1000歳の魔女の代わりに嫁に行きます ~王子様、私の運命の人を探してください~

菱沼あゆ

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なんだかんだで魔法が使えました

異世界から来たんだろ、なにかできることはないのか

 
「いや~、昨日、恐ろしかったんですけどね。
 でも、あの風を切る感じが快感というか。

 車の免許取るときに乗らされたバイクがすごく気持ちよかったのを思い出したというか」

 車とかバイクとか、この世界に縁のないものを語り出すアキに、王子が言ってきた。

「そういえば、お前は異世界から来たんだったな。
 ということは、なにか人と違うことができるのか」

「は?」

「なんかすごい異国の料理とか作ったりとか」

「いやあ、料理はおむすびくらいしか」
と言ったが、

「なんだ、おむすびとは」
と王子は興味を示す。

「米をですね。
 あ、米ってありますか?」

「米か。
 いや、私は見たことないが。

 この辺り以外の地域にはあるのかもしれないな」

 そうだな。
 基本的な食生活はあまり変わらない気がするから、と思いながらアキは言った。

「そうですか。
 では、まず稲を育てねばですね」

 言いながら、えっ? そこからっ? と自分で思う。

 根性なしのアキは諦めた。

「他になにか美味しいものはないのか」

「美味しいものですか。
 グルメですね、王子。

 ラーメンとか最高ですよ」

「では作ってみよ」

「それにはまず、修行に行かねば……

 あっ、そうだ!

 フライパンひとつで作れるちゃんぽんなら作れますよっ!」

 スーパーで売っているあれだ。

「あ、でも、スーパーに買いに行かないと作れないな」
と呟いて、

「お前は本当になにができるのだ……」
と呆れたように王子に言われてしまう。

「お前、美しい以外になにか人よりすぐれたところがあるのか?」

 王子はそう言ったあとで、ふと思いついたように、

「そうだ。
 せっかく花嫁として来たのだから、夜伽よとぎをせよ」
と言い出した。

「意外な才能があるかもしれん」

「ないです」

「あるかもしれん」

「ないです」

 斜め後ろで馬に乗っていたラロック中尉が、

「初心者二人で、そんなこと言い合ってて、なにかどうにかなるんですか?

 っていうか、アンブリッジローズ殿に意外な夜伽の才能があったとしても。
 王子には、それが意外な才能かどうか、判断できないのでは?」
と呟いて、王子に睨まれていた。


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