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21/ストーカー対策会議(前編)
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パトリスはディアナに連行されて席に戻ったがまだ心臓がドキドキしていた。
オリビアだった…ヤバい…すごくきれいになってた。
うわー…俺のオリビア…
”パトリス”
パトリスの頭の中でさっきオリビアがパトリスの名を呼んだことを反芻していた。
オリビアの声で…
破壊力半端ない…
初恋を拗らせ過ぎた男はさっきオリビアがそっけない態度だったことなど都合よく記憶から追い出していた。
「パトリス、パトリス!おーいい。戻ってこいよ」
パトリスの前で手を振ったり、パトリスの体を揺さぶったりしてパトリスが正気に戻るようテオが奮闘していると、ディアナが
「さっきの可愛い子がパトリスの想い人なのね。びっくりするほど片想いだったけど…そこは気にならないのかしら?それにしても、パトリスって人気絶頂の俳優よね?誰でも落とせるわけじゃないのね。意外だわぁ」
と大きな独り言を言った。
すると、パトリスのことを諦めたテオが、呆れ気味にディアナに指摘した。
「いや、お前だって、全然パトリスに惚れないじゃん。そんなもんだろ?」
「まぁ、私の好みとかけ離れているし、中身を知っちゃうとものすごく残念な部類にはいるわよね」
ディアナは憐れみの目をパトリスに向け一人で何か納得したようだった。
「それにしても一緒にいた人たちも美形揃いだったわ。おどろいちゃった」
「あぁ、あの男の人、サン・シェリヴだろ?前パトリスから聞いたよ」
「えっ?そうなの?サイン貰えばよかったかしら?」
ミーハーな態度を示したディアナにテオがもの言いたげな目をした。
「ディアナ、お前、興味あるのか?冷やかしならやめとけよ。パトリスの面汚すことになるだろ」
ディアナは腕を組み考えるような素振りをみせた。
「興味ねぇ…。本は大好きだけど、書いている人には興味ないわ」
「ならサインいらないじゃん」
「だって、あの娘が好きかと思って」
ディアナは大切な幼馴染の顔を思い浮かべ、優しい顔をした。
「なら、あの娘の意見を聞いてからにすればいい。パトリス経由でお願いすればきっともらえるだろうよ」
「それもそうね。それより、パトリス全然夢から戻ってこないわね」
テオとディアナはまだ幸せな世界に旅立ったままのパトリスをちらっと見た。
「まったく、今日は俺のストーカー対策会議だって言うのに」
テオが文句を言いながら机の上の料理を口に運んだ。
ディアナが不思議そうにテオを見て、
「それなんだけどさ、本当にお兄ちゃんのストーカーはパトリスさん狙いなの?おかしくない?ストーカーするならやっぱターゲット本人にじゃないの?いくらお兄ちゃんとパトリスが友達だからって、そんな遠回りナコトするかな?」
テオは口の中の肉をゴクリと飲み込み、
「それは俺も考えたけど、まず、第一に俺に心当たりが全くない。自慢じゃないが、ストーカーされる理由が何もない。ってことで、俺が狙わているわけでもないとなると、俺の周りでストーカーされていそうな奴って言ったらパトリスしかいないかなと」
「えーでも、何がストーカーの琴線に触れたかわからなくない?外見以外で何かあるかもよ?」
「何だろ?全然思いつかない。お前はわかる?」
テオはディアナと会話しながらどんどん肉を食べ進めていった。
「私にわかるわけないじゃない。ストーカーの気持ちなんて。で、実際のとこおにいちゃんの被害状況は?」
「ん~。そうだな。商店街に来るのが億劫になったことぐらいかな?」
「なにそれ?それだけ?」
ディアナは全然被害がない上に狭い範囲での出来事だってんかると呆れるような反応をした。
「いや、遠くから視線感じるだけだし、帰るときは必ず撒くから家バレもしてないし」
「そうよね。お兄ちゃんを尾行するなんて至難の業よね。現役だもんね」
ディアナはテオの職業を考えを、不思議そうにした。
テオもかねてからの疑問を呟いた。
「はは、まあな。まぁ、俺を見つけて視線を送ることもなかなかできるはずないんだけどな」
「そうよねぇ。お兄ちゃんのこと見つけるなんて何を頼りに見ているのかしら?兄妹である私ですらギリなのに」
「まぁ、お前は…というか家族は生まれてからずっと一緒だったからな。他人よりは耐性があるんだろう」
「そう言えば、なんでパトリスさんはわかるの?」
「パトリス?あいつはあいつの喉に埋まっている石、アレのおかげだな」
「え?これ?」
ディアナはパトリスの頸窩にある透明な石を指さした。
「それそれ。なんでそこに埋まっているかは聞いたことないけど、まぁ、その石のおかげで俺と友達やっているんだよ」
「へぇ~。あ!」
ディアナが珍しそうに石を眺めていたら体制を崩し、指が石に触れてしまった。
バチン!!
