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これは本気の恋かもしれない
ちょうどいい聞いてくれ
「寝ているのならちょうどいい。
……聞いてもらおう」
そんな誠孝の声で、日子の意識は戻った。
自分がすごい体勢で寝ていると気がついたが、向きを変えることもできない。
話の続きが聞きたかったからだ。
寝ているのならちょうどいいと言うことは、起きたら話すのをやめるに違いない。
そう日子は思っていた。
ちょっと沈黙があった。
おっさんのようにひっくり返って寝たまま日子は誠孝の言葉を待つ。
「……好きとか嫌いとか。
俺はさっぱりわからないんだが」
いきなりそんなことを誠孝が言い出して、どきりとする。
らしくもなく、恋愛について語ろうとしているように思えたからだ。
いやいや、誠孝さんのことだから、今日のバーベキューについて語っているのかもしれないと一応、違った場合に備え、身構えておく。
緊張したのが無駄になったときのためだ。
だが、誠孝は、
「そういうことはよくわからないが……。
もう毎日、お前がいるのが当たり前になっていて。
このまま、お前のいる毎日がずっと続いてたらな、と思う。
寝ても覚めても。
目が覚めたら、何万年も経ってても。
お前が側にいてくれたら、平気だ。
地球が滅んでても、毎日、朝起きて、お前と話して、狩りでもして、ご飯食べて、一日過ごして、また寝て」
……うん、と誠孝は自分で言いながら頷く。
「断捨離するまでもなく、なにもない世界になってしまっても。
お前がいたら、俺はそれで幸せな気がする。
いや、上手く言えてないな。
この言葉では、俺の気持ちのすべてを言い表せてはいない気がする。
ベルゼブブさんならもっと上手く言うんだろうけどな。
ベルゼブブさんくらいハッキリ物が言えて、東城くらい真っ直ぐにお前を見つめていられたら。
もっとこの想いがちゃんと伝わるんだろうか」
そこで誠孝はひとつ溜息をついて黙った。
「……どうやったら、お前とずっと一緒にいられるのか。
ずっと考えてた。
今の暮らしは楽しいけど。
マンション賃貸だから、いつかどちらかが出ていくかもしれないし。
今のような日常を普通に続けるのが、家族ってものかなと思うから。
お前と家族になるのがいいと思うんだが……」
誠孝の言葉とも思えないセリフを聞きながら、おっさんのように寝たまま、日子はドキドキしていた。
「家族か。
やはり、養子縁組か」
いや、なんで、養子縁組!?
「それか、結婚か」
結婚なんであとっ!?
誠孝の手が日子がひっくり返っているソファの背に触れる。
日子の顔を覗き込むようにして、誠孝は言った。
「日子。
好きとか嫌いとか俺にはよくわからないが。
お前とずっと一緒にいられたらなと思う。
結婚してくれ、日子。
お前のことを好きかどうかは、長く一緒にいたら、こんな俺でも、きっと答えが出ると思うから。
――とお前が起きたら言おうと思っている。
リハーサルができてよか……っ」
なに泣いてんだ、日子っ!?
と誠孝が叫んだ。
「駄目です~っ。
もう寝たフリできません~っ」
と言って、日子は側にいた誠孝にしがみついた。
ああ、あの部屋の匂いがする、とその胸に触れた日子は思う。
誠孝の服から、誠孝の部屋の香りがしていた。
ほんのりとした上品な香り。
初めて緊張して訪れた日のことを思い出し、泣きそうになる。
誠孝は、
「話す本番、なくなったじゃないか」
と苦笑しながら、自分にしがみついている日子の頭をぽんぽんと軽く叩いてきた。
思わず涙ぐんでしまった目元に手をやろうとした日子の両の手首をつかみ、誠孝は言う。
「今まで、誰も好きだとか付き合いたいとか思ったこともないから、よくわからないけど。
お前だけは違う気がするから。
……だから。
これから、ゆっくり考えてみようと思う。
お前と、お前と過ごしたい、これからの人生のことを」
そう言いながら、誠孝は日子を抱き上げた。
そっと口づけてくる。
日子はまだ混乱していたが、そのままあのひとつしかない寝室に連れ去られそうになる。
「いやっ、あのっ。
今、ゆっくり考えるって言いましたよっ?」
と日子はさっきのソファに戻ろうと何度もそちらを振り返った。
だが、誠孝は寝室のドアを小器用に開けながら言う。
「全部終わって気持ちが落ち着いてから、考える。
今は……
お前をずっとこうして抱いていたくて、頭がいっぱいだから」
そうですか。
私はきっと、今もこのあとも。
なにも考えられなくなりそうなんですけど…と思いながら、日子は立ち止まった誠孝の口づけをもう一度を受けた。
……いつも通りの朝だ、と誠孝は思っていた。
さっきまでのラブラブな感じは何処行った?
