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隠していたことを話すことにしました。
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レオノールは深く息を吐いた。
胸の奥にわだかまっていた重圧が、言葉と共に少しずつほどけていく。
だが、それと同時に、腹の底にじわりとした不安が広がっていった。
部屋の空気が妙に冷たく感じられた。
壁にかけられた時計の針が、小さな音を立てながら進んでいる。
カーテンの隙間から差し込む微かな月光が、足元に淡い影を落としていた。
自分の口から真実を語るのだ。
もう後戻りはできない。
視線を上げると、目の前の二人はまるで時間が止まったかのように動かずにいた。
「……俺は、レオノール・サヴィア。そして、レオフィア・サヴィアでもあるんだ」
一瞬の沈黙。
カッシュが眉をひそめ、目を細める。
「どういうことだ? 双子で入れ替わっているということか?」
ラフィーナは小さく息を呑み、レオノールを凝視する。
「違う……俺がレオノールであり、レオフィアなんだ」
その言葉に、カッシュの瞳が鋭く光る。
「それは……もしかして、レオフィア様は……?」
「ああ、レオフィアはいない。俺がレオフィアを演じてたんだ」
ピシッと、まるで空気がひび割れるような緊張感が走った。
カッシュの指が僅かに動き、ラフィーナが息を詰める。
どこかで蝋燭が揺らぎ、小さな影が壁にゆらめく。
静寂の中、レオノールの鼓動だけが耳の奥で響いていた。
「……どういうことなんだ?」
カッシュの低い声が、静かな部屋に響く。
だが、その声はいつものように冷静ではなく、どこか震えていた。
レオノールを睨むように見つめながらも、指先がわずかに握り込まれているのが分かる。
「わかるように説明しろっ!」 カッシュの声が低く震えた。感情を抑えきれないのが伝わってくる。
レオノールは目を伏せ、言葉を探すように小さく息を吸った。
「……ことの発端はお前だ。カッシュ。お前と出会ったことがきっかけなんだ」
レオノールは淡々と話し始めた。
カッシュは腕を組んだまま、鋭い視線をこちらに向けている。
まるで答えを求めるような、詰問するような眼差し。
普段の冷静沈着な態度を保とうとしているが、その険しく寄せられた眉間が、彼の内心の動揺をはっきりと表していた。
一方、ラフィーナは目を大きく見開き、ぱくぱくと口を開きかけては閉じる。
その表情には驚きと困惑、そしてどこか悲しげな色が混じっている。
何かを言いたいのに、どう言葉にすればいいのか分からないのだろう。
「体が弱かった頃、女の子の格好をして過ごしていた。それが自然だったし、特に気にすることもなかった。でも……お前に会って、咄嗟に『レオフィア』と名乗ったんだ」
「なぜそんなことを……」
カッシュの眉間の皺がさらに深く刻まれる。
レオノールは微かに苦笑し、肩をすくめた。
「深い意味はなかった。ただ、その時の俺はカッシュとどう接すればいいのか分からなくて……。でも、一度名乗ってしまったら、引くに引けなくなったんだ」
「じゃあ、そのままずっとレオフィアを演じ続けたってこと?」
ラフィーナの小さな声が震える。
「そういうことだな」
レオノールは軽く頷いたが、指先がわずかに震えるのを感じた。
鼓動が耳に響く。
彼は無意識に拳を握りしめ、わずかに視線を落とした。
どれだけこのことを隠し続けてきたのか。
どれだけ誤魔化してきたのか。
そして、今、この真実を明かしたことで、何が起こるのか。
彼らは信じてくれるのか? それとも―――。
「でも、それだけならまだいい。問題はその後だ」
レオノールはふっと目を細める。
この話の本当の核心は、ここからだった。
「運が悪いことに、お前の家の茶会でヴァンツァーに会ってしまったんだ」
「……婚約か」
カッシュの声がさらに低くなる。
「そうだ。あの場ではっきり断ることもできず、そのまま話が進んでしまった。今になっても、どうにか婚約破棄できないかと考えてるが、そう簡単にはいかない」
その言葉に、カッシュは深く息を吐いた。ラフィーナは息をのむ。
「だったら、全部話してしまうのは?」
ラフィーナが不安そうに尋ねる。
しかし、レオノールは静かに首を振った。
