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本編
4月は新たな出会いがある
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ーーー4月7日。
今日は待ちに待った、始業式である。
この世界が乙女ゲームの世界だと思い出したあの日から、待ちわびていた始業式!
「いやー、楽しみですな!」
「俺は全然楽しくない」
従兄弟の柊聖は朝からゲッソリとしている。
まぁ、そうだよね。
「今日から運命の1年間が始まるもんね」
「わかってるなら笑うなよ・・・。あと、約束、覚えてるよな」
「もっちろーん。私を誰だと思ってるの?」
「ただの従兄弟で、不詳の従兄弟」
とてもひどい事言われた。
「ふーん、そんな事言うならやめちゃおっかなー」
「すんません。俺が悪かったです」
相変わらず、私に弱い。
柊聖と交わした約束は三つ。
一つは、ヒロインから柊聖を遠ざけること。
二つは、ヒロインと私が仲良くして、情報を聞き出すこと。
三つは、柊聖が危機的状況だった場合、邪魔をすること。
この三つだ。
「俺の教師生命に泥を塗るようなことはやりたくない・・・」
この言葉がきっかけになり、私は助けることを決めた。
だが、主人公であるヒロインが転校してくるのは4月の中旬。
まだあと2週間はある。
この2週間を使って対策を練らなければ。
そう意気込んでいると、
「りーんーちゃーん!」
大きな声で呼ばれて、振り向くと背中からタックルされそのまま歩道に前滑りした。
「ああ!凛ちゃんごめん!つい勢い余って・・・」
「お、おお・・・。朝から元気だな・・・若宮」
「あれ?水無月先生だー!おはようございまーす!凛ちゃんと一緒にいるなんて、珍しいですね」
私のお友達、若宮英里だ。
元気娘で運動神経が抜群なため、今みたいにタックルされては私が怪我をする・・・というパターンが多い。
これ・・・かなり私が不幸体質なんじゃないかと思えてくる。
「え!?えー・・・とな、たまたまそこで会ったんだ。たまたま」
「ふーん。たまたまねー」
「ほ、ほら!早くしないと遅刻するぞ!ほら、走れ!」
「あ!ちょ、押さないで!また転ぶ!」
「レッツゴー!」
柊聖に背中を押されたまま、走って学校を目指した。
今日は待ちに待った、始業式である。
この世界が乙女ゲームの世界だと思い出したあの日から、待ちわびていた始業式!
「いやー、楽しみですな!」
「俺は全然楽しくない」
従兄弟の柊聖は朝からゲッソリとしている。
まぁ、そうだよね。
「今日から運命の1年間が始まるもんね」
「わかってるなら笑うなよ・・・。あと、約束、覚えてるよな」
「もっちろーん。私を誰だと思ってるの?」
「ただの従兄弟で、不詳の従兄弟」
とてもひどい事言われた。
「ふーん、そんな事言うならやめちゃおっかなー」
「すんません。俺が悪かったです」
相変わらず、私に弱い。
柊聖と交わした約束は三つ。
一つは、ヒロインから柊聖を遠ざけること。
二つは、ヒロインと私が仲良くして、情報を聞き出すこと。
三つは、柊聖が危機的状況だった場合、邪魔をすること。
この三つだ。
「俺の教師生命に泥を塗るようなことはやりたくない・・・」
この言葉がきっかけになり、私は助けることを決めた。
だが、主人公であるヒロインが転校してくるのは4月の中旬。
まだあと2週間はある。
この2週間を使って対策を練らなければ。
そう意気込んでいると、
「りーんーちゃーん!」
大きな声で呼ばれて、振り向くと背中からタックルされそのまま歩道に前滑りした。
「ああ!凛ちゃんごめん!つい勢い余って・・・」
「お、おお・・・。朝から元気だな・・・若宮」
「あれ?水無月先生だー!おはようございまーす!凛ちゃんと一緒にいるなんて、珍しいですね」
私のお友達、若宮英里だ。
元気娘で運動神経が抜群なため、今みたいにタックルされては私が怪我をする・・・というパターンが多い。
これ・・・かなり私が不幸体質なんじゃないかと思えてくる。
「え!?えー・・・とな、たまたまそこで会ったんだ。たまたま」
「ふーん。たまたまねー」
「ほ、ほら!早くしないと遅刻するぞ!ほら、走れ!」
「あ!ちょ、押さないで!また転ぶ!」
「レッツゴー!」
柊聖に背中を押されたまま、走って学校を目指した。
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