人びた笑みだった。
リズは長老へと歩み寄る。オーラやプレッシャーのようなものは感じない。足元まで来て座り、顔を持ち上げる。長老の表情は凪のように穏やかだ。
『私の膝まで来なさい。お前なら登れるだろう』
無言の声が確かに聞こえた。
リクエストに応えて、軽くジャンプして膝の上へ。毛皮の内側から、細く枯れた二本の腕が出現した。原色の宝石が填め込まれたリングに彩られた、十本の指がリズの体に添えられる。皮膚に水分は乏しく、リングは服の内側にあったにもかかわらず冷たい。
老人らしい、それでいてどこかわざとらしい緩慢さで、顔が近づく。目自体は小さいが、黒目の割合が多く、それが澄んでいるように見える理由のようだ。不可解な吸引力に囚われて、目を逸らすことができないが、恐怖は伴わない。臆することなく、エメラルドグリーンの瞳で見つめ返す。
(未来が視えるという話だったが、この老爺は今、ぼくの未来を視ているのだろうか。未来を視られるのだから、異端に属する人間なのだろうか。それとも――)
長老の唇から微かな吐息がこぼれた。ほんの小さく、間近で見ているリズだけが分かるように頷き、異端の黒猫の頭越しにマトリを見やる。
「この猫は邪悪な存在ではない。闇のように黒い体毛の持ち主だが、心は暗く染まっていない」
「本当ですか? やった!」
無邪気な歓声が上がった。老人の眼差しはリズから外れているが、リズは彼の顔から目が離せない。
「マトリの有限の人生を、必ずや、有限の命で彩ってくれる。私が断言するのだから、それは確定した未来だ」
長老の顔がリズの耳に近づく。訝しく思う間もなく唇が蠢き、
「夜、今度は一匹だけでここにおいで。お前に話をしてあげよう」
顔が遠ざかる。体の向きを百八十度転換させられ、背中を押されたので、膝の上から飛び降りる。
マトリのもとに戻る道中、振り返ったが、老爺は無機物のように穏やかに微笑むのみで、何の意思も読み取れない。
「長老様、最近凄く痩せてるみたいだし、ご飯はちゃんと食べてくださいね! さようなら!」
マトリに抱きかかえられ、洞窟を、未来が視えるという老人のもとを、どこか腑に落ちない気持ちで後にする。
*
家に戻ると、食欲をそそる匂いが充満している。
リズとマトリから帰ってしばらくすると、マトリの父親が帰宅した。長老が着ていた服と同じ動物の毛皮から作られたらしいポンチョを被った、筋骨隆々の男。腰に差していた長短の違う二振りの刀の柄には、いずれも赤黒い血の跡がこびりついている。
「パパ! お帰りなさい!」
誕生日プレゼントの人形のように大切に抱いていたリズをあっさりと手放し、男に駆け寄る。マトリにとって父親がどのような存在なのかを、その瞬間にリズは理解した。娘を片腕一本で抱き上げる姿からは、頼もしさが感じられる。
再会の挨拶を交わし終えると、父親は妻に食事の出来具合を訊いた。返答に対して頷き、腰に差した武器を「温州みかん」と側面に記されたダンボール箱に仕舞う。ポンチョを脱ぎ、板張りの床の中央に腰を下ろす。そして漸く、リズの存在に気がつき、怪訝そうに眉根を寄せた。
「パパ! パパ! その子はね――」
待っていました、とばかりに、マトリが経緯を説明する。眉間の皺を徐々に解消されていき、語り終わった時には、曇りのない笑顔に変わっている。
「マトリを助けてくれたのか。お前は善良な猫なんだな」
大きな掌で頭を包み、撫でる。いささか力が強すぎ、小さなリズの体は地震に見舞われたかのように揺らいだが、悪い気分ではない。
そのようなやりとりがあった後、母親とマトリの手によって料理が運ばれ、夕食が始まった。野菜を煮炊きしたものが大半を占め、皿数が多い。主菜として、丸々と太った魚の丸焼きが出され、同じものがリズの食事として出された。適度に脂がのっていて、骨は少なく身は豊富で、食べ応えがあった。
「マトリ、その子と遊ぶのは後にして、お仕事手伝って」
食後、床に寝転がってリズと戯れていたマトリに、母親が声をかける。娘は「はーい」と答えて体を起こす。