「ラフィーナ、それは無理だ。王家との婚約だ。そんな単純な話じゃない」
「そんな……」
「公爵家の名誉にも関わる問題だし、もし露見したら、王家への偽証の罪に問われる。下手したらサヴィア公爵家自体が取り潰される可能性だってある」
その言葉に、ラフィーナの顔が青ざめた。彼女の手が無意識にぎゅっと握り締められる。
一方、カッシュは視線を伏せ、考え込むように口元を引き結んだ。
「……よく、今までバレなかったな」
静かな声が落ち着いた雰囲気を装っていたが、その裏に驚きと困惑が見え隠れしている。
レオノールは小さく笑った。
「慣れってヤツだよ。淑女教育の賜物ってね」
カッシュは鋭い目でレオノールを見つめる。
「だが、話を聞く限り、俺が余計なことをしたばかりに……」
「だから、いいって」
レオノールは軽く手を振った。
だが、その心の奥では、ふと、ある考えがよぎる。
(……それに、たぶんこれはゲームの強制力だって思うし)
何かの意図が働いて、この世界がそういう流れを作っているのではないか。
そんな考えが、ほんの一瞬脳裏をかすめた。
しかし、目の前のカッシュは真剣な表情を崩さずにいる。
「レオノール」
「なんだ?」
「お前を窮地に立たせてしまったのは俺だ。だから——協力させて欲しい」
レオノールは驚いたように目を瞬かせた。
「何をだ?」
「勿論、レオフィア嬢の婚約破棄をだ」
「そ、それなら私も! 協力させてください!」
二人の真剣な視線を前に、レオノールはたじろいだ。
「わかったよ。わかりました!」
思わず手を上げ、降参するように言う。
すると、カッシュとラフィーナは嬉しそうに微笑んだ。
「協力してよ、二人とも」
そう口にした瞬間、肩に乗っていた見えない重圧が、少しだけ軽くなる気がした。
ふと、カッシュの表情が僅かに柔らぎ、ラフィーナが小さく微笑む。
「まかせろ」
「まかせて」
その言葉が、レオノールの胸の奥にほんの少し安堵をもたらした。
部屋の静寂がやや和らぎ、先ほどまで張り詰めていた空気が少しだけ緩む。
カーテンの隙間から射す月光が、穏やかに広がっていた。
今までは一人で考え、一人で行動していた。
でも、今は違う。
こんなにも誰かを頼ることができるなんて。
ふと気づけば、心の奥でずっと冷たく沈んでいた何かが、少しずつ溶け始めていた。
胸の奥にわだかまっていた重圧が、言葉と共に少しずつほどけていく。
だが、それと同時に、腹の底にじわりとした不安が広がっていった。
部屋の空気が妙に冷たく感じられた。
壁にかけられた時計の針が、小さな音を立てながら進んでいる。
カーテンの隙間から差し込む微かな月光が、足元に淡い影を落としていた。
自分の口から真実を語るのだ。
もう後戻りはできない。
視線を上げると、目の前の二人はまるで時間が止まったかのように動かずにいた。
「……俺は、レオノール・サヴィア。そして、レオフィア・サヴィアでもあるんだ」
一瞬の沈黙。
カッシュが眉をひそめ、目を細める。
「どういうことだ? 双子で入れ替わっているということか?」
ラフィーナは小さく息を呑み、レオノールを凝視する。
「違う……俺がレオノールであり、レオフィアなんだ」
その言葉に、カッシュの瞳が鋭く光る。
「それは……もしかして、レオフィア様は……?」
「ああ、レオフィアはいない。俺がレオフィアを演じてたんだ」
ピシッと、まるで空気がひび割れるような緊張感が走った。
カッシュの指が僅かに動き、ラフィーナが息を詰める。
どこかで蝋燭が揺らぎ、小さな影が壁にゆらめく。
静寂の中、レオノールの鼓動だけが耳の奥で響いていた。
「……どういうことなんだ?」
カッシュの低い声が、静かな部屋に響く。
だが、その声はいつものように冷静ではなく、どこか震えていた。
レオノールを睨むように見つめながらも、指先がわずかに握り込まれているのが分かる。
「わかるように説明しろっ!」 カッシュの声が低く震えた。感情を抑えきれないのが伝わってくる。
レオノールは目を伏せ、言葉を探すように小さく息を吸った。
「……ことの発端はお前だ。カッシュ。お前と出会ったことがきっかけなんだ」
レオノールは淡々と話し始めた。
カッシュは腕を組んだまま、鋭い視線をこちらに向けている。
まるで答えを求めるような、詰問するような眼差し。