ここを出立する前、最後の朝食用バーベキューをしようと日子は張り切っていた。
朝くらいはとスタッフの人の手はほとんど借りずに火を起こしたりすることにしたのだ。
「上手くいかないなあ」
焚き火台の前にしゃがむ日子がそう呟いたとき、
「じゃあ、これでつけろ」
と火起こし器を持った手が、にゅっとウッドデッキの真横から出てきた。
振り返ると、新太が立っていた。
裕子たちもいる。
「ばあさんがなにか隠してる風なんで、問い詰めたら吐いた。
今朝まで邪魔しないでやったんだぞ。
褒めろ」
っていうことは、今からは邪魔する気なんだな……と誠孝は思っていた。
裕子が、
「私たちは日帰りプランで別の棟を借りたんですよ。
日子さんたち、ここ十時までなんでしょう?
合流しませんか?」
と笑って言ってくる。
「あっ、いいねっ」
と言う日子に、
よくないぞっ、と誠孝は思っていたが、楽しそうな日子を見て、
……まあ、いいかと諦める。
今日からきっと、二人きりになろうと思ったら、いつでもなれるしな。
たぶん……。
……きっと。
「じゃあ、朝食食べてチェックアウトしたら、合流します」
と誠孝は新太に言った。
「了解。
もうお前らの分も数入れて払ってるから」
とベルゼブブ新太は言って、みんなを連れ、去っていった。
日子たちがチェックアウトの準備をしている頃、星野は売店側の自動販売機の前に立っていた。
いつか日子がくれたのと同じ甘い缶コーヒーを買い、飲み干して、この気持ちに決着をつけようと思ったのだ。
だが、お金を入れようとしたとき、誰かが先に電子マネーでピッとやってしまった。
えっ? と振り向くと、郁美が立っている。
「私が買ってあげる。
それ飲み干したら、きっと新しい恋に向かえるよ」
すべてわかっているように郁美は言い、甘いコーヒーのボタンを押そうとしたが、横から出てきた指が先に押し、ごろん、と缶が出てきてしまう。
「羽根~っ」
とその指の正体に気づき、振り向いた郁美が文句を言ったが、羽根は、
「さ、星野。
私の押した缶コーヒー、飲み干して」
と笑顔だ。
「ちょっと、羽根っ。
お金出したの私だからねっ。
星野と新しい恋を始めるのは私よっ」
いつから、これを買ってくれた人と恋をすることに決まったのだろう……。
そう思いながらも、騒がしい二人に少し気の紛れた星野はよく晴れた空を眺めながら、その缶コーヒーを飲み干した。
新太たちが借りていたのは、ドッグランが近くにある棟だった。
ペットも一緒に過ごせる区域のようで、日子の家のサモエド、ミカエルも来ていた。
スキレットでドイツ風パンケーキのダッチベイビーを作りながら新太が言う。
「いいぞ、お前ら結婚しても」
いや、何故、あなたの許可がいるのですか、と日子は思っていたが。
新太は兄にも等しい存在だし、今、ダッチベイビーを焼いてくれているし、黙っていた。
「だが、俺もちょうどこれは本気の恋かもしれないと思っていたところだ」
と言って、新太は日子を見つめる。
「結婚しても離婚するが。
俺と日子は夫婦ではないから離婚しないし。
親兄弟でもないから、勘当もない。
永遠だ」
言い切る新太に、誠孝が、
「なんか負けた気がする……」
と呟いて、
「ま、負けてませんよ、誠孝さん!」
とルシファー高道に慰められ、ミカエルに背中に乗られていた。
小器用に火加減を調節する新太は、
「新太さん、バーベキュー手際いいですね~」
と裕子に褒められていた。
「いや、バーベキューとか苦手なんだが。
今日はお前たちがいるから、楽しいな。
日子に誠孝もいるし」
と新太は火の様子を窺いながら言う。
今、二人がくっついて振られたばかりなのに。