どこかに思想を飛ばしていたパトリスが一瞬で見たことないほど険しい顔になり、ディアナの手を力強く叩き払った。
「いた…。あ、ごめんなさい…わざとじゃなくて…」
ディアナは顔面蒼白になり、パトリスに謝罪した。
「あ、あぁ、ディアナ…ごめん。咄嗟のことで加減できなかった。ごめん、手、見せて?」
パトリスは正気に戻り、ディアナに謝罪した。
そして、ディアナの手を取り、怪我がないかチェックした。
「テオ、ごめん。ディアナの手に治癒魔法かけてあげて?俺、出来ないから」
「あ、あぁ…」
あまりのことに呆気にとられていたテオは返事を絞り出した。
「いえ、治癒なら私のほうが上手にできるから大丈夫よ」
テオよりも先に自分を立て直したディアナが自分で治癒魔法をかけた。
「それより、パトリス、改めてごめんなさい。貴方の大切なものに不用意に触れてしまって」
ディアナは改めて丁寧に謝罪した。
「いや、俺こそ叩いてしまってごめんね。コレは俺のとても大切なもの…命のようなものなんだ。だから…ってわけじゃないけど、体が過剰反応してしまってね」
パトリスは困ったような表情をしてディアナに言った。
「よ、よし、じゃぁ、この話はここまでにして、もう一度、俺のストーカー対策しようじゃないか」
テオが動揺を隠せないまま話をまとめようとして変な言い回しになった。
それを見てパトリスとディアナから力が抜け、笑顔が戻った。
オリビアだった…ヤバい…すごくきれいになってた。
うわー…俺のオリビア…
”パトリス”
パトリスの頭の中でさっきオリビアがパトリスの名を呼んだことを反芻していた。
オリビアの声で…
破壊力半端ない…
初恋を拗らせ過ぎた男はさっきオリビアがそっけない態度だったことなど都合よく記憶から追い出していた。
「パトリス、パトリス!おーいい。戻ってこいよ」
パトリスの前で手を振ったり、パトリスの体を揺さぶったりしてパトリスが正気に戻るようテオが奮闘していると、ディアナが
「さっきの可愛い子がパトリスの想い人なのね。びっくりするほど片想いだったけど…そこは気にならないのかしら?それにしても、パトリスって人気絶頂の俳優よね?誰でも落とせるわけじゃないのね。意外だわぁ」
と大きな独り言を言った。
すると、パトリスのことを諦めたテオが、呆れ気味にディアナに指摘した。
「いや、お前だって、全然パトリスに惚れないじゃん。そんなもんだろ?」
「まぁ、私の好みとかけ離れているし、中身を知っちゃうとものすごく残念な部類にはいるわよね」
ディアナは憐れみの目をパトリスに向け一人で何か納得したようだった。
「それにしても一緒にいた人たちも美形揃いだったわ。おどろいちゃった」
「あぁ、あの男の人、サン・シェリヴだろ?前パトリスから聞いたよ」
「えっ?そうなの?サイン貰えばよかったかしら?」
ミーハーな態度を示したディアナにテオがもの言いたげな目をした。
「ディアナ、お前、興味あるのか?冷やかしならやめとけよ。パトリスの面汚すことになるだろ」
ディアナは腕を組み考えるような素振りをみせた。
「興味ねぇ…。本は大好きだけど、書いている人には興味ないわ」
「ならサインいらないじゃん」
「だって、あの娘が好きかと思って」
ディアナは大切な幼馴染の顔を思い浮かべ、優しい顔をした。
「なら、あの娘の意見を聞いてからにすればいい。パトリス経由でお願いすればきっともらえるだろうよ」
「それもそうね。それより、パトリス全然夢から戻ってこないわね」
テオとディアナはまだ幸せな世界に旅立ったままのパトリスをちらっと見た。
「まったく、今日は俺のストーカー対策会議だって言うのに」
テオが文句を言いながら机の上の料理を口に運んだ。
ディアナが不思議そうにテオを見て、
