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街
104俺の目的
しおりを挟む「ロジェが何処も痛く無いなら良いんだが……ああ、それと服なんだが、ロジェにも似合う服を何着か購入してあるから……ああ、この服着てくれたんだな」
「うん。俺にピッタリの素敵な服だったよ。ここは高級なホテルだし、こんな綺麗な服を持っていなかったから助かったよ」
「そうかっ。私もこの服を着たロジェをエスコートして一緒に街を歩いて見たかったよ。……ああ、今のはごめんな。聞かなかった事にしてくれっ」
「…………」
ランズは少し悲しそうな表情をしたが、俺に気をつかっているのか努めて明るく振る舞ってくれた。
でも俺は知っているんだ。俺に告白したけど断られて、その後にもう新しい恋人ができたって。
俺が黙ったまま静かにしていると「ルームサービスは食べないのか?」とか「腰の具合は大丈夫か?」とか甲斐甲斐しく声をかけてくれるので、俺も変な意地は張らずに普通に過ごしていた。するとランズは神妙な面持ちで俺に質問してきた。
「ロジェ……それで、今日は綺麗な服を着て街に繰り出し……お前の念願だった目的は達成できたのか……?」
「ん?俺の念願だった目的……?って何だっけ?」
「だからお前の……童貞を捨てるっていう……」
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