転生しても,パン屋

いつき

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転生しても、パン屋

目が覚めると、そこは見たこともないファンタジー世界だった。
青空の下、かわいい小さな村。
目の前には看板――

「パン屋 きらきら堂」

……え? 俺、魔王を倒す勇者に転生したんじゃなかったの??

「おーい、新米店主!朝のクロワッサン焼けたかい?」
奥から、コボルト(犬人族)が顔を出す。

「え、ちょっ……俺、勇者じゃ……」
「勇者?なにそれ?パン職人だろ、お前は!」

記憶がぐるぐる回る。
……確かに、神様がこう言ってた気がする。

『次の人生は好きな職業に転生させてやるぞ!』

眠かった俺は答えた。

『腹いっぱいパン食って寝て暮らしたい……』

……その願い、まさかそのまま叶ったの!?

 

「さあパン屋開店だ!勇者よりパン屋が向いてるよ!」
コボルトが肩を叩く。
気づけば手には焼きたてのフランスパン。
かじると――

「……うまっ!!」

中はふわふわ、外はカリッ。
なんだこの魔法の味は……。

「パンは世界を救う。魔王だってこれ食ったら笑うさ」
「……え、魔王来るの?」
「さっき予約してったよ。カレーパン100個」
「ちょっと待て魔王って予約すんの!?」

そうこうしているうちに――

「こんちわー魔王です。注文のカレーパン、取りに来ました☆」

笑顔の魔王(かわいい女子)が店に入ってきた。

「勇者……じゃなくてパン屋さん、これからよろしくね!」

「は、はい……!」

こうして俺は、世界一平和なパン屋として転生人生を歩むことになった。

パンは世界を救うらしい――。
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