心広い! と新太の株が上がったので、新太が日子を諦めるかどうかはともかくとして、本人が望めば、すぐに次の恋ははじまりそうだった。
俺はまだ、しばらくは気持ちを切り替えられそうにないな、と思いながら、東城は足りなくなった生クリームの買い出し向かっていた。
見知った顔の女が目の前に立つ。
あの社長令嬢だった。
何故、ここにっ、と身構える東城に彼女は言う。
「ごめんなさい、東条さん。
私、ほんとはあなたに謝りたくて……」
それで付け回してたの、と彼女は恥ずかしそうに言った。
ごめんなさい、と深々と頭を下げてくる。
「いや、いいんだ。
気にするな。
なんか今の仕事の方が向いてたみたいで、気に入ってるし」
そんな東城のやさしさに彼女は涙ぐむ。
「ありがとう、東城さん。
私ね、今度、お見合いするの」
……そうか、と東城は感慨深く頷いた。
「こんな俺を、好きになってくれてありがとう」
「東城さん、今までありがとう。
お元気で」
と彼女は手を握ってくる。
「ああ、元気で」
と東城は言ったが、彼女は握った手を離さない。
「元気で」
「止めてくれてもいいのよ」
「……元気で」
東城はもう一度繰り返してみた。
「あー、疲れましたね~。
でも、楽しかったです」
夕方、誠孝とともに家に帰った日子は壁際にキャリーバッグを置いた。
ガランと片付いている部屋を感慨深く眺める。
「せっかく片付いたとこだったけど。
まあ、荷物が減っててよかったってことで」
帰り道、誠孝が言ってきたのだ。
「……部屋、広いし、ひとつでいいんじゃないか?」
と。
日子が誠孝の部屋の美しい調度品も仄かないい香りも気に入っていたので、日子の部屋を解約して、ふたりで誠孝の部屋に住むことになったのだ。
ここに引っ越してきた日からのことが思い出されたが、よく考えたら、まだそんなに経っていなかった。
でも、なんか濃密な数ヶ月だったな……と日子が思ったとき、誠孝が言い出した。
「だが、引っ越すのなら、もっと捨てないとな」
……もうこの部屋のもの、全部捨てたんでいいんじゃないんですかね、と日子が思ったとき、相変わらず容赦のない誠孝が言ってくる。
「あの世にまで持っていきたいものはこの部屋の中にあるか」
「ありま……」
ありません、と言いかけ、日子はやめた。
誠孝を見つめて笑う。
「あります」
そんな日子の目に、テレビの前のゲーム機が入った。
あのゲーム画面に「シゲタカ」と表示されていたあの朝から、私の生活すべてシゲタカさんに染まっちゃったな、と日子は思う。
いや、違うかな。
もしかしたら、この人をこの部屋に入れた最初から。
ゲームしませんかと私が言ったあと、職場とは違う、戸惑うような顔で私を見下ろしてきたあのときから。
ずっと私はこの人に恋をしていたのかも――。
誠孝は、
「俺はお前の部屋の物じゃないぞ」
と言ったが、らしくもなく赤くなっていた。
日子はそんな誠孝を見て微笑んだあとで、
そうだ。
あの虹の写真、インスタにあげよう、とスマホを手にした。
だが、誠孝が後ろから日子の腰に手を回し、引き寄せる。
ひゃっと小さく声を上げ、日子はスマホを落とした。
なにするんですかっ、と振り返った日子に誠孝は口づけてくる。
間近に日子を見つめた誠孝がちょっと笑って言ってきた。
「お前は極端だから、見た物全部捨てはじめたりするからな。
俺を捨てないよう……」
目を閉じてろ――。
そう言いながら、誠孝がもう一度強く口づけてくる。
日子の足元に落ちたスマホの画面はまだ明るく。
そこには、鮮やかな二重の虹と、ベルゼブブや香椎たちからのいいねが映っていた。
完
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