超人が異世界に転生したら

工藤進編

？？？

ーー陸上自衛隊
                   東部方面総監部



「山中総監、森山です」


「入れ」

    ノックに応じ部屋の中から入室の許可が出る。部屋の中には男が一人座っていた。

    胸に沢山の勲章を付けている事から階級が高いことが分かる。


「失礼します。工藤陸将をお連れ致しました。」

    森山が連れて来た工藤も座っている男と同じように胸に沢山の勲章をつけている。

「ご苦労」


「では、私はこれで失礼します」

男が頷くのを確認し森山は部屋から出る。

「久しぶりだな工藤
いや、工藤陸将とお呼びするべきか。
そこに座ってくれ。」

    山中は目で前にある来客用のソファーを指す。

「お久しぶりです山中陸将
流石に座る訳にはいきませんよ」


「変わらないな君は。
もう私は君の上官では無いのだがな。」


「上官で無くとも貴方は私の恩師です。」


「そうか
だが座ってくれ、話も長くなりそうだしな」


「分かりました。」

工藤が渋々ソファーに座る。
そしてその反対側のソファーに山中も座った。



「山中陸将東部方面隊総監への就任おめでとうございます。」


「ありがとう、しかし部下に同じ陸将が居るのも変な気分だな。工藤、お前調子はどうだ？」


「はい、私が指揮する特別強化部隊は先月の選考会によって隊員が1200名を超えましたので、大隊と『お前自身の事だ』」

呆れたように山中が話を遮る。

「あの事件からお前は自衛隊の事に異常な程手を入れている。それが悪い事だとは言わない、部下を思いやる事は大事なことだ。だがいくらなんでも限度がある。」


「ーーそうですね。
あの春輝が死ぬとは思いませんでしたからね。父と私にしごかれた春輝がまさかトラックにはねられただけで・・・

ですが大丈夫です。
気持ちの整理は出来ました。

もう、身近な人には死んで欲しくないのでトラック位に轢かれても大丈夫なよう隊員を鍛えてるだけですよ。」


(いや、普通死ぬだろ。
「はねられただけ」ってどんなしごき方したんだよ・・・
まさか、特別強化部隊ってそんなトラックに轢かれてもなんとも無いみたいな集まりなのか？)

「そ、そうだな。頑張ってくれ」

意志を持って仕事をしているんだから良いよな？


「そろそろ私を呼び出した理由を教えて下さい」


「そうだな。
   工藤、来月アメリカ、中国と合同軍事演習を行うことになった。
日本からは君の特別強化大隊を送る。

最近、日本は他国から舐められすぎている。

特に軍事においてだ。この打開策として政府は最大戦力である君の部隊を送ることを決めた。」


「ーーーしかしそれは」


「分かっている。自国の最大戦力を他国に公開する国があるはずが無い。
だがな、工藤特別顧問が居ない今、これを止める人間が政府には居ないのだ。外交、内政においても日本はギリギリの状態だ。

これは決定事項だ、やってくれるな。」







お披露目会はもうちょっと待って下さい(-｡-;