俺は、魔力0の最弱魔族!〜学園ランキング最下位の俺だが、理不尽跳ね除けトップへと成り上がる!〜

sizuma

文字の大きさ
6 / 23
第一章 入学! オルエイ高等学園!

6.寮が汚すぎる!

しおりを挟む
 中へ入ると、ロビーの受付のような場所で数人並んでいた。

 入居手続きで何か書かされているようだ。

 それにしても…… 
 
「やっぱ中も駄目そうだな……」

 俺が呟くと、ナルキが同調した。

「そうだねぇ~。外観よりはましと思えば何とか……?」

 歩くだけできしむ床。

 さびてる壁や天井。

 しかも、よく見ればあちらこちらに蜘蛛の巣がはられている。

 とてもだが、莫大な予算がつぎ込まれているオルエイ高等学園の寮とは思えない。

 俺達が言葉を失っていると、ローズマリーが口を開いた。

「来る途中、Aクラスの寮を見ましたが、とても比較になりませんわね。」

「……そうだな。あそこはえぐかったからな。」

 学校側の嫌味なのか、校舎からFクラス寮へ向かう際に必ずAクラス寮の隣を通るので、どうしても視界に入ってしまう。

 そんなAクラス寮なのだが、全体が黄金や宝石で覆われていて、超豪華。

 とても凄いなんて言葉で言い表せない。
 
 あれは寮1つで王宮よりお金かかってるな、絶対。
 
 それに対してこっちは……

 周囲を見渡すと、なんだか自分達が情けなく感じる。

 これがオルエイのクラス差か。

 担任の先生の言葉を借りると、この寮が俺達の身分にふさわしいってことになるが、流石に限度っていうものがあると思う。

 一体何百年前の建築物だよ。

 ずっと見てると住みたくなくなってくるので、俺はあえて視界を狭めて、これ以上見ないようにした。

 とりあえず、俺達は入居手続きを済ませることにした。








 手続きを終えると自分の部屋を案内された。

 Fクラスの寮は、他のクラスと比べると小さく、そのせいで2人1組で部屋を振り分けられるらしい。

 他のクラスは1人1部屋貰えるらしいのでここでもクラス差があるというわけだ。

 割り振りは登録した順で、俺はナルキと同じ部屋で過ごすことになった。

 ひとまず、先に届けておいた荷物を受け取り、自身の部屋で開封する。

 1人で荷物の整理をしていると、後から手続きを済ませたナルキが部屋へ入ってきた。

「うわぁ、ここで3年間生活するのかぁ……」

 見ると、ナルキは目を曇らせていた。

 部屋の様子を見て絶望したのだろう。

「寮を入った段階で、汚いだろう事はわかってただろ。とっとと荷物整理して、部屋の掃除するぞ。」

「確かに……これは掃除が必要だねぇ……」

 そう呟いて、彼も荷物の整理を始める。

 部屋には三人くらいが同時に使えそうな大きなカウンターが一つと、キッチンが一つ、そして二段式のベッドが一つと大きめの棚が一つ。

 棚にそれぞれの服や小物類を収納する感じだろう。

 机やベッドは最初から配置されている事を伝えられていたので、荷物自体はそんなに多くない。

 それはナルキも同じようだった。

 俺はテキパキと整理を進めた。
 
 荷物整理を終えると、いよいよ部屋の掃除だ。

 壁は薄汚れていてカビだらけだし、キッチンの床なんて、キノコが生えている。

 俺は試しに壁をさすってみた。

 すると、手のひらが真っ黒に変色する。

「これは……何というか……」

 もはや室内と呼んでいいのかわからない汚さだ。

 俺が言葉を詰まらせているのを見て、ナルキは更に目を曇らせた。

「時間かかりそうだね。」

「すぐには終わらないだろうな。」

 これから住む家になる場所である以上、汚いままというのは避けたい。

 掃除は必須なのだが、掃除用品は、ロビーに行けば貸してくれるだろうか?

