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海での出来事
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海での出来事で、忘れられない思い出があります。
やはり、幼稚園の頃に行われた「海への遠足」。
「親同伴」の原則に、父は水が苦手な母の為に、休みを取ってくれました。
母は海から50メートルも離れた浜辺にシートを敷き、日傘を差して座っています。
母の代わりに父が私の面倒を見てくれました。
その出来事は、父が先生たちに呼ばれて私が一人になった時に起きたのです。
友達が投げた空気ボールが海に落ちて波にさらわれそうにり、私は夢中になってボールを追いかけました。
その時、大きな大きな波が私を目がけて走ってきたのです。
私の様子を見ていた母の表情が変わりました。
ものすごい勢いで立ち上がると、私の名前を大声で叫びました。
振り返ると、母が青い顔をしてこちらへ向かって走っていました。
同時に私の背丈よりも高い波が私の頭を抜けて行きます。
母の背後から父が走ってくるのが見えました。
気が付くと…あの水や海が嫌いな母が、海に入って私を助け出してくれていました。
その母を背後から強く抱きしめる父がいました。
父は泣いていました。
「海に帰るかと思った…どうか俺のそばから離れないでくれ」
母も泣いていました。
「ごめんなさい、ごめんなさい…あなた」
二人の間に挟まれて、私も胸がいっぱいになり、一緒に泣いてしまったのを覚えています。
やはり、幼稚園の頃に行われた「海への遠足」。
「親同伴」の原則に、父は水が苦手な母の為に、休みを取ってくれました。
母は海から50メートルも離れた浜辺にシートを敷き、日傘を差して座っています。
母の代わりに父が私の面倒を見てくれました。
その出来事は、父が先生たちに呼ばれて私が一人になった時に起きたのです。
友達が投げた空気ボールが海に落ちて波にさらわれそうにり、私は夢中になってボールを追いかけました。
その時、大きな大きな波が私を目がけて走ってきたのです。
私の様子を見ていた母の表情が変わりました。
ものすごい勢いで立ち上がると、私の名前を大声で叫びました。
振り返ると、母が青い顔をしてこちらへ向かって走っていました。
同時に私の背丈よりも高い波が私の頭を抜けて行きます。
母の背後から父が走ってくるのが見えました。
気が付くと…あの水や海が嫌いな母が、海に入って私を助け出してくれていました。
その母を背後から強く抱きしめる父がいました。
父は泣いていました。
「海に帰るかと思った…どうか俺のそばから離れないでくれ」
母も泣いていました。
「ごめんなさい、ごめんなさい…あなた」
二人の間に挟まれて、私も胸がいっぱいになり、一緒に泣いてしまったのを覚えています。
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