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出会い
ダンジョンに仕掛け?
しおりを挟む「バカ言うな!
もしキザ(死の魔法)が出てきたらどうするつもりだ!
それにこんな狭いダンジョンでもし爆発魔法何て出てきてみろ!
あっという間に生き埋めだぞ!」
「…そんな怒んないでくださいよーー、じゃあどうします?」
「どうするって…空間転移の魔法が使えないなら、自力で脱出するしかないじゃないか。」
「…私のせい…?」
クーが少ししょんぼりしている。
いやまあ、そうなんだけどそうじゃないというか…
もともとの原因はニャミス…いや、こいつらの能力を詳しく聞かずに契約を取り付けた
おれにも多少の責任はあるか…
ただ今はこんなことを考えていてもしょうがない、脱出方法を考えなければ。
「クーのせいじゃないよ。大丈夫、ちゃんと外に出られるから、
とりあえず一旦休んで食事にしよう。」
ダンジョンの中で迷った時の対処法、それはこれまで歩いてきた道を注意深く観察しなが
ら元来た道を戻ること、焦ってむやみに歩き回るのは自殺行為だ。
とりあえずは気持ちを落ち着かせよう…
3人で軽い食事を済ませた後、
おれはニャミスとクーに改めて方針を伝える。
「いいか、今まできた道の端を手を付きながらゆっくりと歩くぞ。
俺は左側、ニャミスとクーは右側だ。」
「ほう、その心は?」
ニャミスが落語家のように聞き返してくる。
「俺たちはさっきまでずっと左手の法則にしたがって歩いてきた。
にも関わらず元来た道に戻ってきてしまうという通常ではあり得ない
不可思議な現象に遭遇した。
何故こんな現象が起きたのか、分かるか?」
「…何か仕掛けがある?」
見た目以上に思ったよりもクーは賢そうだ。
「その通りだ。おそらくこのダンジョンには何かしらの魔法が掛けられている。
一番可能性として考えられるのは幻覚の魔法だ。」
「幻覚の魔法?特別変なものは見えてませんが…。」
ニャミスはおっちょこちょいでさらにちょっと鈍感だ。
「幻覚と言ってもその見せ方は様々だ。今回の場合考えられるのは
本当はそこに道があるのに、幻の岩場を作り出してあたかも道が無いように見せかけて
いるんじゃないかってことだ。
幻覚なら実態は無い、つまりもし偽の岩場を幻覚で作っているとしたら、
手を付いていけば、すり抜けてしまう岩場があるんじゃないかってことだ。」
「良く分からないけどわかりました!とりあえずやってみましょう!」
しっかりしてるんだがしてないんだか良く分からん奴だ。
「ゆっくりな、重心を岩場に傾けすぎると幻覚の岩場で手がすり抜けてすっ転ぶからな。
あと足音や声が聞こえたら全力で叫べ。普通のダンジョンでやったらまずいが、
ここにはモンスターがいないから心配いらん。」
「了解であります!」…ます。」
2人が敬礼をした後、再び探索を開始。お互いに離れないようゆっくりと歩いていく。
○
「「ペタペタペッタン、ぺタぺタぺッタン、ペタペタペッタン、ペッタンタン♪」」
呑気な2人を見ていると真剣に考えているこっちがバカらしく思えてくる。
いや…そんな奴がいるだけでも気持ち的には救われているのかもしれない。
俺は苦笑いをしながら溜息をついて探索を進める。
「おーい、あんまり離れるなよー!」
「「はーい!」」
まるで子供の面倒を見る保護者の気分だ。
ニャミスは16でクーも同い年だと言っていた。
なら俺と2つしか違わないのだが、異世界人は精神的な年齢が低いのだろうか?
…いや、多分あいつらが特別なんだろうな…
しかし本当に大丈夫かあいつら?どんどん先にずんずん進んでいるが。
○
―そんなこんなでかれこれ歩き続けて2時間、少し休憩をしようかと
2人に声をかけようとした時だった、
「ニャッ!」
「あーれ~~~」
という2人の悲鳴らしきものが聞こえた。
もしや…と思い小走りで彼女たちがいたあたりまで駆けていくと
「やっぱり…いない。」
消えていた。恐らくこのあたりに幻覚魔法が掛けられた岩場があるのだろう。
おれはその辺の岩場にペタペタと手を当てて確認すると、
「あった、ここだ。…よかった、これで多分出られるだろ。」
と、ほっと胸を撫でおろし、彼女たちに続き幻覚魔法の先の道へ
足を踏み入れた瞬間、
「う、うわああああああああああああああああああああああああああああっ!」
その先に足場は無く、俺は真っ暗な空間へと際限なく落ちていく。
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