「ひとまず受付へ向かうか……」

 俺がそうナルキへ言った瞬間、突如ドアがノックされた。

 なんだ? と思って扉を開けると二人の女の子が立っていた。

 例の二人だ。

「どうしたの? マリー。」

 ナルキがローズマリーに向かってそう言うと、彼女はジト目をしながら要件を伝える。

「二人とも、狩りへ行きますわよ。」

「「狩り?」」



 ★☆★☆★★☆★☆★
 


 場所は森で覆われた道。

 寮から狩りへと向かう道中である。

 オルエイ高等学園の生徒達は、狩りをして金を稼が無ければならないのだが、この狩猟にもルールが存在する。

 原則として、狩りを行う際は、受付所にて手続きを済まさなければならないのだ。
 
 怪我人や死亡者が出ないようにするための配慮で、色々説明や、やらなければならないことがあるらしい。

 その為、現在、俺達は狩りの受付所へと向かっている。

「それにしてもさあ、なんで急に狩り?」

 ナルキが小言を言っている。

「あら、不満かしら?」

「いや、別に? ただ、急だな~って思っただけ。」

「生活する為のお金稼ぎには狩りが必要ですの。お分かりですか?」

「いや、わかるけど、わざわざ今日やる?」

 生活する為には狩りでお金を稼がなければならない。

 例えばシャンプーや歯ブラシなどの日用品や朝昼晩の食用品。

 それらを買うために俺達は狩りをする。

 しかしナルキの言う通り、別に今日やる必要はない。

 というのも、先生の説明曰く、最初の一週間分の食料と生活必需品は無料で配布されるのだ。

 だから、一週間かけてゆっくりお金稼ぎを始めればいい。

 なんでこんなすぐに狩りに行こうと言い出すのだろうか。
 
「なんなら、俺達は部屋の掃除をしようと思ってたくらいだからな。」

 俺がそうつぶやくと、ローズマリーと一緒にいたもう一人の女の子が説明する。

「私たちも、しようと思ったの。それで、掃除用具貸してーって、管理人の人に問い合わせたんだけど、自分で買えって言われちゃって。」

「貸してくれないのか!?」

「うん……」

 まじか……

 それでお金を稼ぎにってことか。

 確かにあの部屋の状態ではとても寝泊まりなんてしたくないしな。

「なるほど、それは狩りをしないといけない案件だな。」

 俺がそう言うと、ローズマリーが反応する。

「わたくしたちだけで行ってもよかったのですけど、保険を打ってお二人方にも声をかけさせていただいたのですわ。」

 いろいろ状況を理解出来た。

 俺らからしてもメリットは色々あるし、来て正解だったな。

「それにしても、そこで声をかけるのが俺とナルキなんだな。貴族だったら他にも知り合いがいそうなもんだが…」

 魔界では、強い魔族が貴族となるため、貴族生まれの魔族は才能に恵まれた優秀な人材が多い。

 故に、オルエイ高等学園に入学する生徒は貴族が多くなる。

 また、貴族には貴族同士の顔のつながりが広いとよく聞くので、オルエイに知り合いが多くいそうなものだ。

 俺の考えを察してか、ローズマリーは答える。

「縁を切られましたの。」

 その余りにもド直球なもの言いに、一瞬呆ける。

「は?」

「一番下のクラスに入学が決まった時点で、周囲のオルエイ入学者とは完全に交流を絶たれましたわ。Fクラスの貴族出身者はわたくしとグレルだけなので、必然的に知り合いはいなくなりましたの。」

「なんか、ごめん。」

「気にしないでくださいまし。貴族階級ではよくあることですわ。」

 彼女は澄ました顔で言うので、なんだか申し訳なく感じてきてしまった。

 それにしても、貴族怖っ。

 そんな簡単に縁を切っちゃうんだ…

 見ると、彼女は少し切なそうに肩をすくめていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...