想い想われ恋い焦がれ

周乃 太葉

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20.ある女性との邂逅

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パウラは目をキョロキョロさせて、

「えっと…宿は…あっちかな…いや、こっちかな…」

「ねぇ、パウラ、君まさか一人で来たの?」

パウラはビクッとした。
イーサンはパウラをじっと見た。

シミ1つない白のコート、裾から見える藤色のワンピース、磨かれて艶のあるブーツ、フワフワの帽子、帽子から流れる艶のある栗毛、温かそうな防寒着

パウラの身なりから一人で来たということは到底考えられなかった。

「保護者は?どこから来たの?近いの?」

イーサンは矢継ぎ早に質問した。

「……ぼ、私は…」

パウラが言葉を詰まらせていると、

「あーいたいた!ライラさんいましたよー」

ジュリとボロボロの旅装の女性が小走りでやってきた。

「あーいたいた。ジュリさん、助かりました。パウラ、勝手にウロウロしちゃだめじゃない」

ライラと呼ばれた女性がパウラを抱きしめた。

「お、おまっ…」

パウラが何か言いかけた瞬間ギュッとライラの腕に力が入り、パウラはライラの胸に埋もれてしまった。

「ライラさん良かったですね~。イーサン、ライラさんはパウラちゃんのお姉さんなんですって。はぐれちゃってずっと探してたみたいよ」

「そう…なのか?」

イーサンは二人のちぐはぐな服装に何やら腑に落ちなかったが、何やら嫌な予感がしたので、触れないでおくことにした。

「パウラがお世話になりました」

「いえ、こちらこそ。パウラの探してる水晶玉見つけることができなくて…」

イーサンがライラに謝っていると、ジュリが何かに気付き、

「水晶玉?これかしら?」

白衣のポケットからゴソゴソとハンカチに包まれた水晶玉を取り出した。

「これ、今朝、病院の入口に落ちてたんだ」

イーサンはパウラに確認をした。

「パウラ、これかい?」

パウラは呼ばれると、ライラを渾身の力で引き離した。

「ぷはっ!離せ、ライラ!あぁ、これだ。お姉さん、ありがとう」

「はい、どうぞ」

パウラがジュリにお礼を言うとジュリはパウラに水晶玉を渡した。

パウラは渡された水晶玉をジーッと見たあと、
「ライラ、お前はしばらくこの街に留まれ」
と、イーサンたちに聞こえないように命じた。

それからジュリに
「お姉さん、まだあなたがコレを持っていて。出番はこれからみたいだ」
と告げ、水晶玉を返した。

「えっ?でも…」

ジュリが躊躇うと、

「必要なときが来るからそれまで。使い終わったらライラに返してくれればいい」

と、言って話を終わりにした。
そして、イーサンに、

「お兄ちゃん、今日は1日ありがとう。これはお礼だよ」

と言ってブレスレットを渡した。

「ライラ、行くぞ」

パウラはライラを引き連れていってしまった。

パウラとライラが去ったあと、イーサンとジュリは思わず顔を見合わせた。

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