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出会い
二度目の契約
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…そういえば、さっきから顔をあまり見ていなかったが中々の美人だ。
ネコ人か…猫というよりタヌキ顔というのか、
なんとも人懐っこそうな愛嬌のある顔立ちだ。
「ああ、おれは佐藤誠、しがない剣士の冒険者さ。」
「冒険者…あ、実は私、ダンジョン攻略とモンスター討伐を生業としている物理攻撃専門
のアタッカーなんです。」
「へえ、意外だな。そんなおっちょこちょいなのに大丈夫か?」
「これでも戦闘の時は結構役に立つんですよ私!
…そうだ…誠さん今パーティは?」
「ああ…今は特別組んではいなんだが…」
「それなら、今回のお礼に次のクエストまでお供しますよ!
もろもろの契約料は結構ですし、報酬も8:2で結構ですので!」
―まさか彼女から誘ってくるなんて!
これは絶好のチャンス!!乗らない手はありません!!
……んー、この女神の作戦に乗っかるような形になるから個人的には気が進まないが…
それを抜きにしても、かなり好条件の話だ。
普通クエストを受ける場合は、自分で仲間を募集し、雇い主としてまず契約料の支払い、
クエスト終了までの費用は全て雇い主が負担する。その代わり報酬金額や雇った人数にも
よるが、クエストの報酬金額は雇い主が6割ほど持っていき、
その他を雇ったものが働きに応じて山分け、というのが通例だ。
…正直、最近ロクにクエストも受けず飲んだくれていたので金欠ではあった。
「本当にそんな条件で良いのか?」
「ええ♪ネコ人族は人から受けた御恩は必ず返します♪」
「…そうか、ならせっかくのご厚意だ。甘えさせてもらおう。」
「契約完了ですね!
…ちなみに私、契約とは別にもう一人一緒に行動しているものがいるんですけど、
それも一緒で大丈夫ですか?あ、契約内容は変わらずですよ!」
契約というものに敏感になっていたおれは少し疑念を持ち、
そのもう一人なるものについて確認をしてみた。
「もう一人とはどんな…?」
「ああ…そうですよね!…ええと、魔法全般使える魔法使いです!
攻撃魔法も防御魔法、回復魔法も何でも使えます………よ。」
「マジか!その魔法使いも一緒にクエストに行ってくれるのか!
おれなんて初歩の簡単な防御魔法しか使えないのに…
しかしその者に確認を取らずにそんな契約をしてしまって大丈夫か?」
ニャミスはニコ―っと笑って答える。
「大丈夫ですよ♪契約に関しては全部私に丸投げで、いい加減な子なんで!」
それはそれで大丈夫か…?
とも思ったが、これ以上の好待遇そうそうあるものではない。
おれは二つ返事でOKのサインを出す。
「よし!契約成立だ!」
「はい♪よろしくお願いしますね♪」
―やりましたね誠君!話から察するに魔法使いの子も同じくらいの女の子っぽいですし、
一気にハーレムパーティに近づくじゃないですか!
全部私のおかげですよ!感謝してください!
―恩着せがましい女神だ…
先に言っておくが、おれは直ぐに彼女たちとどうこうなろうとか考えてはいないからな。
異世界恋愛とはそんな、カップラーメンのようにインスタントなものではない。
冒険を共にする中で艱難辛苦を乗り越え、その先に友情や愛情が芽生えるのだ。
邪魔はするなよ!
―めんどくせえー。さっさとくっついてイチャイチャしちゃえばいいじゃん。
YOU!さくっとイチャイチャしちゃいなよ!
―女神にあるまじき言動と態度だな…。
が、まあトラブルが良い方向に転んだと、
その時のおれは思っていた。
そこまでは――――――――――――
○
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおー!!