三人は別室に移動し、作業を始めた。母親は機織り機を操って織物を織り、マトリと父親は床に座って竹細工を組み立てる。母親の慣れた手つきからは熟練した職人の風格が感じられ、父親は武骨な手からは想像できないほど繊細に竹を編む。マトリは失敗も少なくないが、作業がとても丁寧だ。
そんな三人の様子を、リズは閾に座って眺める。
「そういえば、黒猫の名前を決めないとね」
母親が口にしたのをきっかけに、三人はリズについて話し始めた。
「ペットの名前って、どうやって決めるの? 飼ったことないから、分からない」
「そうねぇ。食べるための動物しか世話をしたことがなかったから」
「人名に近いものは避けた方がいいんじゃないか? 紛らわしいから」
「集落のみんなと同じでなければ構わない気もするけど」
「カッコいいのがいいな! 繰り返して呼びたくなるみたいな」
「かわいい、の間違いじゃない。その黒猫、女の子よ」
「えっ! そうだったの?」
「何だ、マトリ。お前が一番傍にいたのに、気がつかなかったのか」
(リズっていう名前があるんだけど)
いささか気を悪くしたが、唐突に人語を話して驚かせたくなかったし、仲睦まじい親子の会話を聞くのは決して不愉快ではなかったので、黙っておく。
名前は結局、三人が本日の仕事を終えても決まらなかった。
頭髪は、耳の上に雲のような白さの毛を僅かに残すのみ。顔には深く皺が刻まれ、小さな双眸には一点の曇りもない。長大な獣の毛皮を体に巻きつけただけという服装で、首から下の肌は一切露出していないが、枯れ木のように痩せた体つきが衣服越しに見え透くようだ。首からは、数匹の蛇が絡み合うデザインの、灰色のネックレスが垂れ下がっている。
「長老様、来ました」
マトリは満面の笑みだ。老爺――長老は微かに頷いたようにリズには見えた。
少女は老爺まで真っ直ぐに歩み寄り、目の前で跪く。
「長老様。この黒猫はわたしが、その……市場へ行く橋を渡るのが怖かった時に、先導役を務めてくれた猫です」
「怖かった」と口にした瞬間、マトリの頬は赤らんだ。
「だから、この子を飼いたいと思っています。この子は賢いから、もしかすると何かあるかもと思って、念のために長老様のところに来ました」
長老は重々しく頷く。「猫を飼いたい」という意思表示に対してではなく、「橋を渡るのが怖かった」と告白した勇気に、遅まきながら称賛を贈るように。
「わたしを助けてくれたし、絶対にそんなことはないと思うけど――とにかく視てください。……ほら」
微笑みかけると共にリズを解放する。彼女らしくない、どこか大人びた笑みだった。
リズは長老へと歩み寄る。オーラやプレッシャーのようなものは感じない。足元まで来て座り、顔を持ち上げる。長老の表情は凪のように穏やかだ。
『私の膝まで来なさい。お前なら登れるだろう』
無言の声が確かに聞こえた。
リクエストに応えて、軽くジャンプして膝の上へ。毛皮の内側から、細く枯れた二本の腕が出現した。原色の宝石が填め込まれたリングに彩られた、十本の指がリズの体に添えられる。皮膚に水分は乏しく、リングは服の内側にあったにもかかわらず冷たい。
老人らしい、それでいてどこかわざとらしい緩慢さで、顔が近づく。目自体は小さいが、黒目の割合が多く、それが澄んでいるように見える理由のようだ。不可解な吸引力に囚われて、目を逸らすことができないが、恐怖は伴わない。臆することなく、エメラルドグリーンの瞳で見つめ返す。
(未来が視えるという話だったが、この老爺は今、ぼくの未来を視ているのだろうか。未来を視られるのだから、異端に属する人間なのだろうか。それとも――)
長老の唇から微かな吐息がこぼれた。ほんの小さく、間近で見ているリズだけが分かるように頷き、異端の黒猫の頭越しにマトリを見やる。
「この猫は邪悪な存在ではない。闇のように黒い体毛の持ち主だが、心は暗く染まっていない」
「本当ですか? やった!」
無邪気な歓声が上がった。老人の眼差しはリズから外れているが、リズは彼の顔から目が離せない。
