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エミリの魔法家電
ロンヤードの帰還
しおりを挟む「おお、ロンヤード、戻ったかっ」
「魔物たちに食い殺されたかと思ったぞっ」
宮殿に戻ったロンヤードは長老たちに歓待された。
いや、一日三度、マーレクが行ったり帰ったりしているのに、何故、私だけ食い殺されると思うんですか……とロンヤードは思う。
「……それにしても、血色がよくなったな、お前たち」
そう言う長老たちは訝しげな顔をしていた。
ロンヤードも兵士たちも行く前よりも、つやつやになっていたからだろう。
「はあ、向こうでも歓待されまして。
帰り際には、『じゃぐじー』とかいうものにも入りました。
エミリ様が作り方をお教えくださり、魔王様が丁寧な図面を作ってくださいました」
これを、とロンヤードが言うと、兵士のひとりが石版に彫られた図面を恭しく長老たちに差し出す。
魔王の城では紙も用意できたようなのだが。
石に彫った方が年月を経ても風化しづらいだろうということで、エミリが石版に彫ってくれたのだ。
みなは図面を見る前から、驚きどよめいていた。
「魔王様がわざわざっ!?」
「エミリ様たっての願いだからでしょう。
魔王様、自ら図面を引いてくださいました。
お二人は、大変仲睦まじいご夫婦で。
わたくしたち、みな、見ていて、ほっこりいたしました。
私も新婚時代を思い出したので。
これからは、妻と仲良く暮らそうと思います」
「それはよかったな。
……って、待て。
お前、自分がなにをしに行ったのか、覚えておるか?
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長老たちは元奴隷にして、麗しき神の子、エミリの姿を求め、きょろきょろとする。
輿の中もカラのようだし……と思った彼らは、兵の前にいる灰色のマントを羽織った人物に気がついたようだった。
フードで顔を隠したその姿を見、
「エミリ様か?」
と長老たちは身を乗り出す。
魔王の城から脱出したエミリに危険がないよう、変装させているのかと思ったようだった。
「いえ、旅の途中で出会った謎の老人です」
ぱさりと老人はマントのフードを落とす。
柔和な顔をした、置き物のような小柄な老人が姿を現した。
それを見ながら、長老たちがロンヤードに向かい、呟いた。
「……いや、お前。
ほんとうに、なにしに行った……」
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