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②
しおりを挟む「いや~ん、お帰りなちゃ~い」
え?
「早く中に入りなさいよ~。カモ~ン!」
バタン!――
俺は慌ててドアを閉めた。
何だ!?
何だ、今のは!?
確実に、俺の部屋に誰かいたぞ!
俺はもう一度、表札を確認。
『戸倉』と書かれている。
間違いない。
やっぱり、俺の部屋だ。
「だ、誰なんだ……?」
俺はゆっくりと、もう一度ドアを開けた。
するとそこには、
「おげんこ~」
中世の貴族のような派手な服を着て、カールのかかった綺麗な金髪の男が、笑顔で手を振りながら立っていた。
「だ、誰……?」
俺は震える声で尋ねた。
「お、俺の部屋で何をしているんだ……?」
「ん? あたし?」
金髪の男は、かわいこぶりっこをしながら言った。
「まあ、ぶっちゃけて言うと、幽霊って感じかしらん。いや~ん、ちょ~恥ずかしい~」
「ゆ、幽霊……?」
…………へ?
俺の頭には、無数のクエスチョンマークが浮かんだ。
き、聞きたいことがありすぎる。
何から、何から聞けばいいんだ。
「えっと……」
とりあえず俺は、この質問から始めた。
「幽霊ってことは、死んでるってことですよね?」
「やだ~、当たり前じゃない~、ユーって、面白いこと言うわね~」
「で、ですよね。それと……」
俺はもう一つ尋ねた。
「あなた……男ですか?」
「いや~ん、そんなの聞かないで~、ほっぺた、まっかっかにほてる~!」
「ハ、ハハ……」
「恥ずい~~~!!」
「ハ、ハハ……」
…………
……なっ!
なんだ、こいつはぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!!
俺は目を見開いたまま固まってしまった。
そいつは、自分のことを幽霊だと言っている。
しかも、貴族の格好をしていて、オカマちゃんというおまけつき。
濃すぎる!
キャラが濃すぎるぞ!!!
「あ、あの」
俺は目を泳がせながら尋ねた。
「それで……なんで僕の部屋に?」
「実はねぇ~」
幽霊はモジモジしながら言った。
「あなた、3年前にフィンランドに来たでしょ?」
「あぁ、は、はい」
確かに、俺はフィンランドに行ったことがある。
大学の卒業旅行だ。
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