「それなんだけどさ、本当にお兄ちゃんのストーカーはパトリスさん狙いなの?おかしくない?ストーカーするならやっぱターゲット本人にじゃないの?いくらお兄ちゃんとパトリスが友達だからって、そんな遠回りナコトするかな?」
テオは口の中の肉をゴクリと飲み込み、
「それは俺も考えたけど、まず、第一に俺に心当たりが全くない。自慢じゃないが、ストーカーされる理由が何もない。ってことで、俺が狙わているわけでもないとなると、俺の周りでストーカーされていそうな奴って言ったらパトリスしかいないかなと」
「えーでも、何がストーカーの琴線に触れたかわからなくない?外見以外で何かあるかもよ?」
「何だろ?全然思いつかない。お前はわかる?」
テオはディアナと会話しながらどんどん肉を食べ進めていった。
「私にわかるわけないじゃない。ストーカーの気持ちなんて。で、実際のとこおにいちゃんの被害状況は?」
「ん~。そうだな。商店街に来るのが億劫になったことぐらいかな?」
「なにそれ?それだけ?」
ディアナは全然被害がない上に狭い範囲での出来事だってんかると呆れるような反応をした。
「いや、遠くから視線感じるだけだし、帰るときは必ず撒くから家バレもしてないし」
「そうよね。お兄ちゃんを尾行するなんて至難の業よね。現役だもんね」
ディアナはテオの職業を考えを、不思議そうにした。
テオもかねてからの疑問を呟いた。
「はは、まあな。まぁ、俺を見つけて視線を送ることもなかなかできるはずないんだけどな」
「そうよねぇ。お兄ちゃんのこと見つけるなんて何を頼りに見ているのかしら?兄妹である私ですらギリなのに」
「まぁ、お前は…というか家族は生まれてからずっと一緒だったからな。他人よりは耐性があるんだろう」
「そう言えば、なんでパトリスさんはわかるの?」
「パトリス?あいつはあいつの喉に埋まっている石、アレのおかげだな」
「え?これ?」
ディアナはパトリスの頸窩にある透明な石を指さした。
「それそれ。なんでそこに埋まっているかは聞いたことないけど、まぁ、その石のおかげで俺と友達やっているんだよ」
「へぇ~。あ!」
ディアナが珍しそうに石を眺めていたら体制を崩し、指が石に触れてしまった。
バチン!!
どこかに思想を飛ばしていたパトリスが一瞬で見たことないほど険しい顔になり、ディアナの手を力強く叩き払った。
「いた…。あ、ごめんなさい…わざとじゃなくて…」
ディアナは顔面蒼白になり、パトリスに謝罪した。
「あ、あぁ、ディアナ…ごめん。咄嗟のことで加減できなかった。ごめん、手、見せて?」
パトリスは正気に戻り、ディアナに謝罪した。
そして、ディアナの手を取り、怪我がないかチェックした。
「テオ、ごめん。ディアナの手に治癒魔法かけてあげて?俺、出来ないから」
「あ、あぁ…」
あまりのことに呆気にとられていたテオは返事を絞り出した。
「いえ、治癒なら私のほうが上手にできるから大丈夫よ」
テオよりも先に自分を立て直したディアナが自分で治癒魔法をかけた。
「それより、パトリス、改めてごめんなさい。貴方の大切なものに不用意に触れてしまって」
ディアナは改めて丁寧に謝罪した。
「いや、俺こそ叩いてしまってごめんね。コレは俺のとても大切なもの…命のようなものなんだ。だから…ってわけじゃないけど、体が過剰反応してしまってね」
パトリスは困ったような表情をしてディアナに言った。
「よ、よし、じゃぁ、この話はここまでにして、もう一度、俺のストーカー対策しようじゃないか」
テオが動揺を隠せないまま話をまとめようとして変な言い回しになった。
それを見てパトリスとディアナから力が抜け、笑顔が戻った。
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