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23/仲介役の苦悩
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翌日、パトリスは幼馴染のユーリに連絡を取った。
パトリスはオリビアとの再会の奇跡と脳内で繰り広げられる甘い夢の話を延々としたため、最後に要約するとこんなことを書いた。
“オリビアに依頼したい魔導具があるから繋いでくれ”
手紙を受け取ったユーリは
「マジか…あー…どうすっかな~」
頭を抱えたあと、空を仰いだ。
ユーリはパトリスの想いの強さを知っているし、オリビアの想いの無さも知っていた。そして、2人を遭遇させることの危険度も、もちろん知っていた。
幼馴染であるパトリスの力になりたいとも思っている。
幼馴染であるオリビアに幸せになってもらいたいと思っている。
2人を交流させることが正しいのか誤りなのか判断がつかない…
「あー…難題すぎる…」
ユーリがにっちもさっちもいかなくなっていると、そこにたまたまカーラが通りかかった。
「やぁ、悩める青年。今日はいつも以上に頭を抱えているね。悩みならこのお姉さんが聞いてあげるよ」
「あ、カーラさん…こんにちわ」
挨拶もそこそこにカーラはユーリに詰め寄った。
「さぁさぁ、君の悩みは甘酸っぱい恋バナっかい?それとも青臭い青春物語かい?え?もっとピンクな悩み?」
「違うっす。あー…まてよ…カーラさんなら最適解がわかるかな?」
ユーリが一人ブツブツ言っていると、カーラに聞こえたようで、カーラが胸をドンと叩いて自信満々に頷いた。
「もちろんだとも。私にわからないことはないよ」
「そーっすよね。昔から外見が変わらないけど、かなりのババ…」
バギっ
「あ゛ぁ?なんだって?」
ユーリが禁句を言いかけたその時、カーラが物凄い形相でユーリにゲンコツを落とし、胸ぐらを掴んできた。
「いや、なんでもないっす…あ、あの、相談に乗ってもらってもいいっすか?」
ユーリが慌てて話を元の路線に戻すと、胸ぐらを離したカーラが一瞬でいつもの穏やかな表情に戻った。
「ん?何かな?」
「俺の幼馴染の男が、幼馴染の女にべた惚れしてるんスけど、この2人、昔、その…一緒に事故を起こしてて。その後遺症で女は記憶が欠如してて、男は男で大切なものをなくしてるんスね。で、2人を診た医者の話だと、男の体に2人の欠如したものが封印されているらしいんス。」
「うんうん、それで?」
「その医者の話だと、2人がまた会うと、その封印が2人のどう作用して、どうなるかわからないって言うんス。」
「おやまぁ」
「で、俺は良くないことが起こる気がして2人を合わせないように細工してきたんっスけど、こないだ偶々ばったり遭遇しちゃったみたいなんス。それで、男のほうがコレを機にもっと会えるように取り計らってくれと言ってきてて…。正直に話すか、今までみたくなんだかんだ誤魔化すか悩んでるんスけど、どうしたらいいと思います?」
「事情はさておき、君は何の味方をしたい?誰を応援したい?」
「俺っすか?うーん…」
カーラからの質問にユーリは今までのことを振り返ってみた。
「そこをハッキリさせれば自ずと答えが見えてくるんじゃないかな?まぁ、問題が起きたら起きたときに対処すればいいんだよ。お姉さんの助言はここまでかな」
「いや、ありがとうッス。なんだか道が見えて来たっす」
スッキリした顔のユーリを見て、カーラはじゃあねと言ってどこかに行ってしまった。
「応援か…俺は…」
パトリスはオリビアとの再会の奇跡と脳内で繰り広げられる甘い夢の話を延々としたため、最後に要約するとこんなことを書いた。
“オリビアに依頼したい魔導具があるから繋いでくれ”
手紙を受け取ったユーリは
「マジか…あー…どうすっかな~」
頭を抱えたあと、空を仰いだ。
ユーリはパトリスの想いの強さを知っているし、オリビアの想いの無さも知っていた。そして、2人を遭遇させることの危険度も、もちろん知っていた。
幼馴染であるパトリスの力になりたいとも思っている。
幼馴染であるオリビアに幸せになってもらいたいと思っている。
2人を交流させることが正しいのか誤りなのか判断がつかない…
「あー…難題すぎる…」
ユーリがにっちもさっちもいかなくなっていると、そこにたまたまカーラが通りかかった。
「やぁ、悩める青年。今日はいつも以上に頭を抱えているね。悩みならこのお姉さんが聞いてあげるよ」
「あ、カーラさん…こんにちわ」
挨拶もそこそこにカーラはユーリに詰め寄った。
「さぁさぁ、君の悩みは甘酸っぱい恋バナっかい?それとも青臭い青春物語かい?え?もっとピンクな悩み?」
「違うっす。あー…まてよ…カーラさんなら最適解がわかるかな?」
ユーリが一人ブツブツ言っていると、カーラに聞こえたようで、カーラが胸をドンと叩いて自信満々に頷いた。
「もちろんだとも。私にわからないことはないよ」
「そーっすよね。昔から外見が変わらないけど、かなりのババ…」
バギっ
「あ゛ぁ?なんだって?」
ユーリが禁句を言いかけたその時、カーラが物凄い形相でユーリにゲンコツを落とし、胸ぐらを掴んできた。
「いや、なんでもないっす…あ、あの、相談に乗ってもらってもいいっすか?」
ユーリが慌てて話を元の路線に戻すと、胸ぐらを離したカーラが一瞬でいつもの穏やかな表情に戻った。
「ん?何かな?」
「俺の幼馴染の男が、幼馴染の女にべた惚れしてるんスけど、この2人、昔、その…一緒に事故を起こしてて。その後遺症で女は記憶が欠如してて、男は男で大切なものをなくしてるんスね。で、2人を診た医者の話だと、男の体に2人の欠如したものが封印されているらしいんス。」
「うんうん、それで?」
「その医者の話だと、2人がまた会うと、その封印が2人のどう作用して、どうなるかわからないって言うんス。」
「おやまぁ」
「で、俺は良くないことが起こる気がして2人を合わせないように細工してきたんっスけど、こないだ偶々ばったり遭遇しちゃったみたいなんス。それで、男のほうがコレを機にもっと会えるように取り計らってくれと言ってきてて…。正直に話すか、今までみたくなんだかんだ誤魔化すか悩んでるんスけど、どうしたらいいと思います?」
「事情はさておき、君は何の味方をしたい?誰を応援したい?」
「俺っすか?うーん…」
カーラからの質問にユーリは今までのことを振り返ってみた。
「そこをハッキリさせれば自ずと答えが見えてくるんじゃないかな?まぁ、問題が起きたら起きたときに対処すればいいんだよ。お姉さんの助言はここまでかな」
「いや、ありがとうッス。なんだか道が見えて来たっす」
スッキリした顔のユーリを見て、カーラはじゃあねと言ってどこかに行ってしまった。
「応援か…俺は…」
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