普段の冷静沈着な態度を保とうとしているが、その険しく寄せられた眉間が、彼の内心の動揺をはっきりと表していた。
一方、ラフィーナは目を大きく見開き、ぱくぱくと口を開きかけては閉じる。
その表情には驚きと困惑、そしてどこか悲しげな色が混じっている。
何かを言いたいのに、どう言葉にすればいいのか分からないのだろう。
「体が弱かった頃、女の子の格好をして過ごしていた。それが自然だったし、特に気にすることもなかった。でも……お前に会って、咄嗟に『レオフィア』と名乗ったんだ」
「なぜそんなことを……」
カッシュの眉間の皺がさらに深く刻まれる。
レオノールは微かに苦笑し、肩をすくめた。
「深い意味はなかった。ただ、その時の俺はカッシュとどう接すればいいのか分からなくて……。でも、一度名乗ってしまったら、引くに引けなくなったんだ」
「じゃあ、そのままずっとレオフィアを演じ続けたってこと?」
ラフィーナの小さな声が震える。
「そういうことだな」
レオノールは軽く頷いたが、指先がわずかに震えるのを感じた。
鼓動が耳に響く。
彼は無意識に拳を握りしめ、わずかに視線を落とした。
どれだけこのことを隠し続けてきたのか。
どれだけ誤魔化してきたのか。
そして、今、この真実を明かしたことで、何が起こるのか。
彼らは信じてくれるのか? それとも―――。
「でも、それだけならまだいい。問題はその後だ」
レオノールはふっと目を細める。
この話の本当の核心は、ここからだった。
「運が悪いことに、お前の家の茶会でヴァンツァーに会ってしまったんだ」
「……婚約か」
カッシュの声がさらに低くなる。
「そうだ。あの場ではっきり断ることもできず、そのまま話が進んでしまった。今になっても、どうにか婚約破棄できないかと考えてるが、そう簡単にはいかない」
その言葉に、カッシュは深く息を吐いた。ラフィーナは息をのむ。
「だったら、全部話してしまうのは?」
ラフィーナが不安そうに尋ねる。
しかし、レオノールは静かに首を振った。
「ラフィーナ、それは無理だ。王家との婚約だ。そんな単純な話じゃない」
「そんな……」
「公爵家の名誉にも関わる問題だし、もし露見したら、王家への偽証の罪に問われる。下手したらサヴィア公爵家自体が取り潰される可能性だってある」
その言葉に、ラフィーナの顔が青ざめた。彼女の手が無意識にぎゅっと握り締められる。
一方、カッシュは視線を伏せ、考え込むように口元を引き結んだ。
「……よく、今までバレなかったな」
静かな声が落ち着いた雰囲気を装っていたが、その裏に驚きと困惑が見え隠れしている。
レオノールは小さく笑った。
「慣れってヤツだよ。淑女教育の賜物ってね」
カッシュは鋭い目でレオノールを見つめる。
「だが、話を聞く限り、俺が余計なことをしたばかりに……」
「だから、いいって」
レオノールは軽く手を振った。
だが、その心の奥では、ふと、ある考えがよぎる。
(……それに、たぶんこれはゲームの強制力だって思うし)
何かの意図が働いて、この世界がそういう流れを作っているのではないか。
そんな考えが、ほんの一瞬脳裏をかすめた。
しかし、目の前のカッシュは真剣な表情を崩さずにいる。
「レオノール」
「なんだ?」
「お前を窮地に立たせてしまったのは俺だ。だから——協力させて欲しい」
レオノールは驚いたように目を瞬かせた。
「何をだ?」
「勿論、レオフィア嬢の婚約破棄をだ」
「そ、それなら私も! 協力させてください!」
二人の真剣な視線を前に、レオノールはたじろいだ。
「わかったよ。わかりました!」
思わず手を上げ、降参するように言う。
すると、カッシュとラフィーナは嬉しそうに微笑んだ。
「協力してよ、二人とも」
そう口にした瞬間、肩に乗っていた見えない重圧が、少しだけ軽くなる気がした。
ふと、カッシュの表情が僅かに柔らぎ、ラフィーナが小さく微笑む。
「まかせろ」
「まかせて」
その言葉が、レオノールの胸の奥にほんの少し安堵をもたらした。
部屋の静寂がやや和らぎ、先ほどまで張り詰めていた空気が少しだけ緩む。
カーテンの隙間から射す月光が、穏やかに広がっていた。
今までは一人で考え、一人で行動していた。
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