「マトリの有限の人生を、必ずや、有限の命で彩ってくれる。私が断言するのだから、それは確定した未来だ」
長老の顔がリズの耳に近づく。訝しく思う間もなく唇が蠢き、
「夜、今度は一匹だけでここにおいで。お前に話をしてあげよう」
顔が遠ざかる。体の向きを百八十度転換させられ、背中を押されたので、膝の上から飛び降りる。
マトリのもとに戻る道中、振り返ったが、老爺は無機物のように穏やかに微笑むのみで、何の意思も読み取れない。
「長老様、最近凄く痩せてるみたいだし、ご飯はちゃんと食べてくださいね! さようなら!」
マトリに抱きかかえられ、洞窟を、未来が視えるという老人のもとを、どこか腑に落ちない気持ちで後にする。
*
家に戻ると、食欲をそそる匂いが充満している。
リズとマトリから帰ってしばらくすると、マトリの父親が帰宅した。長老が着ていた服と同じ動物の毛皮から作られたらしいポンチョを被った、筋骨隆々の男。腰に差していた長短の違う二振りの刀の柄には、いずれも赤黒い血の跡がこびりついている。
「パパ! お帰りなさい!」
誕生日プレゼントの人形のように大切に抱いていたリズをあっさりと手放し、男に駆け寄る。マトリにとって父親がどのような存在なのかを、その瞬間にリズは理解した。娘を片腕一本で抱き上げる姿からは、頼もしさが感じられる。
再会の挨拶を交わし終えると、父親は妻に食事の出来具合を訊いた。返答に対して頷き、腰に差した武器を「温州みかん」と側面に記されたダンボール箱に仕舞う。ポンチョを脱ぎ、板張りの床の中央に腰を下ろす。そして漸く、リズの存在に気がつき、怪訝そうに眉根を寄せた。
「パパ! パパ! その子はね――」
待っていました、とばかりに、マトリが経緯を説明する。眉間の皺を徐々に解消されていき、語り終わった時には、曇りのない笑顔に変わっている。
「マトリを助けてくれたのか。お前は善良な猫なんだな」
大きな掌で頭を包み、撫でる。いささか力が強すぎ、小さなリズの体は地震に見舞われたかのように揺らいだが、悪い気分ではない。
そのようなやりとりがあった後、母親とマトリの手によって料理が運ばれ、夕食が始まった。野菜を煮炊きしたものが大半を占め、皿数が多い。主菜として、丸々と太った魚の丸焼きが出され、同じものがリズの食事として出された。適度に脂がのっていて、骨は少なく身は豊富で、食べ応えがあった。
「マトリ、その子と遊ぶのは後にして、お仕事手伝って」
食後、床に寝転がってリズと戯れていたマトリに、母親が声をかける。娘は「はーい」と答えて体を起こす。
三人は別室に移動し、作業を始めた。母親は機織り機を操って織物を織り、マトリと父親は床に座って竹細工を組み立てる。母親の慣れた手つきからは熟練した職人の風格が感じられ、父親は武骨な手からは想像できないほど繊細に竹を編む。マトリは失敗も少なくないが、作業がとても丁寧だ。
そんな三人の様子を、リズは閾に座って眺める。
「そういえば、黒猫の名前を決めないとね」
母親が口にしたのをきっかけに、三人はリズについて話し始めた。
「ペットの名前って、どうやって決めるの? 飼ったことないから、分からない」
「そうねぇ。食べるための動物しか世話をしたことがなかったから」
「人名に近いものは避けた方がいいんじゃないか? 紛らわしいから」
「集落のみんなと同じでなければ構わない気もするけど」
「カッコいいのがいいな! 繰り返して呼びたくなるみたいな」
「かわいい、の間違いじゃない。その黒猫、女の子よ」
「えっ! そうだったの?」
「何だ、マトリ。お前が一番傍にいたのに、気がつかなかったのか」
(リズっていう名前があるんだけど)
いささか気を悪くしたが、唐突に人語を話して驚かせたくなかったし、仲睦まじい親子の会話を聞くのは決して不愉快ではなかったので、黙っておく。
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