死ぬううううううううううううううううううううううううううー!!」
おれはその後激しく後悔することになる。
契約する時に、もう一人の魔法使いについて何故もっと細かく聞いておかなかったのか…
何故たかだか、ケガの手当をしたくらいでそんな好条件の話が転がってくるのか…
もっと慎重に考えなければいけなかった。
2度あることは3度あるという…なら、まだこの詐欺まがいの契約は続くのだろうか…
おれはこれから必ず契約内容を隅々まで熟読し、書面が無い場合は、
事細かな情報共有を必ず相手を確認して行わなければならいと心に誓うのだった。
ネコ人か…猫というよりタヌキ顔というのか、
なんとも人懐っこそうな愛嬌のある顔立ちだ。
「ああ、おれは佐藤誠、しがない剣士の冒険者さ。」
「冒険者…あ、実は私、ダンジョン攻略とモンスター討伐を生業としている物理攻撃専門
のアタッカーなんです。」
「へえ、意外だな。そんなおっちょこちょいなのに大丈夫か?」
「これでも戦闘の時は結構役に立つんですよ私!
…そうだ…誠さん今パーティは?」
「ああ…今は特別組んではいなんだが…」
「それなら、今回のお礼に次のクエストまでお供しますよ!
もろもろの契約料は結構ですし、報酬も8:2で結構ですので!」
―まさか彼女から誘ってくるなんて!
これは絶好のチャンス!!乗らない手はありません!!
……んー、この女神の作戦に乗っかるような形になるから個人的には気が進まないが…
それを抜きにしても、かなり好条件の話だ。
普通クエストを受ける場合は、自分で仲間を募集し、雇い主としてまず契約料の支払い、
クエスト終了までの費用は全て雇い主が負担する。その代わり報酬金額や雇った人数にも
よるが、クエストの報酬金額は雇い主が6割ほど持っていき、
その他を雇ったものが働きに応じて山分け、というのが通例だ。
…正直、最近ロクにクエストも受けず飲んだくれていたので金欠ではあった。
「本当にそんな条件で良いのか?」
「ええ♪ネコ人族は人から受けた御恩は必ず返します♪」
「…そうか、ならせっかくのご厚意だ。甘えさせてもらおう。」
「契約完了ですね!
…ちなみに私、契約とは別にもう一人一緒に行動しているものがいるんですけど、
それも一緒で大丈夫ですか?あ、契約内容は変わらずですよ!」
契約というものに敏感になっていたおれは少し疑念を持ち、
そのもう一人なるものについて確認をしてみた。
「もう一人とはどんな…?」
「ああ…そうですよね!…ええと、魔法全般使える魔法使いです!
攻撃魔法も防御魔法、回復魔法も何でも使えます………よ。」
「マジか!その魔法使いも一緒にクエストに行ってくれるのか!
おれなんて初歩の簡単な防御魔法しか使えないのに…
しかしその者に確認を取らずにそんな契約をしてしまって大丈夫か?」
ニャミスはニコ―っと笑って答える。
「大丈夫ですよ♪契約に関しては全部私に丸投げで、いい加減な子なんで!」
それはそれで大丈夫か…?
とも思ったが、これ以上の好待遇そうそうあるものではない。
おれは二つ返事でOKのサインを出す。
「よし!契約成立だ!」
「はい♪よろしくお願いしますね♪」
―やりましたね誠君!話から察するに魔法使いの子も同じくらいの女の子っぽいですし、
一気にハーレムパーティに近づくじゃないですか!
全部私のおかげですよ!感謝してください!
―恩着せがましい女神だ…
先に言っておくが、おれは直ぐに彼女たちとどうこうなろうとか考えてはいないからな。
異世界恋愛とはそんな、カップラーメンのようにインスタントなものではない。
冒険を共にする中で艱難辛苦を乗り越え、その先に友情や愛情が芽生えるのだ。
邪魔はするなよ!
―めんどくせえー。さっさとくっついてイチャイチャしちゃえばいいじゃん。
YOU!さくっとイチャイチャしちゃいなよ!
―女神にあるまじき言動と態度だな…。
が、まあトラブルが良い方向に転んだと、
その時のおれは思っていた。
そこまでは――――――――――――
○
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおー!!
死ぬううううううううううううううううううううううううううー!!」
おれはその後激しく後悔することになる。
契約する時に、もう一人の魔法使いについて何故もっと細かく聞いておかなかったのか…
何故たかだか、ケガの手当をしたくらいでそんな好条件の話が転がってくるのか…
もっと慎重に考えなければいけなかった。
2度あることは3度あるという…なら、まだこの詐欺まがいの契約は続くのだろうか…
おれはこれから必ず契約内容を隅々まで熟読し、書面が無い場合は、
事細かな情報共有を必ず相手を確認して行わなければならいと心に誓うのだった。
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