しあわせの魔王〜ポンコツ勇者と天才魔王のふしぎな建国記録〜  アルバ国攻略編

平塚冴子

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第七章

干ばつの村攻略作戦①

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 暑い、眩しい、私に影を~!

 翌日、時間もない事から馬を走らせて干ばつで苦しんでいる、城下街から離れた北部の村にやって来た。
 標高が他の土地よりも更に高く、木々も生えてるのは数本ほど。
 直射日光がフードとマントを突き抜けて私を攻撃して来る。
 私は数本生えている草木や木々をチェックしつつ、アルと共に村へ着いた。
 そりゃそうだ。
 一定の距離、アルから離れればまた昨日の様に左手のリングに引っ張られる。
 せめて、もう少し距離を設定してもらわなければ。
 村の中央に大規模な井戸の工事が作業一次停止して、私達を待っていた。

「でけえべ。
 この機械いくらで買ったべ?」
「…すいません、この井戸工事はどうしてこの場所に?
 まさか、元々あった井戸の場所とか?」

 私は工事を中断してこちらを見て頭を下げる職人に尋ねた。

「そうですが、何か問題でも?
 ここいら、地盤が硬いもんでこうした方が手っ取り早いと思いまして。」
「んん、そうですか。
 では、地質調査などの手順は踏んでいないのですね。
 確かに、機械にお金を掛けている様ですしコスト削減はわからなくはないのですが。」

 私は井戸の位置と畑の位置、そして点々と生える草木に視線を送った。

「アル?
 なんか気になった事あるべか?」
「ありありですよ。
 お金の掛け方が間違ってます。
 あの機械であの井戸の拡張より、私なら魔法使い1人を雇いますが。」
「魔法で水出してもらうべかな?
 水芸みてぇだな。」

 ガッ!

「痛ぇだよー!」

 思わず無言で脳天チョップを喰らわせてしまった。

「水脈探索ですよ。
 私の勘だと太い水脈は地下深くはもちろん、こことは全く別の場所にあります。
 どうせあの機械を今使うなら、井戸掘りではなく、この土地のかくはん作業に使用する方が良いかと。
 そして、確かな水脈を新たに掘る方が懸命かと思います。」
「かくはん??」
「この地割れ、かなり深いですが、見てください。
 この土地は硬い地盤と、そうでもない地盤の2層構造です。
 単に掘り返しても意味がありません。
 かくはん、つまり混ぜ合わせる事で硬い地質は水はけ、下の普通の土は水分を溜める、このバランスが良くなり少しはマシになるはずです。
 人の手で耕せる範囲ではありませんが、機械で一度かくはんさえしておけば、あとは人力でなんとかなるでしょう。
 まずは、水脈探索と畑のかくはん作業。
 コレが急務です。」
「スゲェだ!
 短時間でそんなにわかるなんて。
 さすがナナシ!
 これで、安泰だべな!」

 ガッ!

「痛ってえべ!
 何度もチョップするでねぇよ!
 このドS!」
「土地が出来ても、実りはしませんよ。
 この土地と畑に合う作物の選別をしなければなりません。
 これは意外と厄介なんですよ。」
「そうなんだべか?」

 おそらく、先程述べた様にここの水脈は地下深く。
 なるべく根の長く、乾いた土地でも育つ作物。
 しかも、他国で流通量の少ない物を選別しなければならない。
 産業とするには作れるだけではダメなのだ。

「あ、でももう、魔法使いを雇う金もねぇと思うけんど。
 財政大臣が許可を出すとも思えねぇべ。」
「ああ、あの場にいた影の薄い大臣か。
 そうですね、書類を山ほど作って妨害しそうですしね。
 では、水脈は私が何とかしましょう。
 何、目安はついているのですが、確証がないだけなので。」

 これは嘘ではない。
 確かに荒れた土地ではあるが、所々に草木があるという事は、そこに水分がいくらか確保されてるという事だ。
 しかもそれらをよく見ると1つの線として繋がっている。
 つまり、この草木の道筋が水脈への近道なのだ。
 
 
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