人が神を越えるとき

やっさん@ゆっくり小説系Vtuber

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キミの名前 ー 2

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「なんて呼んだらいいかわからないから、『てんかみのこ』から2文字とって、テンって呼んでいいかな。」
 僕の質問に女性は笑顔で頷いてくれたから、今から女性の仮の名は“テン”に決まった。

「ところで、あなたはなんて名前でしょうか。」

 当然の質問だった。僕は、テンが何者なのかにばかりに気を取られ、自分の名前を教えていなかった。

「平行の平に、一本二本三本さんぼんぼん、仁義の仁、って書いて…、」
「へいぼんじん?」
「平本 仁 です」

 へいぼんじん それはあながち間違ってはいないと、思わず苦笑しながら答えた。 

「よかった、彼氏の名前も知らないまま過ごさなきゃいけないのかと思っていました。」
 安心したように言って笑うテン。その笑顔を、この夜だけで何度見ただろう。無邪気な天使のようであり、同時に、慈愛に満ちた女神の微笑でもあるようだ。
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