隣は誰もいない

いつき

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隣は誰もいない

夜、アパートで一人で過ごしていたときのことだ。
リビングで映画を見ていたら、ふと壁の向こうから“ノック音”が聞こえた。

コン、コン……コン。

隣の部屋の人だろうか。こんな時間に……と思いつつ、無視していると、また音がする。
何度も、一定のリズムで。まるで何かの合図のように。

コン、コン……コン。

気味が悪くなって、壁に向かって「何ですか?」と声をかけたが、返事はない。
それから30分ほどで音は止んだ。

次の日、念のため管理会社に聞いてみた。

「すみません、隣の部屋の方って、最近引っ越されたんですか?」

管理人は首をかしげて答えた。

「え? なに言ってるんですか。最初から隣の部屋には誰も住んでませんよ。」

 



🔍解説

タイトルにもある「隣は誰もいない」が、そのまま最大の恐怖ポイントです。
• 語り手は「隣の部屋」からノック音を聞いた。
• しかし、管理人の証言によるとそもそも隣には“誰も住んでいない”。
• では、「壁の向こう」から聞こえてきたノック音は、誰が出していたのか?
• 単なる物音ではなく、一定のリズムで繰り返されたという点から、明確な意志を持った何者かの存在が示唆されています。

さらに怖いのは、語り手が「何ですか?」と声をかけたあとに、返事こそなかったものの**“30分も音が続いた”**ということ。
まるで“返事がなかったことに苛立って”叩き続けていたようにも思えるし、“何かを待っていた”のかもしれません。

あなたの隣は、本当に「誰もいない」と言い切れますか?
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