人魔両刀〜カスタマイズ進化という素敵ワード

朗々

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1話

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とある木造2階建ての学校の教室の1つでは生物学の講義が行われていた。

「純粋な人種は進化しない代わりに数が多い。
純粋な魔種は進化する代わりに数が少ない。
混血はどちらかに偏る半端な者で人種よりは少ないが魔種よりは多い中途半端な数いる。」

ある者は机に突っ伏し、ある者は外を眺める。

「一般的に人種は弱く、混血は人種よりは強く魔種よりは弱い、そして魔種は人種・混血とは隔絶した力を持つ。」

程よい気温を帯びた風が窓から入ってくるとたまらず生徒たちは欠伸がでてしまう。

「ただし人種は強欲な生物だった。さらに勤勉で努力家だった。」

そんな生徒たちにつられそうになるが何とか欠伸を噛み締めて表には出さないように話を続ける教師。

「人種は神に願った。『どうか力を』と…。その願いは力となり神に届いた。ただ思っていた神とは違い、神は人だったが。」

そこで一旦呼吸を整えるように深呼吸をする教師。

「カスタマイズ魔法を産み出しし『アレクス・ダイス』の命日にこの話をしたくて私は生物学の教師になり、齢50にしてようやくその日を迎えることができました。」

生徒達はその教師の夢を知っていた。
むしろその教師はタイミングを見計らっていたがために何かにつけてこの話をする者だから生徒達からはあまり好かれていなかった。

「今では人種であれば誰もが使える魔法『カスタマイズ』。これのおかげで魔種に蹂躙されるだけだった人種も対等に戦えるようになりました。」

この長く聞き飽きた話をそもそも誰か聞いているのだろうか?
そう思う生徒がチラチラと周りを見れば視線がかち合う者達でニヤッと笑いあう。

「ですが、それも今日までです。」

急に話の流れが変わったことに先程までニヤケ面を晒していた者達が真っ先に教師の方を振り向く。

そして気づく、教室が寒くなってきていることに。

「貴方達人種に恐怖を与えるために手始めにこの学園に潜りこんで早30年。
長かったですよほんとに…」

教師が言葉を発する度に教師の中はどんどん冷えてきている。

「あの者の呪いがこれほどまでに長く付き纏うとは思いもよりませんでしたが、今日でそれも終わりです。」

教室に意味のわからない程の重圧プレッシャーが掛かったように生徒達はほぼ全員が苦しそうに体を机に突っ伏す。

「はぁぁ。やっと祖国に帰れる。」

教師の顔は最早恍惚としていて、簡単に言えばイッてる。

「せんせぇ!そんなことよりカスタマイズ魔法の続きはぁ?」

そこで場違いな声が1つ。
教師が意図的に発してる重圧によってこの教室のほぼ・・全員が机に突っ伏し苦しんでる。
そんな状況で何とも間抜けな声で質問をしてきた生徒…否、人種の子供を蔑んだ視線を孕ませてちらと見る教師。

「おや、ジェネス君貴方は混血なので関係ない話ですよ。
それに私ももうこんなクソッタレな世界と関わらなくて済むという余韻に浸ってるのです黙っていてくれませんか?」

教師は先程よりもさらに強めの重圧プレッシャーを教室中にばらまく。
そのせいで何人かの生徒があからさまに顔面から血を流す。
どうやら机に顔がめり込み鼻血が噴出してしまったようだ。

「んー、じゃあ僕もここにいる必要ない?」

そんな重圧漂う教室に置いて異質とも言える声音で教師の言葉に返答するジェネスという少年。
その少年が言ってる言葉も大概噛み合っておらず教師も唖然としてしまう。

「…この重圧に耐え切れる子供がいるとは。転校生の混血君は先祖返りで魔種寄りなのですか?」

「僕は純粋な人種アルデール人の母と純粋な魔種ガギディガ人の父を持ってます!」

重圧に苦しみつつも話を聞いてた生徒らは頭にはてなマークが浮かぶ。
全員が思った。

「会話が成立しませんねぇ。」

教師も思っていたようだ。

「まぁいいです。私はこれでこの世界から帰れるわけですので。では…」

そう言って教師は大仰に右手を左から右に振ると姿を消した。

「あぁ、行っちゃったぁ。」

ジェネスと呼ばれた少年はがっくりと首を真下に下げて落ち込んだ。

そして教師が教室からいなくなり重圧が解けた生徒達は体を小刻みに震わせながらも生きてる事を表すように、叫んだ。

「僕もここにいる必要は無いね。あの有名なカスタマイズ魔法の布教家の話が聞けるって聞いてたから編入してたわけだし。」

そんな言葉を最後に教師が消えた方法と同じ方法でジェネスという少年もその場から消えた。
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